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『恋のいばら』を観てきました

昨日、とうとつに
「あ、明日は映画行ってくる」
と思いついたと同時に子供たちに言い放っていました。

新しい職場では、毎日覚えることだらけで、
まだ自分がしていることがどれくらい役に立つことなのかも分からないままひたすら動いているところです。
それがとても楽しいと思うのは、
結局体が覚えるまでは何だって大変で、それは誰でも大体いっしょだと分かったからだと思います。
私は古着のことも、服飾のことも、皮やら靴やら着物やら、
なんの知識もないまま働きだし、
それでも13年も働けたんだから。
そして短い時間でしたがベッドメイクも、フロント業務も結局できたのだから。
あんなにおたおたしたことが嘘みたいに、
ひとりで10部屋を掃除してメイクしてきちんと時間内に終わらせられたことは、きちんと私の自信に積み立てられています。

さて、ここ数日練習している朝の作業。
それをひとりでやることになるまで残るところ二日。
まだ六割くらいしか出来る気がしていないのに、、、
猶予の五日はもう三日使いきり、
いっしょに作業をしてくれているスタッフさんには
「としさんは覚えすごく早いよ!大丈夫!」
と言ってもらえているけれど、やっぱり全くそんな気がしないために緊張しているのだと思います。
明日はお休みだという事実に、心からほっとしてしまったのでした。

ほっとしたついでに、
これは久しぶりに映画を観に行きたいな、と思ったのでした。

それが文の頭の出来事になります。

さて、そうと決まったら何を観ましょうか?
行きつけの映画館の上映予定を見てみると、
ちょうど今日から上映がはじまる映画がありました。

城定監督の『恋のいばら』です。
去年は四作映画が封切られ、その四作目は12月に上映されたものだったのですが、もう最新作が更新されてしまいました。
この監督さんのファンの方にはうれしい一年のはじまりだろうな、と思います。

この監督の作品は二本目の鑑賞になります。
一作目はアマプラで見た『女子高生に殺されたい』でした。
原作の漫画を読んでいて、好きな映画系ユーチューバーの方が絶賛していたので見てみた映画でした。

今回の『恋のいばら』。

お話は、
バスの中で見知らぬ女性に声を掛けられた莉子は、
彼女の申し出に喫茶店で話をきくことに。
それは彼女_桃_が莉子の彼氏の元カノだと言うからだった。
桃は、莉子に恨みがあるわけではないと前置きし、
「リベンジポルノってご存知ですか?」
と話はじめる。
桃の職場で、最近同僚が昔の彼氏が流したリベンジポルノのために退職したことをきっかけに、自身もそういう写真を彼に撮られていたことを思い出したのだという。
「彼はそんなことをするひとじゃない」
と莉子は言うが、
桃も引き下がらない。
「そうかもしれないけれど、そんな写真があると思うだけで夜眠れなくなってしまったんです。彼のパソコンの中にデータがあるはずだから、それを消すのを手伝ってください」
桃の必死な様子に、
彼女が「気が変ったら連絡してください」と渡した紙を握りしめて店を出る莉子。
彼女のなかにも、彼を擁護しながらも引っ掛かりがないわけではなくて、、、

今カノと元カノ。
二人は協力して彼の部屋に入ろうと協力することになったけれど、
それはなかなか手間のかかる作業で、
何度も機会をうかがううちに、
やがて二人の関係も変化していく。

そうしてやっとの思いで入った彼の部屋で二人が見つけたものは_


この映画、今日からなのに近くの映画館では二回しかやっていなくて、
昼ご飯を跨ぐ時間のものが一回目の上映でした。
子どもたちにはレンジで温めるように言い置いて出かけました。

映画館に着くと、ちょうど上映のはじまる5分くらい前で、
チケットをとって、すぐに劇場に入りました。
ちょうど私の前でチケットを提示していた人も同じ映画を観る人だったようで、私はその人のあとを追う形で席につきました。
その人も一人で観に来ていたようで、席も階段を挟んでの同じ列でした。
選ぶ席が似ていることと、ひとりで観に来ることに慣れている様子に、
私はちょっと興味が湧きました。

長い長い予告を眺めながら、
あれ、これって私とあの人でこの劇場貸し切りだと気付いたり。

(それにしても予告!!長い!
せっかく長いのを見たので心が動いた予告を書いておきます。

『THE FIRST SLAM DUNK』

もう公開しているけれど、予告、でいいんですよね?
これ、予告だけはけっこう前から流れてましたが、
こんな長尺では見たことがなくて、公開したから流せるものなんでしょうね。
私はまったくスラムダンク知らないし、井上先生の漫画も読んだことはありません。
それでも、あの絵の動きは鳥肌が立ちました。
何これ!!見たことない!!絵が動いてる!!
絵が動いてる、というか、漫画の絵が動いてるのです。
まったく話を知らなくても見れると聞いたので、やっぱり観に行ってみようかと検討中になりました。それくらい衝撃のある絵でした。

『レジェンド&バタフライ』

まったく興味のなかった映画でしたが、
今回のバージョンの予告はよかったです。
木村さんってやっぱりすごい人なのだろうな、と。
でもなぜかこの人に感情移入できないので、けして観ることはないと思いつつ。
そんな私でも引き込まれる瞬間があって、それにとても驚きました。
脚本家の方も監督も人気作をバンバンつくる人だから、
きっとエンタメとして優れたものなんだろうな。

たぶん10本以上の予告を観たので、
本編に行く前にけっこう疲れました笑)


本編の感想です。

今カノと元カノの共謀によって彼氏の悪事というのか
性根のようなものが明るみにでていく展開なのですが、
そんなことよりも何よりも、
主役の二人の関係性の深まりがとても好きでした。


ネタバレします!!
気を付けて!!


人に見せるのを躊躇う写真を大量に見つけてしまった彼女たちは、
それを処分しようとしますが、
運悪く男が仕事道具を忘れたと帰ってきます。
慌ててクローゼットに隠れた桃は、
莉子にベッドの下に隠れるように言いますが、
莉子は躊躇います。
かわりに服を脱ぎ捨てて、
男に「サプライズ!!」と言って男を引き付けて強引に誤魔化して送り出します。
その一部始終を桃は泣きながらクローゼットの中で見ているのですが、
それはまだ男を好きだからではありません。

桃は、莉子がクローゼットを開けて引っぱりだしてくれた時、
彼女になりたかった。
と、言いました。
きれいで、自信に満ち溢れているように見える莉子に。

それは軽い口付けとともにでした。

それを百合と思う人もいると思うのですが、
私は全く逆で、
ああ、これは一番大切な友人へのキスだと思いました。
一番大切な友人、は、最愛といっても間違いではないくらいの存在なんじゃないかと思っています。
軽くて、やさしくて、静かな。
彼女のむける憧れが全て伝わるような、口付けでした。
彼女たちはお互いが、お互いを支えることができると知ったのだな、と。

男の家にいっしょに住んでいるおばあちゃんの作った、
お散歩の度に拾ってくる捨てられていたもの
(おばあちゃんの心に響いた美しいものが集められています)
で作ったお城。
それを男の部屋を羽根でめちゃくちゃにした後、
流れで?庭に出して飾る手伝いを二人はするのだけれど、
おばあちゃんとの交流もまた素敵だった。
きれいなものは、自分の基準できめていい。
そしておばあちゃんの作ったお城には、
王子様がいけるところは限られていて、
そしてお姫様はそこを通り過ぎることもできる。
そんな造りなのがいい。
(これは私にはそう聞こえたんだけれど、違ってるかもしれません)

今カノと元カノにボロボロに言われる男なのですが、
彼はたしかに最低な男なんですが、
お祖母ちゃんには無害なんですよね。
今カノを家に連れ込んだときも、
おばあちゃんがトイレに起きてきて、
寝ぼけて廊下でしてしまいそうになるのをやさしく言い含めてトイレに連れて行ってあげてたり。
おばあちゃんが拾ってくるものは、彼にはゴミにしか見えないだろうに
「ゴミ」とは言わずに「ガラクタ」って言うんです。
そしてそんなものに囲まれているおばあちゃんにきついことも言わないし、
無理に片付けようともしない。
出掛ける時も、帰ってきてからも、必ずおばあちゃんに顔を見せにいくのも、なんだか嫌な男なのに憎み切れない気がしてしまうな、と思いました。
いい奴では全然ないのですが、
そんなやつでも大切にできる人がいるんだな、って。
そのことに言い訳も、弁解もないところも。

わっと泣き出すような映画ではなかったのですが、
映画みたなぁ、とじわっと心に染みこむような映画でした。

挿入歌も、エンディングの曲も同じ人なのですが、
とっても良かったです!

結局、
結果的に
いっしょに映画を観ることになったひとには声を掛けませんでしたが、
ちょっと映画の内容とかも影響して、
映画館で観たからこその思い出になったな、と思いました。

今年もいい映画館始めになりました。とさ。

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