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「ひとみ」(詩)

花の蜜が 甘くなるように
熊の眼が 深く澄むように
星の瞬きが細やかで その明滅を個にしていくように
ただしさが 私の名の中にあり
それは 骨よりも中心で 私を真っ直ぐに整える
新しいものは 来るものではなく
湧きあがり 変質をとげただけ
もとは同じ手の一部
あなたが咲きたいのなら
咲くのがいい どんな場所であっても
あなたが求める 飢えを
どんなふうに満たすのか 土も肉も同じだから
あなたの命の 送り帰りを
いつまでも いつまでも 見守っている
私は飾られた鏡ではない
どこかで丸くかえりもしない
ただどこまでも広がって
ひたされた清明に 時を溶かす
あなたの指を何度も作り変え
そしてあなたの指で 星を数えて
夜の裾がひるがえる
その隙間で ひと時 目を合わせましょう

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