見出し画像

「夜の光」(詩)

月のおいでません夜
何を頼りに歩かれる
それは灯火
わたしの胸に生えた木々
その枝先に火を点けましょう
心を焼いて示しましょう
誰かが 明りになることを

月のなかなか強情な夜
何を目印に進まれよう
それは感触
踊る足下 転びませんように
手に手をとって
目には 私の目の内内に 蓄えた光を分けましょう
この夜に生きて 朝へ生き返るために

私は再生 そして轟き
私は子供 そして首だ
あなたが歩きたいと申すところを
宛名となって 先に生きる
沿ったあかつきには
いつかは風が月の姉さんを連れてくる
この夜をなし崩し
やがて満の衣をひるがえす

夜の
更に深い木漏れ日の下
かすかの光で生きたのです


この記事が参加している募集

#スキしてみて

527,181件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?