息が飛び出してくるのかと思った
去年、映画系ユーチューバーさんたちがお祭りのように「楽しい!」と言っていた映画、「RRR」。
インド映画ということで、
いまいちイメージがわかなかったのですが、
話を聞いているうちに「私も観たいな」と思うようになりました。
、、、なりましたが、
私の家の近所の映画館では上映する気配はまったくなく、
配信かDVDを待つことになるのか、と思っていたのですが、
なんと年を越えて最近上映することに!
それは絶対行かないと!
と思って、前日から子供たちにも言い含めて用意をしていました。
ちょうどじろうさん(夫)が家にいたので、同じように伝えると
「え?インド映画?」
と不思議そうでした。
たぶん、あまり映画を見ない人の反応はこんな感じなんだろうな。
とりあえず私は三日前くらいにはネットで席を予約しておきました。
そのときは、
私のほかは誰も席を予約していない状態で、
ああこれは貸し切り状態になったりして、なんて思っていました。
ところが、ところが。
実際劇場に入ると、
私のすぐとなりにはおしゃれな年齢は上だろう男性がすでに座っていました。
こんなに席があるのだから一個はなれて席をとってくれたらいいのに、
と思いつつ、その隣に座りました。
しばらくすると、また私の席のそばにひとり、またひとりと人がやってきて座り始め、上映が始まるころには周りの席は埋まっていました。
正直、最初はこの状態で映画観て集中できるかな、なんて思っていましたが、話にきいていた冒頭の、映画の時代設定や、主人公たちの背景、凄まじい熱量の野望が描かれた部分で、もうその状況を忘れていました。
『RRR』、とっても面白かったです。
映画を観る前に見ていたYouTubeのナートゥダンスの場面が、大画面で見られて最高でした。
笑い転げて座り込む女性方と、
滑りこけて悔しそうに地面にへたりこむ男性方の描き方や、
本当に肉体がすごい!と感じる二人のダンスに釘付けでした。
インドの人って、歌もうまくて大幹もつよくて、音感も抜群なんて!
砂埃が舞う中、ドレッシーな人たちが踊りまくるって、すごい楽しそうです。
森の中に暮らす部族の1人だったビームは、
家族が攫われ、幼い少女を助け出すために村の仲間とともに
イギリス軍のお偉いさんである男の邸宅のそばの町に潜伏する。
またもう一方の主人公のマーラは、
胸に潜める野望のために特別な警察官の立場を手に入れるため、
昇進できる機会を狙っていた。
そこに降ってわいた将軍を狙う部族の男を探し出すという任務に飛びつく。
お互いに目的を果たすために動いていた矢先、
貨物列車の引火事故に巻き込まれた少年を助けることで意気投合した二人は、時間をかけずに親友となっていく。
しかし、二人は本来相容れない目的を持っていて、、、
というお話なのですが、
トラとの戦闘や、
100人ほどの群衆のなかで一人を捕まえにいくなんて正気の沙汰じゃないと思うような仕事のやり方や、
猛獣をつかっての襲撃や、
肩車をつかってのアクションにびっくりしっぱなしだったのですが、
それ以上に胸を掴まれたのは、
ビームの仲間を捕まえたマーラが拷問をしていたとき反撃で毒蛇をけしかけられ、瀕死の状態でビームに会いに来る場面でした。
今から決死の作戦を遂行するぞ、というところだったのに、
マーラの状態をみてすぐに手当てを優先してはじめるビーム。
なんとか解毒に成功して、ベッドに運んだ彼にビームは自分の本当の名前と目的を伝えます。
その時ついに彼が自身が追いかけてきた男なのだと気付きます。
動揺するマーラを、毒のための混乱だと理解したビームの語るマーラとの日々への光あふれる感謝の言葉に、私は内側が力づくで混ぜられているような苦しさに襲われました。
こんなに臆面もなく、親友との日々が何よりの宝物だという男を、
これから捕えにこの人は行くのかと思うと。
ハリウッドや、ヨーロッパの映画で描かれる親友というものとはまた違う、魂の密着感の圧がつよい二人の友情に、
インド映画に俄然興味が湧きました。
今まで見たインド映画が『盲目のメロディ』で、
これもコミカルなミステリとどんでん返しと、ちょっとした恋がうまい具合に混ざり合っていてとても面白かったです。
けっこう国によって、親友、兄弟、恋人の描かれ方が違うのって面白いです。
今度はアクションばりばりのではなく、
登場人物の関係性に重きが置かれたインド映画を見てみたいと思います。
それにしても、
『RRR』が劇場の大画面で観られて本当によかったです。
あんなに密集して(たぶん一番見やすい場所にみんなが固まった結果)映画を見るなんていつぶり?と思える体験でした。
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