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詩、誌、氏

700
詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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#月

「とおいひと」(詩)

月は遠い星だろうか とおいひとたちも 月を見ているだろうか 本当は 瞬きの先の月光の粒も …

とし総子
4か月前
8

「月の夜」(詩)

みごとな みごとな 満月は だれの心の描いた満月なの きいろをぐるりと塗りひろめ 青い夜を…

とし総子
6か月前
10

「月が降りる」(詩)

月が呼ぶ 白い手が 白い声に 響きを伝って 押し当てられる たらり たらり、と白く 細く儚いも…

とし総子
7か月前
8

「足はどこ」(詩)

静かに 月が昇る ばしゃん ゆったりと砂は流れ しゃんしゃん 荒れ果てた寝床でも やさしい…

とし総子
9か月前
9

「あの夜の夢には」(詩)

ねえ 君 泪が枯れた その目には あの日の月を飲み込んで あれほど見事な月ならば こらえる…

とし総子
9か月前
7

「きれいな月」(詩)

月がきれいだな あしたがゆっくりやってくる 夜もゆったり進んで行く ああ あなたはやさしい …

とし総子
10か月前
6

満月の詩

『満月』 満月は わたしを引っぱる 肘のあたりでもたつく袖を 転ばないくらいに 小さな光でつまむ 満たされるほうへと 『月の姉さん』 ずっと 満月が続けばいいね そう言うと 姉さんはよろこぶ そんなにずっとがいいかいと 世界の瞳をうっとりとさせて ゆるゆると 絶妙な力で引き寄せる その光は 欲を知らないほど欲深い ずっと姉さんの頬を見ていたいよ やさしくそうくすぐれば 姉はたまらなそうに雲に口を埋めるのだ 『月』 月がわたしに与えるものは 情や愛に 似たものでは

「窓をたたく手で」(詩)

月に会いたい くもり空を手の平で洗って 星をそっと 吹き流す そうして 月を両手で掬い取り…

とし総子
1年前
8

「夜の光」(詩)

月のおいでません夜 何を頼りに歩かれる それは灯火 わたしの胸に生えた木々 その枝先に火を点…

とし総子
1年前
8

「月ノ光とわたしの頬」(詩)

月の光りが香る 眠りかけた私のまぶたに 明るい黄色が ふわりふわりと 落ちて 撫でる 遊びに…

とし総子
1年前
7

「熱い風」「月の糸」「実験的に、白とは」(詩)

【熱い風】 いつも甘えてばかりね ごめん そのやさしく吹くかんじに だまされているってい…

とし総子
1年前
4

「月夜」「夏の散策」「花首」(詩)

【月夜】 剣が夜の胸を刺す 白い光が漏れて この道を照らす あの果てが鳴る それが祝福か …

とし総子
2年前
5