シェア
あなたの手が獣に成り わたしが赤子の赤い夢に生まれ 果てよ 果てよ、と のばされてゆく 静か…
夜をつくる やわらかな明かりたち 夕餉のかおり 道行くひとの連れ合う匂い 蝶々のように ひ…
赤が垂れる さっき底が破れたみたいだ じんわりと広がって 上のまるみは萎んでいく やがて 横…
それでも私たちは見つめ合う うつくしい夜だ それを築く歌が響く 星々の歌だ 闇のあいまを踊り…
夜が恐かったわけじゃない 私を奪うものが恐かったの 星は矢となり 夜を射る 夢よ醒めろと月…
静かな星の降る 静かな故に降る 導きは山を越えて 導きに山は光りて 小さな言伝を託して 小…
みごとな みごとな 満月は だれの心の描いた満月なの きいろをぐるりと塗りひろめ 青い夜を揺らしていたの そっと両手ですくいあげた神様の 指のすきまから こぼれた光は 夜の水際にゆらりゆらと 天の水底を見上げる私ら 月夜の静寂が打ちよせる 青い闇は微笑みを染めて
金色だ 紫だ 明るさは抜けていき 地面を染めて沈んでいく 今明けていく方へと流れるからだ 濃…
ぐるぐると いくつもの夜がぶつかり合って 切実な音が火花となって散っていく 折り合った重さ…
月のおいでません夜 何を頼りに歩かれる それは灯火 わたしの胸に生えた木々 その枝先に火を点…
夜が怖くなくなって、と言葉を放り出そうとして すぐにその腕を掴んだ 夜は ずっと怖いもの…
ああ なみだがながれでた夜はねむたい あしたがどんなにしんどくても この夜が ほんの瞬きで…
夜の香りに傷付く うす闇の襞が返る 白い星が かくれたと思えば 強く 光る 静かな飛び石を …
夜に 飽いた 夜に 空いた 夜に 咲いた 夜に 割いた 心に 閉じた ドアの向こう 都合のいい 夜が座っている