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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2023年10月の記事一覧

「光の射す方に」(詩)

光の射す方に 光の射す方に たとえそれが鋭くこの胸の穴を 貫き通り過ぎるだけの熱でも 光の…

とし総子
7か月前
7

「あのね、日々は」(詩)

あのね あなたに書いた手紙は ひとりの会話 「あんなことがありました」 「あなた あれを見ま…

とし総子
7か月前
8

「私の書くは」(詩)

上手に詩が書きたいか 小洒落た小説は? たった二本の 私の腕で 手で たった一つの 私の言…

とし総子
7か月前
9

「今」(詩)

今 限り無い今 今 私の胸を刺し貫いて 今 どこまでも孤独に 今 断たれることに慣れることも…

とし総子
8か月前
5

「いつかの海」(詩)

今 垂れ流される水は いつか 私を海にする

とし総子
8か月前
6

「夕暮れ」(詩)

夕暮れに染まる泣き顔は ひたむきに明日を願っていた 止めることができないのならば いっそ …

とし総子
8か月前
12

「波紋」(詩)

丸を落とした 騒いだ水面 四方八方へ 踊った水飛沫 それが描いた波紋 広がっていく輪と 沈んでいく温度 もう形は変わっていく道へと進んでいた 諦めた手が 私を慰めるように 隣にあった それはつよく 握りしめられている

「言った」(詩)

あなたは生きたいと言った 閉じていく 私の口元を見つめて あなたは 生きたい と言った

とし総子
8か月前
7

「星」(詩)

ずっと好きだっていうことは 今 もう 呪いだ それは 輝いている

とし総子
8か月前
8

「夜のつづき」(詩)

静かな夜 どこまでも歩いていくのが幸せだと思えた あたらしい あなた どこまでいくと出逢え…

とし総子
8か月前
8

「夢見たくらいで」(詩)

飛び出していけば 帰ってこない という 想像していた 私はなんてお手軽で 私はなんと単純な …

とし総子
8か月前
6

「同じように泣く」(詩)

誰が死んでも涙を流す あなたが死んだときと同じくらい 息を乱して 体を痺れさせて どうしよう…

とし総子
8か月前
6

「四季」(詩)

あの夏の日 体育館の横の木 くっきりとした影を落としていた やわらかな幹の皮を指先で摘まむ …

とし総子
8か月前
6

「あなたがいる」(詩)

野菜をたっぷり切らなくちゃ 子供の宿題の急かし役は喉にくる 生きることって大変で 育てることって面倒だ 愛も情も理も知もあったって 手放したくなることはある 税金は複雑に絡みつくし 体に埋められる時間は重い 生きることは嫌になるし 育つものの隣は暗くもなる だけど あなたがいる 溜息は少し体の熱を逃がし 涙に溺れて耳をふさいだ そして 私は私の心音を聞いてきた 私の生には あなたがいる