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yawarakaisekai
「あのね、日々は」(詩)
あのね
あなたに書いた手紙は
ひとりの会話
「あんなことがありました」
「あなた あれを見ましたか?」
ああ 静かに落としましょう
水面に立つ
波音も静かにあるように
あなたに書いている 私の日々
あなたへの日々
あまりにあたりさわりない
あなたと過ぎ去りたかった
あたらしいことだと知らされない毎日を
あきてしまうことも恐れずに
捲っていきたかった
夢
それを持って渡る川を見つめている
あのね
小さな闇をかぶって
そっと火を灯して
手を明るく焼いた
あなたのことに
語っているような気持ちで
私は
私が語りたかったことを
綴ってきたのでしょう
ひとりごとより少し前向きに
これは詩
いえ 単なる日記でしょう
叫ぶ声はつよく吹くことは
もうないけれど
あなた
向かう方向が同じであったらいいと
せめて そちらを振り返って手を振る
こちらです
こちらです、と言うように
私は言葉を灯していく
私の日々は小さな蝋芯になり
あなたに見てもらいたいと身に火を走らせる
小さな闇の中
さらに小さな
明るさになるために
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