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元彼から男という生き物を学ぶ③


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元彼が子どもを欲しがってないということがわかり、結婚についてもはぐらかされ続け、私はどこへ向かってるのかわからないまま、交際を続けた。
付き合って3年経っても結婚を意識しないとなると、今までの関係はなんだったのか、ただのヤリモクだったのかと落胆した。
身体目当てかストレートに聞いたら否定されたけど、別れる気もないようだ。私もこれまで積み上げてきた情があるので別れるという選択はできずにいたが、恋愛フィルターみたいなものがはずれ、そこから彼を冷たい目で見ることが増えた。

私はこれまでの時間を無駄にしたと思いたくなかったので、彼のダメなところを直していこうと思った。
まず借金。
一刻も早く借金を0にして欲しかったので会う度に借金返せてるか聞いて圧をかけた。毎月返してるといってるものの、新たに大金を使うことがあったのでいい加減にしろと思った。もちろん彼が自分で稼いだお金をどう使おうが自由ではあるが、私と別れたくないのなら借金を返すことが最低条件だったため、それはちゃんとしてもらわないと愛の証明にならないのだ。
厳しいかもしれないが、本当に愛があるなら必ず行動に出るものだと私は思っている。

なぜこんなに借金が嫌かというと、結婚したとして彼が私に与えてくれるものが思いつかないからだ。
あとシンプルに自分に被害が及びそうで嫌だった。
家事もできない、仕事も家でしたい(雇われて働くのが嫌らしい)、かといって稼げるわけでもない、ひとりの時間がしっかり欲しいとなると、私が全ての家事をして彼を養えるだけ働かなければいけない。それに加えて彼の借金も私に請求が来る可能性もある。
しかもひとりの時間を大事にするということは気が向いたときしか相手してくれないということだ。
私は働くだけで1日が終わる奴隷のような存在になり、生きてる意味も見出せず疲れた顔でやつれている自分の未来を想像した。


一年猶予をやるからそれまでに返してねと約束して彼も最初は意気込んでいたのに約束は守られなかった。
しかし、それでも私はまだ別れることができず、また1年さらに1年と彼の借金返済を待った。
しかし、何年猶予を与えても彼が借金を全額返済することはできなかった。
もう私は彼が何を考えて日々過ごしているのかわからなかった。


彼が借金をしている理由だが、前回の記事で書いたように彼には夢があった。
フリーランスで色んなところを旅しながら仕事するというものだ。
それ自体は否定しない。むしろ私もそういうふうになりたいとすら思う。
問題なのは結果を出さないことだ。

結局彼はカフェとかでノートPC開いてドヤりたいだけなのだ。パソコンでなんかやるような仕事であればなんでもいいみたいで、いろんなものに挑戦していた。
しかも自己投資とか言って信用できない感じの人に先生になってもらい、毎月何万と授業料を払っていた。
Twitterとかのプロフィール欄で月収うん100万達成とか書いてる私が一番嫌いなタイプのやつを盲信してるのだ。
そういうやつは起業の心構えやモチベーションの保ち方とかそういう話ばっかで肝心の実技については全然教えない詐欺師のイメージがあった。いやまぁあくまで私の想像だけど。
Twitterで知り合った師匠や知り合いに会いたいと言って二人で行った旅行でひとりぼっちにされたこともあった。行く前から分かってはいたが、ひとりで時間をつぶして、迷子になったりしてとても虚しい思い出になった。
そういうのは自分でお金貯めてせめてひとりで行ってほしかったな。


彼はいろんなものに手を出しては稼げないと辞め、また同じことを何度も繰り返していた。教える人がうさん臭いのもあるが、彼自身が本当にやりたいことがないから軸がブレブレ&やりぬく努力ができないというのもあって、きっと一生こんな感じで夢を追い続けて彼の人生は終わっていくんだなと思った。

でも彼にとっては夢を追い続けることが生きがいであることがわかって、私が彼を変えることなどできないと何年もかけて知った。
“人は自分自身が変わろうとしなければ変わらない”
彼と付き合って一番勉強になったことがこれである。

能力がなくてもいいからせめてマイナスになるようなことだけはやめて欲しかった。
家事は私が全部やってもいいからせめて家賃光熱費その他もろもろ半分は払う気でいてくれないと私だけが負担が重くなるなんて絶対嫌だった。
35を超えた7歳年上の彼を養う気はさすがになかった。


私が彼に期待しなくなってきたころ、彼からプロポーズされた。よく晴れた海の見える公園で。

プロポーズされたときは素直に嬉しかった。泣くほど。
婚約指輪も貰ってすぐつけて、その日1日とても幸せだった。

でも数週間ほどでそれはただのご機嫌取りでしかないことがわかった。
婚約したとて何にも変わろうとしない彼。
絶望して私は婚約をキャンセルした。毎日泣いてすごした。

その後も私がものすごく機嫌が悪くなると婚姻届を持ってきて結婚しようと機嫌とりをするが、そんなものはゴミでしかなかった。彼は私が一番欲しいものは絶対にくれなかった。私が一番欲しいものは彼にとっては私の存在より何よりも譲れないものだったんだろう。



彼の誕生日、将来の話をした。
もちろんお金についての話をした。
そこで彼が借金返す気がない、それどころか勉強のためならいくらでも費やすという本音を聞き、もう私は完全に諦めた。さようならをした。
彼は現実を受け入れていない顔をして、車に乗り込み泣きながら帰る私に手をふっていたが、わたしは手を振り返すことができなかった。
彼の誕生日に残酷なお別れをしたが、私のほうがよっぽど傷ついてきたと思う。22歳から29歳までの女にとって大事な期間を彼に捧げてきたんだから。まあその選択をしたのも私自身だからお互いさまといえばお互い様だけど。




すごい彼のことを悪く書いたが、私も彼に対してかなりモラハラだったと思う。暴言もたくさん吐いた。彼を泣かせたこともある。
そもそも彼自身が彼の生き方に満足していたかもしれないのに、私の力でなんとしてでも彼を変えようとしていた。
だが、それは不可能だった。
付き合ってる期間の半分くらいは好きだからとかではなく、彼を変えたいから一緒にいたと言っても過言ではない。
でも恋愛の楽しさも苦しさも体験できたし、結果的にとても良い経験になったと思う。
それに性格が良いとは言えない私のことを何年も好きでいてくれたことに感謝している。

別れた今でも彼のことは嫌いではないし、お互い夢に向かって勉強するという共通点があるのでそういう会話ができる貴重な存在ではある。
作った作品を見せて、ほめてくれたりもした。

復縁はないと言いつつ、今もときどき会って近況報告などしあい、友達のような関係になっている。
でも一度冷めきった愛はもう元に戻ることはない。新しい恋を見つけたほうがお互い幸せになれるんじゃないかと思う。


自分語りが長くなったが、タイトルの回収をしよう。
いろいろ悩んだとき、私は恋愛についてネットで調べたり他の女性の意見も聞いてちゃんと勉強した。
男性は基本的に結婚を先延ばしにする癖があるようだ。
いろいろ責任とか重圧みたいなものを感じて結婚は避けたいんだろう。
まあそれもわかる。
男は妊娠・出産がないから働くことで成果を出さないといけないし、自分の時間がほしいのに結婚して子どもができたらそれがなくなる恐怖とかあるんだろう。相手の親とか親戚関係も正直興味ないしめんどくさいし。
女の私もめんどくさいって思うよ。
別に結婚という契約をしなくても一緒にいることは可能だしって。とにかく縛られるのが嫌なんだよね。それもわかる。
でも、結婚は嫌って言われたらなんかやっぱ冷めるよね。あ、責任はとりたくないんだーって。子どもできたら無責任に捨てるんだーって思うよ。
結婚って女が安心したいための制度なのかなって個人的に思う。

とりあえずお金に困らないようにしつつやりたいことは後悔しないようにやって幸せだって思えたらそれでいいことにする。



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