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140字小説 No.576-580

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【No.576 人生アプリ】
人生のログインボーナスを入手してしまう。新しい朝を迎える度、強制的にストレスが溜まっていく。消費されることもなく、使いどころもなく。いつからか、メンテナンス期間に入っていた。アンインストールもできない。アップデートもできない。生きているだけで人生の許容量を圧迫してしまう

【No.577 誤字の鐘】
誤字の鐘が街に鳴り響く。不協和音は神経を鈍らせて、一度聞いてしまったが最後、文字が正しく認識できなくなる。図書館や本屋にある木の文章は五時だらけになり、文章力も著しく定価してしまう。誰かの離す言葉も美味く返還できない。時膜も、メモ餓鬼も、刑事版も、事場が膿から失れていく

【No.578 ガム売りの青年】
ガム売りの青年が冬の街でガムを売る。凍える風に体を震わせながら、膨らませたガムからは辛かった思い出が浮かび上がる。パチンコ屋の清掃員がドル箱を倒したこと、タバコのポイ捨てを老人に叱られたこと、コンビニ前の地べたに座ってたら尻が汚れたこと。だけど別に誰もガムは買わなかった

【No.579 ランチパック】
ランチパック春の訪れ味を購入する。何も入っていない袋を開けると桜の良い香りが漂ってきた。部屋の中を春の陽気が包むと、桜の木や花見客、お酒やおつまみの幻が現れる。家の中にいながら宴会気分が味わえるのだ。いつか、青空の下でみんなと会えるように、今は楽しむための予行演習をした

【No.580 記憶の一粒】
昔々、思い出をこんぺいとうに変える魔女がいた。味わうように魔女が口の中にこんぺいとうを含むと、記憶が頭の中に流れ込む。逆に思い出をこんぺいとうに変えられた人はその記憶を失ってしまう。楽しかったはずの学生時代が思い出せない。私の記憶もこんぺいとうにされてしまったのだろうか

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652