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140字小説 No.481-485

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【No.481 動物同窓会】
動物専門学校の友達と同窓会をすることになった。喋らないけどウマが合う奴だったり、男の前では猫を被るマドンナだったり、犬猿の仲だったり。とても懐かしい顔ぶればかりだ。「時間だから帰るよ」「まだ早いぞ」「帰る」「帰る帰るばかり言って、飲まないのか?」「あぁ、僕は下戸なんだ」

【No.482 雪似だいふく】
そこまで寒くないのに雪が降ってくる。珍しいなと思っていたらどこからか甘い匂いが漂ってきた。雪が服についた部分がベタベタになっていく。手のひらに雪を乗せて食べてみるとクリームが口の中に広がる。なるほど、もうそんな季節か。人肌が恋しくなるころ、街には雪似だいふくが降り始めた

【No.483 空槽】
空槽を覗くと、激しい雨や雷で満たされていた。一羽の鳥が嵐の中を果敢に飛び回っている。アクリル板のない枠組みだけの箱に、観賞用なら比較的おだやかな空の環境を整えたり、鋭い飛行を楽しみたいのなら悪天候の設備を用意する。魚を水槽で飼うように、近年では鳥は空槽で飼う時代になった

【No.484 冬の音ずれ】
冬が深く積もると、街のありとあらゆる音がずれていく。朝方の雪の上を歩く調子、薬缶が沸騰する時間、寒さで震える声が遅かったり低かったりする。静かに、静かにずれは大きくなった。正しいリズムがわからないまま、ふいに通学路で彼に会うと、落ち着いたはずの心拍数が早めにずれていった

【No.485 マネーランドリー】
深夜のコインランドリーに訪れる。バッグから大量の札束を取り出して、すぐさま洗濯機に入れて回す。麻薬取引や賭博で得た不正資金を、このコインランドリーで回すと清らかなお金になる。マネーロンダリングだ。危ない小遣い稼ぎだとはわかっているけれど、足までは洗うことができなかった

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652