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140字小説 No.581‐585

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【No.581 恋病薬】
恋の病に効く薬が発明された。性別、年齢、人種によって飲む量や回数を変える必要があるらしい。中学生になった私は、同級生の男の子に今世紀最大の恋をしてしまった。熱に浮かされた私はきっと恋に殺されてしまうだろう。1錠だけ飲んでひとまず様子を見てみたら、翌朝にしっかり治っていた

【No.582 晴れのちラムネ】
「今日は晴れのちラムネです」と天気予報士が告げる。わざと傘を持っていかなかった私は、案の定ラムネに濡れてしゅわしゅわになってしまう。同級生の男の子が「何やってんだ」と笑いながら傘を差してくれる。ラムネは降り止んだはずなのに、ずっと、どこからかしゅわしゅわと音が弾けていた

【No.583 駄菓子屋の神様】
駄菓子屋の神様だと自称する女子高生のお姉さんがいた。小学五年生にしては背が低かった僕は、若気の至りで告白したことがある。お姉さんは「きみが超ひもQより大きくなったらね」と、僕の小指に超ひもQを巻きつけた。僕が高校生になった今、生産終了と共に思い出も失われたようで胸が痛んだ

【No.584 髪の毛の種】
髪の毛の種を購入した。つるつるとした頭に種を蒔いて水やりをすると、少しずつ髪の毛が生えてくる。しかし困ったことに、普通の髪と違ってお手入れが大変らしい。生えた髪の毛が枯れないように、栄養の足りていない髪を間引いたり、定期的に頭に水を注がないとすぐに駄目になってしまうのだ

【No.585 潜む】
最近、僕達の住む寂れた村にも『そいつら』が出るようになった。夜になるとどこからともなく現れて、家の中を勝手に徘徊する。奇声や謎の光を発する『そいつら』に僕達は怯えながら、ひたすら夜が明けるのを待った。呪詛が聞こえる。「さぁ、今日は幽霊が出ると噂の廃村にやってきました!」

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652