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140字小説 No.316-320

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【No.316 声の行方】
大声大会が開催された。死んだ友のことを知ってもらおうと大きな声で叫ぶ。声は届かなかった。どこからか「人の死を利用するな!」と聞こえた。司会者が「名前も顔も性別も年齢もわからない無関係な人が一番声が大きかったです! おめでとうございます! おめでとうございます!」と騒いだ

【No.317 空の飛び方】
「赤い羽根募金をお願いします」と高校生達が活動していた。若いのに感心だなと、僕の背中から羽をむしって差し出す。空の飛び方を知らない子に、空を自由に飛べなくなった子に、 空に憧れている子のために、空を夢見る子に、今では少なくなってしまった僕の羽を託す。高校生達は優しく笑った

【No.318 言葉の乱れ】
国語が神の転ぶ。言葉達にめちゃくちゃがなって混乱する。ヒラガナ、かたかな、kanjiが区別の付かなくなって頭痛が痛い。今日わ大変に一日ななるだろう。人間達わ国語に神様の言います「ご願いします。言葉お正だしく戻してください」と。生活が煮詰まる。ニッポン語がむづかしくなりました

【No.319 消えていく】
政府から「不要不急の夢を見ないように自粛していただきたい」と要請が出る。街からミュージシャンが消える。カメラマンが消える。アイドルが消える。コスプレイヤーが消える。グラフィックデザイナーが消える。小説家が消える。「本当に不要不急だったのかな」と誰かの声が聞こえる。消えた

【No.320 釜茹での刑】
「お前は現世で悪行の限りを尽くした。よって、地獄の釜茹での刑だ!」と、閻魔大王が罪を犯した男を裁きます。邪鬼達に引き摺られてマグマ風呂に放り込まれる男。しかし生粋の江戸っ子であった男は「天にも召される気持ち良さだ」と唸ります。男の魂は天国へと昇っていき、善人となりました

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652