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140字小説 No.551‐600

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【No.551 ロストカラー】
歯ブラシが青、黄、赤と並ぶ。僕、母、妹の歯ブラシは信号機のように仲良く揃っている。妹はいつまでも自分の色がわからず、たまに僕の青色を使っていた。それが嫌だった僕は、走ることが大好きだった妹に「赤は進めの赤だよ」と嘘を教える。不必要になってしまった、赤色の歯ブラシを捨てた

【No.552 共感覚情緒】
言葉の種を買った。記憶の鉢に植えて、水の代わりに思い出話を注ぐと、誰もがうらやむ花が咲く。枯れないように、散らないように、泥濘の『今』は見て見ないふりして昔話に縋る。優しい光を肥料に、夢を栄養に、失わないように与え続ける。過去の中にだけ咲く、綺麗な綺麗な造られた花だった

【No.553 ぷるぷる】
空から色とりどりのぷるぷるとしたものが降ってくる。落ち潰されないように物体をひたすらよじ登っていく。必ず二個一組で降ってくる物体は街中を埋め尽くした。やがて、見えない天井に阻まれたかと思うと、物体が次々に消えていき、どこからか女性の声が「ばよえ〜ん、ばよえ〜ん」と響いた

【No.554 おいしいスープ】
大人気のラーメン店に訪れる。夫婦で営んでいるお店は忙しくて、午前中にはいつもスープを切らしてしまう。なのに旦那さんは「ちょっと風呂入ってくるわ」と厨房を奥さんに任せてしまい。だけど奥さんもにこにこ、お客さんもにこにこ。笑顔が絶えないくらいおいしい秘密のスープを飲み干した

【No.555 Presence】
マクドナルドの略し方で喧嘩している、高校生くらいの男女がいた。「マックだよ」「いや、マクドだよ」と仲良く笑い合っている。青春の、一ページにも満たない瞬間だった。あんな情景が私にもあったのか思い出せずにいる。ベンチに座りながら、昔より塩気の強いモスバーガーのポテトを食べた

【No.556 マネキ猫】
野良猫が物珍しそうに前足でマネキ猫を転がす。器の中から鈴の音が鳴ると、野良猫は急にコテン、と固まって動かなくなってしまった。驚いて祖父の元へ駆け寄ると、歯磨きをしたままの姿で硬直していた。祖父の体から鈴の音が鳴る。捨てようとする右手が動かせない。マネキ猫が笑った気がした

【No.557 ネットクリッター】
インターネットの中にだけ存在する生き物がいた。タニンノフコウミツバチやジブンガタアリ、オキモチヒョウなどその生態は多種多様に渡る。天候は常にあらしだった。青い鳥が運んできた文章や写真、イラストを奪っては食欲の代わりに承認欲求を満たす。弱い者は誰かの養分になるしかなかった

【No.558 消える馬鹿】
「馬鹿には見えない壷あります」と値札には法外な金額が書かれていた。商人が「あなたには素敵な壷が見えますよね?」と煽る。僕も負けじと「馬鹿には見えないお金で支払います」と答えた。険悪な雰囲気が流れる。周囲の人達が見向きもせずに素通りしていく。馬鹿には見えなくなってしまった

【No.559 女神の眼鏡】
眼鏡を落とすと池の中から女神が現れた。「あなたが落としたのは金の眼鏡ですか? 銀の眼鏡ですか?」「いえ、僕が落としたのは普通の眼鏡です」「正直者のあなたには全ての眼鏡をあげましょう」以来、金の眼鏡をかけると金のエンゼルが、銀の眼鏡をかけると銀のエンゼルがわかるようになった

【No.560 安心安全テレビ】
バラエティの罰ゲーム(注:事前にリハーサルしています)でパイ投げ(注:体に害はありません)を受ける芸人が「こんなの聞いてないよ!」(注:本人としっかり打ち合わせしています)と怒り出して(注:演出です)パイを地面に放り投げる(注:スタッフがあとでいただきました)(注:安心してご覧ください)

【No.561 キャッツレス】
こんなご時世、いまやキャッツレスが当たり前となった。接触防止のために猫を被る行為、猫の手を借りる行為、猫に小判や鰹節を与える行為、猫に経を唱える行為、猫に好奇心を持つ行為、バターを塗ったトーストを猫の背中にくくり付ける行為、猫の首に鈴を付ける行為、猫なで声が禁止になった

【No.562 夢食堂】
若い頃はどこにでも開店する夢食堂でお腹と希望を膨らませていた。おまかせ夢定食は安くて、量があって、おかわりも自由だった。食べっぷりを応援してくれる人がいた。残しても文句は言われなかった。大人にならざるを得なかった今、どこにでもあるはずの夢食堂は見つからなくなってしまった

【No.563 盗作(No.002「アカシアの花」)】
この公園が草原だったころ、私は男の子と約束したことがある。「十年後、この場所で再会しよう」と。アカシアの花で作った冠をゆびきりの代わりに交換した。その約束が果たされることはなかったけれど、私は公園に来る度に思い出す。記憶の中だけの草原は、今でも鮮明に翠緑の光を放っていた

【No.564 くつ屋】
路地裏の日陰に佇む、顔馴染みの『くつ屋』に訪れる。退靴、屁理靴、窮靴と悪い感情ならサイズを問わずになんでもござれだった。今日は思考が柔軟で、性格がまっすぐな友人が気に食わないので『偏靴』をプレゼントする。そういえば、僕の履いている『卑靴』もサイズが合わなくなってしまった

【No.565 スクラッチワード】
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【No.566 お風呂の時間】
最近、五歳になる娘が一緒にお風呂へ入ってくれない。残念がる僕に申し訳なく思ったのか、娘が「うちのおふろはせまいから、みつになっちゃうの。そーしゃるでぃすたんすをまもりましょー」と慰めてくれる。そうは言うものの妻とは一緒に入ることに涙を流しながら、僕は一人でお風呂に入った

【No.567 【歌わせてみた】】
最近は【歌わせてみた】が動画投稿サイトで流行っているらしい。歌うのが苦手な人達に「あなたには歌の才能がある」や「その声には独特な雰囲気がある」などとおだてて、MIXして動画投稿サイトで笑い者にするのだ。馬鹿にして、晒し上げてお金を稼ぐ。誰かの夢を蔑ろにして生活は回っていた

【No.568 猫吸い】
若者の間では「猫を吸う」という行為が流行っているらしい。ベテラン刑事の俺の勘が事件性を訴えていた。おそらく違法ドラッグの隠語だろう。ある日、娘が電話越しに「友人に頼んで猫を吸わせてもらったんだよね」と話しているのを聞いてしまう。まさか身内に喫煙者がいたなんてと涙を流した

【No.569 嫌いな人】
嫌いな人を頭に思い浮かべて、強く願うとその人が亡くなる力を手に入れた。あいつも、こいつも、そいつも、どいつも、僕には嫌いな人間が多過ぎる。路上喫煙、ゴミのポイ捨て、みんなみんな嫌いだ。面倒になって嫌いな人みんな死んじゃえと願うと、頭にモヤがかかって、目の前が真っ暗に――

【No.570 夕融】
夕日が溶け出して、橙色の雨が降り注ぐ。街に、花に、人に、夢に、雨が侵食していくと、やがて感傷的な気持ちに取り込まれてしまう。機能を失って、希望を失って、今日を失って。鮮やかだったはずの思い出も色褪せてしまう。夕日が欠けていく。三日月に変わる。ずっと、ずっと、夜が生まれた

【No.571 ぎむ茶】
夏を迎えると会社では、ぎむ茶の補給が徹底された。「残業しても納期までに間に合わせなくっちゃ」「会社の為にがんばらなくっちゃ」といった思いを強制的に植え付ける。上司を立てること。部下は口出ししないこと。義務だから。義務だからと言い聞かせる。飲む、飲む、飲む。吐いても飲んだ

【No.572 七夕くじ】
今年も七夕くじの売り上げは好調だった。購入した笹は何万本かに一本、強く光って短冊に書かれた願いを何でも叶える。代わりにハズレの笹に吊るされた願いは一生叶わなくなってしまう。欲望のまま大量に短冊を飾るか、ささやかな願いを一つの夢に託すか。誰もが笹が光る瞬間を待ち望んでいた

【No.573 植手鉢】
好きな人の手を切り落として鉢に植えるのが趣味だった。ある日いつものように水を上げていると、土の中から五本の指が覗く。指は日に日に伸びていって、まるで僕と手を繋ぎたいがために成長したのかと嬉しく思う。手は硬直を始めて中指以外の指が閉じていく。少しずつ中指だけが伸びていった

【No.574 死神】
大勢の人間を殺した俺は、ベッドの上で残りわずかな命を消費していた。近くにいた看護師に俺の犯した罪を告白する。ふと、枕元に死神が現れた。「懺悔を終えたお前に、プレゼントをやろう」と心臓を鷲掴みにする。あと数分で死ぬはずだった俺は、あれから何十年も生きて檻の中で過ごしていた

【No.575 睡眠売買】
眠りの質が悪いので睡眠売買サービスを利用する。長時間の活動をしたい人は眠気を売って、逆に深い眠りが欲しい人は眠気を購入する。質の良い眠気ほど高額で売買されるのだ。贅沢な睡眠のために眠気を削ってお金を稼ぐ。寝てる暇なんてないと眠気も売って、ひたすら、眠るためのお金を稼いだ

【No.576 人生アプリ】
人生のログインボーナスを入手してしまう。新しい朝を迎える度、強制的にストレスが溜まっていく。消費されることもなく、使いどころもなく。いつからか、メンテナンス期間に入っていた。アンインストールもできない。アップデートもできない。生きているだけで人生の許容量を圧迫してしまう

【No.577 誤字の鐘】
誤字の鐘が街に鳴り響く。不協和音は神経を鈍らせて、一度聞いてしまったが最後、文字が正しく認識できなくなる。図書館や本屋にある木の文章は五時だらけになり、文章力も著しく定価してしまう。誰かの離す言葉も美味く返還できない。時膜も、メモ餓鬼も、刑事版も、事場が膿から失れていく

【No.578 ガム売りの青年】
ガム売りの青年が冬の街でガムを売る。凍える風に体を震わせながら、膨らませたガムからは辛かった思い出が浮かび上がる。パチンコ屋の清掃員がドル箱を倒したこと、タバコのポイ捨てを老人に叱られたこと、コンビニ前の地べたに座ってたら尻が汚れたこと。だけど別に誰もガムは買わなかった

【No.579 ランチパック】
ランチパック春の訪れ味を購入する。何も入っていない袋を開けると桜の良い香りが漂ってきた。部屋の中を春の陽気が包むと、桜の木や花見客、お酒やおつまみの幻が現れる。家の中にいながら宴会気分が味わえるのだ。いつか、青空の下でみんなと会えるように、今は楽しむための予行演習をした

【No.580 記憶の一粒】
昔々、思い出をこんぺいとうに変える魔女がいた。味わうように魔女が口の中にこんぺいとうを含むと、記憶が頭の中に流れ込む。逆に思い出をこんぺいとうに変えられた人はその記憶を失ってしまう。楽しかったはずの学生時代が思い出せない。私の記憶もこんぺいとうにされてしまったのだろうか

【No.581 恋病薬】
恋の病に効く薬が発明された。性別、年齢、人種によって飲む量や回数を変える必要があるらしい。中学生になった私は、同級生の男の子に今世紀最大の恋をしてしまった。熱に浮かされた私はきっと恋に殺されてしまうだろう。1錠だけ飲んでひとまず様子を見てみたら、翌朝にしっかり治っていた

【No.582 晴れのちラムネ】
「今日は晴れのちラムネです」と天気予報士が告げる。わざと傘を持っていかなかった私は、案の定ラムネに濡れてしゅわしゅわになってしまう。同級生の男の子が「何やってんだ」と笑いながら傘を差してくれる。ラムネは降り止んだはずなのに、ずっと、どこからかしゅわしゅわと音が弾けていた

【No.583 駄菓子屋の神様】
駄菓子屋の神様だと自称する女子高生のお姉さんがいた。小学五年生にしては背が低かった僕は、若気の至りで告白したことがある。お姉さんは「きみが超ひもQより大きくなったらね」と、僕の小指に超ひもQを巻きつけた。僕が高校生になった今、生産終了と共に思い出も失われたようで胸が痛んだ

【No.584 髪の毛の種】
髪の毛の種を購入した。つるつるとした頭に種を蒔いて水やりをすると、少しずつ髪の毛が生えてくる。しかし困ったことに、普通の髪と違ってお手入れが大変らしい。生えた髪の毛が枯れないように、栄養の足りていない髪を間引いたり、定期的に頭に水を注がないとすぐに駄目になってしまうのだ

【No.585 潜む】
最近、僕達の住む寂れた村にも『そいつら』が出るようになった。夜になるとどこからともなく現れて、家の中を勝手に徘徊する。奇声や謎の光を発する『そいつら』に僕達は怯えながら、ひたすら夜が明けるのを待った。呪詛が聞こえる。「さぁ、今日は幽霊が出ると噂の廃村にやってきました!」

【No.586 サイコロステーキ】
サイコロステーキがおいしい店に訪れる。隣の客が食べているものが目に入ってぎょっとした。すごろくなどに使う本当のサイコロを鉄板で焼いているのだ。木製ならこんがりと焼き目が付いて、鉄製なら中までしっかりと熱が通る。二十面サイコロは焼く面が多くて面倒な分、味に深みが出るそうだ

【No.587 概念泥棒】
古今東西ありとあらゆるものを盗む稀代の大泥棒と対峙する。試しに「貴様に盗めないものはないらしいな。俺から何か奪ってみろ」と挑発する。大泥棒が不敵な笑みを浮かべると「もう盗んださ」「マジ? なんかわからんけどやっば。とりま証拠を出せっつーの。すげーあやしくね?」奪われていた

【No.588 しせん】
どこか妖しげな印象を受ける大人のお姉さんが、裏路地で何人もの男を銃で殺していた。返り血を浴びたお姉さんが僕に近づいてきて「見た?」と確認してくる。こわくなって無言で頷くと、お姉さんが静かにほほえむ。僕はその扇情的な表情に目を奪われて、声を失って、体の自由が効かなくなった

【No.589 金魚すくい】
夏祭りの屋台で金魚すくいを見かける。その店はポイの代わりにシャボン玉を使うそうだ。ふっ、と生み出した泡で金魚を包む。優しく作った泡なら金魚は暴れずに、ボウルの中まで運ばれていく。隣の名人がシャボン玉を吹くとまるで水槽のように、何百匹もの金魚が泡の中で浮かんでは泳いでいた

【No.590 なくしもの】
最終電車の運転も終わって帰路につこうとすると、線路付近で女性がふらふら歩いていた。赤いワンピースを着た女性は「この辺りで失くしたんです」と何かを必死に探している。女性が不恰好に歩く。「他のは見つけたんですけどね、あと一部だけ見当たらないんです。あなたが失くしたんですよ」

【No.591 ネットサーフィン】
「さぁ、新種目『ネットサーフィン』日本代表の挑戦。布団に寝転がりながらポテチとコーラを味わった。べたべたの手でスマホを操作する高難易度の技を繰り出す。おーっと日本代表、苦い顔になる! どうやらワンクリック詐欺に引っかかってしまったようです。これは大幅な減点になるでしょう」

【No.592 最後の夏休み】
僕の通っている中学校が廃校になる。夏休みを前にして僕は都会の中学校に編入することになった。都会はお金がいっぱいあるから、季節税なんてたんまりと払えるらしい。この村は『夏』を購入することができなかった。やがて冬しか訪れない村は雪の中に埋もれていくだろう。最後の夏休みだった

【No.593 熱を泳ぐ】
熱帯魚が部屋の中を泳ぐ。いつのまにか外から紛れ込んでしまったみたいだ。最近は熱帯魚の数が増えて暑苦しい日々が続く。私の体を横切るたびに熱帯魚から熱い風が生まれる。後悔のこと、きみのこと、将来のこと、眠れない夜が積み重なった。息ができないのを、全部。熱、熱、熱のせいにして

【No.594 正しさの原液】
カルピスと水の境界線について私達は考えていた。水泳競技で結果を残せないと、両親は私のことを見向きもしない。「薄めちゃえばいいんだよ、濃いだけの思い出なんて」と、そういって友人は高校のプールにカルピスの原液を流し込んでいく。笑い合いながら、私達の正しさが曖昧になっていった

【No.595 透明な膜の】
ショーウィンドウに青空と入道雲が映り込んでいた。麦わら帽子を被った顔のないマネキンと無愛想な私が並ぶ。青信号を待っている間に夏が終わってしまう気がして焦っていた。不安も、泥濘も、平穏すらも叩き割ることができたなら。透明な膜の外側にいるのか、内側にいるのか、それはまだ――

【No.596 竜空城】
山で子ども達にいじめられていたカメを助ける。カメはお礼に竜空城に連れてってくれるそうだ。カメに乗って空を浮かんでいると、雲の隙間から巨大クラゲやチンアナゴが顔を覗かせる。竜空城ではわた雨や雪で作ったかき氷、パチパチと弾ける甘い雲など、それはもう豪華絢爛なおもてなしだった

【No.597 透けメガネ】
怪しい露天商から『透けて見えるメガネ』を購入した。これで好きな女の子の体を覗いてやろうと凝視する。けれど視界には何の変化もなく騙されたと憤った。ふと、女の子の体に「あの人、いつも私のこと眺めてて気持ち悪いなぁ」という文字が浮かぶ。『人の心が透けて見えるメガネ』だったのだ

【No.598 スデゲーム】
目が覚めると薄暗い部屋にいた。見ず知らずの男女が数名、モニターには仮面の男が表示される。男は「手洗いをしない貴方達にはスデゲームをしていただきます」と笑う。汚い便器、泥溜まり、害虫ホイホイの中、最後まで手を触れていた人以外は負けとなってしまう。清潔を懸けた戦いが始まった

【No.599 舌ったらず】
エンマ様に娘が生まれました。かわいい娘にあのエンマ様もデレデレです。舌ったらずの娘と早くお話したいエンマ様は、人間の舌を集めようとします。けれど今では優しい人間ばかり。嘘をつく者はいません。焦るエンマ様は無差別に舌を抜きます。優しい人間ばかり。娘とお話。平和な世界でした

【No.600 空白ごっこ】
思い出を小説にしてくれるサービスに申し込んだ。僕と彼女の楽しくて濃い日々を大長編にしてもらうのだ。けれど、届いた本は厚さの割に数行しか書かれていなかった。騙されたと思って憤る。彼女を見ると「これでいいんだよ」と笑っていた。笑いながら、どこか泣いているように見えた気がした

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652