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140字小説 No.≠021‐025
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【No.≠021 仕合せ】
世界全体の幸福許容量は決まっているらしい。命が生まれたり、亡くなったり。笑ったり、泣いたり。告白されたり、失恋したり。幸せが当たり前とならないように世界はバランスを取っている。私は今、なんとなく不幸だ。対して誰が幸せになったのだろう。そっと、知らない誰かの未来を願った
【No.≠022 花塞ぐ】
彼女が好きだった赤い花が、至る場所で咲いていることに気付く。別れた途端に、SNSで悪口を書き連ねていたのには思わず苦笑した。大切なものはいつも一つしかないと思っていたのに。地面に落ちた花を足で潰した。そうだ。彼女の好きな花は、どこにでも咲いているような存在だったんだよ
【No.≠023 通心解約】
『お掛けになった心は現在、使われておりません。ご確認の上、もう一度、心をお繋ぎください』疎遠になった友人はどうやら、感情変更したことを知らせてくれなかったらしい。心が最新になる度に、大切な何かが抜け落ちていく。『お掛けになった心は現在、使われておりません。ご確認の上――』
【No.≠024 当たり前の日々】
嫌いな夢を見る。嫌いな人と会う。嫌いな嘘をつく。嫌いな野菜を食べる。嫌いな声を聞く。嫌いな仕事をする。嫌いな花が咲く。嫌いな言葉を綴る。嫌いな夜を迎える。嫌いな今日を振り返る。嫌いな朝が迫る。人生は嫌いなことで溢れている。だから、また明日も、好き勝手に生きようと思った
【No.≠025 未明手帳】
新しい手帳を買うと、それだけで新しい私になれた気がする。友人の誕生日やいくつかの記念日。何度も思い出をなぞるように、古い手帳から新しい手帳に記憶を引き継いでいく。ともすれば未練にも似た感情なのかもしれない。けれど、あれから十年が経った今でも、彼の命日は書き込めずにいる
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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652