![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59448814/rectangle_large_type_2_a6f2db774b947301c0955bcb0cd5da30.jpg?width=1200)
140字小説 No.586-590
タイトルからツイッターで載せた作品に飛ぶことができます。
お気に入りの作品にいいね、RT、感想などしてもらえると幸いです。
【No.586 サイコロステーキ】
サイコロステーキがおいしい店に訪れる。隣の客が食べているものが目に入ってぎょっとした。すごろくなどに使う本当のサイコロを鉄板で焼いているのだ。木製ならこんがりと焼き目が付いて、鉄製なら中までしっかりと熱が通る。二十面サイコロは焼く面が多くて面倒な分、味に深みが出るそうだ
【No.587 概念泥棒】
古今東西ありとあらゆるものを盗む稀代の大泥棒と対峙する。試しに「貴様に盗めないものはないらしいな。俺から何か奪ってみろ」と挑発する。大泥棒が不敵な笑みを浮かべると「もう盗んださ」「マジ? なんかわからんけどやっば。とりま証拠を出せっつーの。すげーあやしくね?」奪われていた
【No.588 しせん】
どこか妖しげな印象を受ける大人のお姉さんが、裏路地で何人もの男を銃で殺していた。返り血を浴びたお姉さんが僕に近づいてきて「見た?」と確認してくる。こわくなって無言で頷くと、お姉さんが静かにほほえむ。僕はその扇情的な表情に目を奪われて、声を失って、体の自由が効かなくなった
【No.589 金魚すくい】
夏祭りの屋台で金魚すくいを見かける。その店はポイの代わりにシャボン玉を使うそうだ。ふっ、と生み出した泡で金魚を包む。優しく作った泡なら金魚は暴れずに、ボウルの中まで運ばれていく。隣の名人がシャボン玉を吹くとまるで水槽のように、何百匹もの金魚が泡の中で浮かんでは泳いでいた
【No.590 なくしもの】
最終電車の運転も終わって帰路につこうとすると、線路付近で女性がふらふら歩いていた。赤いワンピースを着た女性は「この辺りで失くしたんです」と何かを必死に探している。女性が不恰好に歩く。「他のは見つけたんですけどね、あと一部だけ見当たらないんです。あなたが失くしたんですよ」
この記事は有料ですが全編公開になっています。私の活動を応援してくださる方がいましたら投げ銭してくれると嬉しいです。また、サポートやスキのチェック。コメント、フォローをしてくださると喜びます。創作関係のお仕事も募集していますので、どうか、よろしくお願いします。
ここから先は
¥ 100
改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652