まくむすび（２）

こんにちは、秋乃アキです。
今回は私が脚本を書き始めるきっかけの話をしようかなと。

その１はこちらから↓

４．初の脚本執筆
そんなこんなで脚本を書くことにはなったものの、脚本のイロハなんて全くの素人。どうして「自分でも書ける」なんて思ったのでしょうか。ましてや子ども向けの脚本なんてどうするんだろう。考え過ぎて頭こんがらってＮＨＫの教育テレビでも見たろかと思って『ざわざわ森のガンコちゃん』を眺めてたら、ここでアイディアが閃きます。

「最初は普通の人形劇なんだけど、博士が発明したスプレーによって人間になる人形の話を書こう」

そう思いついてからは書き方や見やすさは無視をして、とにかくひたすら脚本を書き始めると、自分でも驚くくらいすらすらと書けていきます。そのあと部員からめちゃくちゃダメ出しされるわけですが、それでもなんとか完成させた喜びは今でも忘れられません。ちなみに『オルゴール泥棒』というお話なので、ご興味のある方はぜひぜひ。

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自信を持って書いた脚本ですが、いくつかの問題が当日に起きます。主役を担う後輩が風邪でダウンして来れなくなり、公演を中止するかどうかに追い込まれました。そのとき、同級生が「脚本を書いた人なら台詞も感情も動きも覚えてるはずだから、代わりに演じるなら君しかいない」と。マジかよ。その一言でしたね。楽しみに待ってくれている子ども達のことを考えると中止にするわけにもいかず、かといって他に代役はいない。だったら自分がやるしかないじゃないかの気持ちで。引き受けたのはいいものの本当に動きと台詞覚えてるのかなと思って、近くの公園で通し稽古をやってみると、まるで自分じゃないみたいにすらすらと演じることができました。マジかぁ。と、さっきとは違う意味で驚きます。通行人にジロジロと見られて度胸がついたのも前向きに作用しました。

代役は決まったもののさらにいくつかの問題が起きます。小さな子どもには言葉の意味や話の流れが伝わらない。想定していたよりも舞台が狭く思った動きができない。これはそこまで頭が回らなかった私の完全なミスです。悔しさに溢れながらも上演が終わったあとの子ども達の笑顔。笑い声を聞いたらそのときだけはどうでもよくなりました。

５．文化祭公演の中止
クリスマス公演以降、役者的にも脚本家的にも遺恨があった私は、演劇をもっと楽しみたい。人をもっと惹きつけたいと考えるようになり、裏方でいいやという気持ちはいつのまにかどこかに隠れていました。十月、来る文化祭公演に向けて『はりこのトラの穴』から脚本を見つけます。時間があれば書き下ろしの脚本を使いたかったのですが。

私は自分の役だけ台詞が記入されていない脚本を使い、台詞を覚えようと必死でした。しかしメンバーの度重なる遅刻、欠席、台詞忘れなどが重なって、私にはみんなのやる気がないようにも感じでしまいました。もちろん、そんなことはないと今ならわかっています。けど、当時の私にはそれがわからず、我慢ならず、部員達に「文化祭公演を中止したい」と伝えたところ、「それは無責任だ」と怒られました。

私は演劇に対しての熱意はありますが器量はありません。ありませんがそんな私より休んでいて、台詞も覚えていない人達に無責任なんて言われる筋合いはありません。そのときは「こんな中途半端な演劇をみんなには見せられない」と泣きながらお願いしました。結果、文化祭公演は中止。広報や小道具係がすでに動いていたので各方面に頭を下げることになります。この話は詳しくまた別のｎｏｔｅに書こうかなと。

６．演劇部のその後
大学三年生の文化祭公演を最後に、私は保育の専門学校を目指すので演劇部を引退することになります。それでも勉強の合間に演劇部に顔を出したり、脚本のアドバイスなどをすることに。えぇ、そうです。引退したはずなのにちょくちょく顔を出すウザい先輩になってますね。数年が経った今、二ヶ月ほど前に母校に訪れたのですが部員数が１人で廃部になったと恩師から聞きました。とても悲しくなりましたがしかたのないことなのかなと。

今回の話で大体の思い出は書きましたが、まだまだ取りこぼした話も多いのでおいおいと書いていこうかなと。合宿の話や練習風景、大学卒業後の演劇部の話もあるのでまたいつか。

ということで、今回はこの辺で。
お読みいただきありがとうございました！

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