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140字小説 No.596‐600

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【No.596 竜空城】
山で子ども達にいじめられていたカメを助ける。カメはお礼に竜空城に連れてってくれるそうだ。カメに乗って空を浮かんでいると、雲の隙間から巨大クラゲやチンアナゴが顔を覗かせる。竜空城ではわた雨や雪で作ったかき氷、パチパチと弾ける甘い雲など、それはもう豪華絢爛なおもてなしだった

【No.597 透けメガネ】
怪しい露天商から『透けて見えるメガネ』を購入した。これで好きな女の子の体を覗いてやろうと凝視する。けれど視界には何の変化もなく騙されたと憤った。ふと、女の子の体に「あの人、いつも私のこと眺めてて気持ち悪いなぁ」という文字が浮かぶ。『人の心が透けて見えるメガネ』だったのだ

【No.598 スデゲーム】
目が覚めると薄暗い部屋にいた。見ず知らずの男女が数名、モニターには仮面の男が表示される。男は「手洗いをしない貴方達にはスデゲームをしていただきます」と笑う。汚い便器、泥溜まり、害虫ホイホイの中、最後まで手を触れていた人以外は負けとなってしまう。清潔を懸けた戦いが始まった

【No.599 舌ったらず】
エンマ様に娘が生まれました。かわいい娘にあのエンマ様もデレデレです。舌ったらずの娘と早くお話したいエンマ様は、人間の舌を集めようとします。けれど今では優しい人間ばかり。嘘をつく者はいません。焦るエンマ様は無差別に舌を抜きます。優しい人間ばかり。娘とお話。平和な世界でした

【No.600 空白ごっこ】
思い出を小説にしてくれるサービスに申し込んだ。僕と彼女の楽しくて濃い日々を大長編にしてもらうのだ。けれど、届いた本は厚さの割に数行しか書かれていなかった。騙されたと思って憤る。彼女を見ると「これでいいんだよ」と笑っていた。笑いながら、どこか泣いているように見えた気がした

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652