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140字小説 No.926‐930

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【No.926 徒然銀河】
地球最後の日、流星群が降り注ぐ。空が綺麗に映える丘で、僕と彼女は終焉を眺めていた。星に三回願うと夢が叶うらしい。早口が不得意な彼女のために、半分ずつ声にする。二人の願いだ。二人で祈るのは構わないだろう。「生まれ変わっても」「一緒にいたい」祝福の光が、今、目の前で爆ぜた。

No.927 秘すれば毒
学級委員長の女の子は臆病でおとなしい性格だった。でも、小学校に咲いているツツジの蜜をこっそり吸うときだけは、かわいい笑顔を浮かべる。「私達だけのひみつね」図書室の本が切り裂かれてるのも、飼育小屋のウサギが怪我してるのも。あの子の仕業ということは、僕達だけのひみつなのだ。

【No.928 逢、哀、愛。】
「形あるものに永遠はないよ」私の頭を撫でながら博士は横たわります。「では、愛に終わりはないのでしょうか?」機械人形の私は多くの死を看取りました。「そうだね。今は途切れているだけさ」だから、二度と逢えなくなっても哀しくありません。数千年後の未来にも、愛は繋がっているので。

【No.929 かわいそうだね】
主人公の力になれない脇役が役に立って、仲間から認められる展開が嫌いだった。結局、誰かの救いにならないと意味がないことを思い知らされてしまう。何か成し遂げなくても、迷惑ばかりかけても、一緒にいたいと願うのは自分勝手なのだろうか。今日も友達のために、母の財布からお金を盗む。

【No.930 星をめぐる】
私と彼女で人生初のスタバに訪れる。「抹茶、イチゴクリーム、フラペチーノ、トールで」注文を間違えないように何度も呟く姿が愛おしかった。「飲み切れないから」を言い訳に、一本のストローで分け合う飲み物は甘酸っぱく、どこかほろ苦い。この緊張は慣れない雰囲気のせいか。それとも――

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652