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140字小説 No.-101‐150

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【No.-101 グッドモーニング(藍煩い⑱)】
大学の友人達とルームシェアを始めて僕は朝食担当になった。健康的なメニューを考えながら、健康なんて今さら気にしてどうするとおかしくなる。午前七時、あくびをしながら友人達が起きてきた。財布を取り出す。「焼肉とラーメン食べに行くぞ」朝からかよ!と、みんなでげらげら笑いあった。

【No.-102 脈動(藍煩い⑲)】
藍色の瞳を見るや否や、母親はあっさりとボクを見捨ててしまった。ゴミ箱の中を漁ってご飯を探したり、軒先で通り雨をしのいで一日を過ごす。午前八時、ダンボールの中で小さくうずくまる。そっと、やわらかな両手に包まれてかぎしっぽが揺れる。あたたかな感覚にボクは「にゃあ」と鳴いた。

【No.-103 ミディアムフィクション(藍煩い⑳)】
最期の日を父が映像に収める。私が生まれた年の夏に、母も藍煩いに罹ったと聞く。父の瞳に私は映っていない。私が纏う母の面影を、ずっと、ずっと。虚しさもドキュメンタリーにしてしまえば、何もかも嘘っぱちでいられた。午前九時、私の死が永遠に生きていく。私の生が、永遠に死んでいく。

【No.-104 ラピズラズリの瞳(藍煩い㉑)】
美容室で髪を梳いてもらう。鏡に映った藍色の瞳から視線を逸らすと、美容師のお兄さんがほほえむ。髪には記憶が宿るという。だから失恋したときには髪を切るイメージができたそうだ。お兄さんの左手の薬指につけられた指輪が目に入る。午前十時、ラピスラズリのように私も愛してほしかった。

【No.-105 命にふさわしい(藍煩い㉒)】
河川敷に座って絵を描く。瞳が藍色に変わっても、見える景色は変わらない。僕を見るみんなの目が変わっただけだ。画家になりたい。という夢の見過ぎで視力が悪くなる。午前十一時、まっしろなキャンバスに、まっしろな絵の具を塗りたくった。これほど命にふさわしい遺作が他にあるだろうか。

【No.-106 幸福な食卓(藍煩い㉓)】
「お昼なにがいい?」とお母さんに聞かれて、ぼくはいつも「なんでもいい」と答えていた。それが一番困るのよと言いながら笑っていたっけ。料理が好きだから本当になんでもよかった。ぼくと、お母さんと、お父さんと、お姉ちゃんで珍しく食卓を囲む。正午、普通の素麺がとてもおいしかった。

【No.-107 解融と遊回(藍煩い㉔)】
老人ホームの縁側に座っていると、藍色の蝶が迷い込みました。発症者は亡くなった後、人知れず蝶になってこの世を回遊するそうです。なんだか、とても懐かしい気持ちになりました。顔も、名前も知らない誰かを思い出します。午後一時、藍色の蝶と微睡むように眠って。このまま、このまま――

【No.-108 折り命】
私が折り紙で作ったものには命が宿る。魚を折って部屋を水族館にしたら、母が悲しい表情を浮かべていた。大人になった今、その意味を考える。母も祖母も歳の割にはシワが多かったこと。雨の日は家で過ごす決まりがあったこと。父も祖父もいないこと。全部、命で遊んだ報いなのかもしれない。

【No.-109 哀瀬】
「『恵まれた人生じゃなくてもいい』と思える人はさ、そもそも最初から恵まれた人生を送ってるんだよ」一夜限りの関係を持った、見ず知らずの女はタバコの煙と愚痴を吐く。好きの反対は無関心という道理も、『辛い』に線を一本足せば『幸せ』になるという理屈も、君の嫌いな言葉遊びだった。

【No.-110 人生の待合室】
駅には人間性が溢れていた。傘を手すりの内側か外側に掛けるかで思慮深さが窺えるし、エスカレーターに乗る際、後ろが詰まらないよう一歩踏み出すかで配慮が試される。人生は決まった道を進むか戻るかしかない。なんて実りのない言い訳をしながら、遮断機が永遠に上がらない事を願っていた。

【No.-111 三分間の幻】
カップ焼きそばにお湯を注いでからの三分間、湯気に亡くなった彼女の姿が見えた。懐かしい記憶が蘇ってくる。視界が曇ったのは煙のせいなのか、もう実在しない人に縋ったからなのか。彼女との思い出を僕自身の手で排水溝に流す。二人で分け合ったカップ焼きそばを、今では一人で食べるのだ。

【No.-112 月の瞳】
彼女の瞳には月が宿っている。大きくて、静かな光が揺らめいていた。実はこの世界に月なんて存在しない。彼女が空を眺めている間だけ、瞳の月が空に映し出される。目を逸らしているときは僕が偽物の光が用意していた。共犯者めいたように彼女が目を細める。満月だった瞳が三日月に変わった。

【No.-113 泥塗れ】
仕事もせずに絵描きを目指している彼に「贅沢は言わないから、慎ましく生きていたい」と皮肉を込めた。彼はキャンバスから目を離さずに「慎ましく生きる事が贅沢だと思わない時点で、実に贅沢だと思うよ」と吐き捨てる。どろどろに腐敗した絵の具が、私達の行く先を暗示しているようだった。

【No.-114 真っ赤な箱】
僕が心の中で願えば、着払いで何でも届く。お店で売られているものから、失くした写真や誰かの日記すらも。本当に、どんなものでも。隣の部屋から憧れのお姉さんの声が聞こえてきた。彼氏が憎い。あいつさえいなければ。そのとき、外でゴトンと音がした。扉を開けると真っ赤に染まった箱が。

【No.-115 落とし夢】
私の手で触れた落とし物には命が宿る。といっても、持ち主の元へ帰っていく程度だ。足下には誰かの夢が転がっていた。昔は私にも夢があったっけ。どうか、本当に叶えたい人の元へと帰れるように願う。ふわりと浮かんだ夢が私の胸に辿り着く。とてもあたたかくて、とても、懐かしい夢だった。

【No.-116 誘いの声】
取り壊しが決まった百貨店に訪れる。中は人が多いのに暗い。『××ちゃんのお母様、娘さんがお待ちです。一階までお越し下さいませ』亡くなったはずなのに、店内放送から流れる娘の幼い声に涙が伝う。ふらふらとした足取りでサービスカウンターに着くと、虚ろな目をした人達で溢れ返っていた。

【No.-117 喜劇】
夢から目が覚めたら、部屋の中を見渡すのが趣味だった。空みたいな海みたいな色のカーテン。前後二列の本棚にCD用コンテナ。化粧品の数々は昨日までの私を象るものだ。清らかな水を観葉植物に注ぐ。背伸びをしながら、丁寧な暮らしを実感する。今日も馬鹿にしてくる人達を嗤え。わっはっは。

【No.-118 分散和音】
一緒に楽しんでいたゲーム仲間も少なくなった。私の今までが否定されたようで、正しさを判断する目が濁ってしまう。もう遊んでいる場合じゃないのかもしれない。失った子供心は賽の河原で待ちぼうけしていた。けれど、会わなくなっても、趣味が変わっても、どこかで元気にやってるといいな。

【No.-119 美しい鳥達】
ラジオを聴いていると二人の女性が創作の話をしていた。スランプ撃退法。作品タイトルの名付け方。小説執筆論。ゆるっとしたおはなしは気持ちが軽くなる。「みんな、ではなく。だれか、の心に残る一文を」縋るようにどちらかが呟く。光だって、闇だって、後ろ向きに肯定してくれる気がした。

【No.-120 性善行路】
「失恋の度に小説を書いてるんですか?」文学の即売会で指摘される。言い分は確かで、性的倒錯なのかもしれない。だけど、そういった理屈で書くのは今日で最後だ。自分のブースで売り子をしている彼女と目が合う。カバンの底に忍ばせた婚姻届を気にする。新刊が全て売れたら、そのときは――

【No.-121 猫蜜】
料理店の売上が落ち込む。気分転換に飼い猫を吸っていると脚から甘い匂いがする。肉球を撫でれば蜂蜜がとろっと溢れ出てきた。レトルトカレーにかけると優しい口当たりに舌鼓を打つ。ヨーグルト、椎茸の含み煮、ジンジャーポークソテー。猫蜜をたっぷり使った新メニューでお店は大繁盛した。

【No.-122 エンパシー】
なんでもない日常や風景描写に潜むなにかが好きだ。今はもう見上げなくなった空が青いこと。大人になってからのさよならが美しいこと。あなたの瞳が永遠に閉じないこと。それらがいつか、当たり前を失ってしまうからなのかもしれない。もう二度と会えなくなる前に、もう一度、星々に願った。

【No.-123 冬菜のお味噌汁】
雪の中という厳しい環境で育つ雪菜は、生命力の強さを感じさせてくれる。冷たい現実から逃れるために、私はファンタジーな世界観が好きになった。心も、言葉も、声も、凍ったままでよかったのに。絶対零度の私の世界を溶かしたのは、毎日お味噌汁を飲んでくれるあなたの穏やかな表情だった。

【No.-124 命を描く】
額縁描きに絵を頼む。そのものではなく、絵を飾る額縁の方を描いてもらうのだ。登場人物の物語を彩るように、水彩で象られた額縁が淡い明かりを生み出す。彼女の手にかかればどんな後悔も、未練も、額縁に飾って思い出に仕立てる。光を直視できない人にとっての、安らかな救いとなるように。

【No.-125 フラクタル】
坂の上の研究所で色の実験をしている変わり者の学者がいた。この世界には白と黒の二色しかないのに、新たな色を生み出そうとは馬鹿な考え方である。何度も、何度も、何度も、失敗を繰り返して、今までの積み重ねが無色透明になっても探求は続く。いつか、世界中がいろんな色で溢れるように。

【No.-126 Starry Sky】
「えび天がロケットに見える」お昼にそばを食べながら妻が呟く。確かに尻尾が燃え盛る煙のように思えた。他愛もない話を交わしながらボードゲームに勤しみ、文章を綴り、退屈だった毎日は思い出のインクで塗り替えられた。明日は幸せじゃないかもしれない。それでも生活は、ゆるやかに続く。

【No.-127 アンリアル】
死ぬ前に達成したいことをリストに書き連ねる。未練や後悔がないよう生きるための行為なのに、全てが終わったら気兼ねなく死ねると思ってしまうのは不可解だ。ひとつずつ、区切りをつける様は生前葬のようで面白い。死せずして生まれ変われる演劇みたいに、人生は何度だってやり直せるはず。

【No.-128 ループ&ループ】
神様の気まぐれで地球を作り替えるそうだ。「最期なんだから好き勝手やっちゃってよ。望めば何でも手に入るからさ」次の世界に人類はいらないから慈悲だという。あと数時間で地球は滅びる。何かが劇的に変わると思った。それでも、嫌いな奴は嫌いだし、真夜中に飲むコーラはとてもおいしい。

【No.-129 グランドエスケープ】
今日は皆既月食だそうだ。なんとも不思議な事で、欠けているのに、満ち足りていないのに、人々は嬉しそうに夜の帳を見上げる。不完全だって、歪んでいたって、惹かれるものは存在した。うつむきながら、私は水溜りに映った月を眺める。特別じゃなくても、きっと、救いはどこかにあるはずだ。

【No.-130 幸福を彩る】
結婚記念日を祝う。子ども達が作ったどんぐりのネックレス。妻が折った紙の花束。星々を砕いたふりかけでおこげを食べると、幸せな思い出が蘇ってくる。特別なことなんてなくてもいい。ただ、この先も一家団欒が続くのを願う。僕らが丁寧に彩った生活だ。何者にだって塗り返されてたまるか。

【No.-131 命の名】
私は与えられた名前によって魂や姿を変えていった。今は『人間』という役割をもらって、形容し難い感情に名前を付けていく。「スランプはチャンス」と誰かが言っていた気がする。結局、物事は捉え方次第だ。もしかしたら漠然とした不安だって、まだ、名前がないだけの希望なのかもしれない。

【No.-132 夏夢】
毎日、決まった時間に昔の小説が届く。それは何の進歩もない私に現実を突きつけるためなのか、原石のような物語があったことを思い出させるためなのか。欺瞞も、焦燥も、泥濘も、憐憫も、怠惰も嘲笑も未練も後悔も連れ立って文章を書き続ける。いつか、ペンは剣よりも強いと証明するために。

【No.-133 コトバミツツキ】
言石の即売会に参加する。ほんのりとあたたかい文章。触れば傷つきそうな文字。磨かれる前の物語が一堂に会する瞬間が好きだ。感傷や鈍さが残る僕の言葉でも、誰かにとっては輝いているのかもしれない。今はまだ見向きもされないけど、会場には多くの人が行き交う。だから、いつかきっと――

【No.-134 感情制限】
「割り勘でいいよな?」無理に連れて行かれた居酒屋で、嫌いな上司が強引に訊ねる。僕の返事を待たずに怒った話、泣いた話、納得いかない話を延々と繰り返す。上司はひとしきり喋って平穏を保てるけれど、捌け口となった僕の不満は溜まっていく。感情が勝手に割られては平均化されていった。

【No.-135 ダウングレード】
人生アプリが強制インストールされる。無料でも楽しめるけど、課金するほど豊かになっていく。ある日、公式から「ハードモードに変更されたり、幸福度の格差が広がるバグを調整しました」と告知が入る。それでも、人生がより良くなることはなかった。結局、僕自身の生き方の問題だったのだ。

【No.-136 コーチングコーチ】
優秀な選手は優秀なコーチの下に育つ。スポーツ界は打倒世界に向けて、新たな強化システムを導入した。選手の発掘や調整はもちろん、コーチ自身にもコーチをつけ始める。すなわち、指導者の指導だ。更なる高みを目指すために、コーチを育成するコーチを育成するコーチを育成するコーチを――

【No.-137 朝焼けと雀】
下北沢のライブハウスで歌っていたインディーズバンドも、今や恋愛ドラマの主題歌に起用されるまで有名になる。誰のものでもない抽象的な曲が、誰かの物語になってしまうのがこわかった。あれは確か、別れの歌詞のはずなのに。厄介な僕の感情をあざ笑うように、朝焼けの中で雀が鳴き始めた。

【No.-138 気持ちを着る】
ダイエットのために服屋へ訪れる。満服を着ればお腹が減ることはない。何をされても楽しい幸服。どんなことだって尊敬できる感服。気分によって服を選ぶように、今では服によって気持ちを選べる。こんなにも便利なのに納得いかないのはなぜだろう。ふと、試着している服を見ると不服だった。

【No.-139 ホープフィリア】
通勤電車の中に振袖姿の若者を見かけて成人式だと気付く。ふいに二つの着信音が鳴り響いた。急いで降りた青年が往く道と、気にせず話し続ける老婆の来た道が、願わくば一緒ではないことを願う。自分の意思で乗ったはずの電車が上りなのか、下りなのか。わからなくなったのはいつからだろう。

【No.-140 雲形定規】
僕が小学生のころ、雲型定規で曲線を描くと雲を生み出すことができた。悲しいときには雨雲が、友達に優しくできなかったときには雷雲が空に浮かぶ。大人になってから定規はどこかに失くしてしまったけど、不安を抱えても不思議な経験を思い出せば、僕の心には雲ひとつない青空が広がった。

【No.-141 日替わり定職】
仕事に迷ったら日替わり定職を頼む。割を食わされたり、苦虫を噛み潰したような感覚があれば違う職業を試せばいい。そうして自分に合った天職を見つけるのだ。ある日、友人が職券を渡すと誰もが嫌がる仕事を出されてしまう。作業を残すと思いきや終業まで働いた。「蓼食う虫も好き好きだろ」

【No.-142 レンタル彼女】
レンタル彼女の常連になっていた。料金は固定ではなく、選んだ女の子によって変わる。無邪気で、料理がおいしく、少し臆病な僕の彼女は最安値だった。楽しい時間を、涙が溢れるほどの幸せを与えてくれるのに。機械人形にレンタルした命を埋め込む。見た目以外は、亡くなった彼女そのものだ。

【No.-143 目的地案内人】
人助けの仕事に向かう。四六時中、国内外を問わず駆け巡るにはスタミナが必要だ。二人一組の作業で、負担になる方は先輩である僕が担う。大きなピンを持って、後輩の立つ位置から指定の場所まで全速力で辿り着く。ピン同士の間に張られたテープの色を頼りに、迷子を目的地まで案内するのだ。

【No.-144 ロストメッセージ】
言葉は誰かを傷付けるから、スタンプでのやりとりが定着した。日常生活も、感情表現も、単純なイラストのみで伝える。今では人の顔より携帯を見る時間の方が長い。ポン、とスタンプ音が鳴る度に大切な事を失っていく。頭から言葉がすり抜けていく。世界中で、ポン、ポン、と文字の残骸が――

【No.-145 不定型文】
触れにくいことや、扱いづらさに蓋をするように言葉は形を変えていく。「『いじめ』ではなく『犯罪』」「『いじり』ではなく『差別』」結局、物事を曖昧に溶かして掴みにくくしているだけだ。形を変えたところで、本質は変わらないのに。『多様性』という言葉に、少数派が淘汰されていった。

【No.-146 命を紡ぐ】
目覚めたら知らない青年が立っていた。違和感を覚えて指を見ると赤い糸が垂れている。運命の、というやつなんだろう。青年の手が伸びる。心臓が脈打つ。「糸人形が意思を持つなよ。また失敗だ」赤い糸を引き抜かれると指がほつれていって、腕、肩、体が綻んでいく。頭、記憶が、ブツンと――

【No.-147 さんざめく凪】
「浦島太郎を竜宮城に運んだ亀はオスかメスか」絵羽模様の和服を着た妻が、砂浜で仰向けになっていたのは遠い夏の話だ。玉手箱を開けたわけでもないのに、気付けば皺だらけになる位の年月が経っていた。あの日の疑問に答えが出せないまま、誰も助けられないまま。後悔の形に、波がなぞった。

【No.-148 旅立ちの日】
社会人になって数年が経ってもお年玉をもらっていた。祖母いわく「入院している私の代わりに、あなたが旅行して土産話を聞かせてちょうだい」だそうだ。お年玉だけでは旅費が足りないけれど、お給料も足して世界中を飛び回る。だから、僕がそっちに行くときは、今度は天国の話を聞かせてね。

【No.-149 寝正月】
年越しカウントダウンに大勢の人が集まる。「3、2、1――」だけど、いくら待っても新年を迎えることはなかった。年末が繰り返されてから三日後、国中に緊急速報が流れる。「寝正月が目を覚ましたようです!今、この瞬間から1月4日になりますので、急いで平日の準備を始めてください!」

【No.-150 地図にない景色】
会社を辞めた翌日、地図を頼りに知らない街を散歩する。ふと、男性の肩がぶつかり舌打ちされる。嫌なことの連続だ。「落としましたよ」それでも、女性が本を拾ってくれてほほえむ。人生はまだ捨てたものではないのかもしれない。開きかけた地図をポケットに戻し、目的地は決めずに歩き出す。

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652