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140字小説 No.621‐625

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【No.621 映える写真】
彼女が「映える料理を作る」そうだ。レシピとにらめっこしながらグラム数を確認する。豆腐:インスタグラム。パスタ:インスタグラム。鶏肉:インスタグラム。キャベツ:インスタグラム。結局、彼女が何を作っているのかは最後までわからなかったけど、結局、世間ではその写真がバズっていた

【No.622 感傷症候群】
まだまだ先のことだと思って感傷剤の接種を怠ってしまう。夏から秋の気配に変わったのは一瞬で、彼女はあっという間に感傷症候群に罹ってしまった。思考はゆるやかに停止して、過去の切ない記憶にだけ想いを馳せる。世界中で蔓延している病気だ。夏が終わる。季節は、秋を迎えようとしていた

【No.623 元祖ジャンケン】
大昔、村で流行った遊びがあった。ジャンパーとチョッキだと作業面でジャンパーの負け。貯金とパーティーなら節制的に貯金の勝ち。アグー豚とデグーはかわいさで引き分け。パンパカパーンとグーグーなら寝てる人を起こすのでパンパカパーンの勝ち。これが後世に伝わるジャンケンの起源だった

【No.624 ギリチョコ】
好きな女の子からバレンタインデーチョコをもらう。義理だとわかっていても嬉しくなった。しかし彼女は「義理じゃないよ」と渡してくる。ドキドキしながらチョコを確認するとボロボロだった。「本命の子に渡すために作ったんだけど失敗しちゃって、ギリ、チョコみたいなものになっちゃった」

【No.625 深夜輸送】
老齢のタクシー運転手がこわい話をする。「この辺に交通事故で亡くなった老人が出るんですよ。亡くなったことを理解できずに今も彷徨っているようです」運転手は道なき道を進み、カーナビにはでたらめな住所が入力されている。「あの、大丈夫ですか?」「すいません。僕、無免許なんですよ」

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652