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140字小説 No.516-520

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【No.516 菌滅の刃】
「清くなれる理由を知った」のキャッチコピーが付いた、菌滅の刃という商品が売られていた。どうしたって消せないシミも、汚くて泊まれない居間も、この刃で斬るとありとあらゆる菌が滅していく。なんでも、日の力を利用しているそうだ。今では菌殺隊というハウスクリーニングもあるらしい

【No.517 6面ゲーム】
全部で6面あるそれはクリアが難しかった。RPG 、アクション、シューティング。多々あるけど僕はそれだけに熱中していた。昔から6面だけは自分でクリアした覚えがなく、大人になってから久しぶりにそれを手に取る。なるほど、5面揃えると勝手にクリアしてしまうのか。ルービックキューブは

【No.518 詰め放題】
幸せの詰め放題には人だかりができていた。我先にと袋へ幸せを詰め込むために、誰かを踏んで、蹴落として。優しい人が不幸な目にあって、横柄な人から幸せになっていく。配られる袋の大きさも、順番も、最初から公平ではなかった。詰め込んだはずの幸せが、いつのまにか袋から消えていった

【No.519 観覧車占い】
私の住む家からは観覧車が見えた。朝、仕事へ向かうときに観覧車を見ては一日の運勢を占う。一番上の観覧車が赤色だったら恋愛運。黄色だったら金運が良いといった感じだ。辛い日が続く。暗いニュースばかりが流れる。それでも、下を向いてるだけでは駄目だ。観覧車を見上げる。今日の色は——

【No.520 思い出リサイクル】
対象にまつわる記憶を失う代わりに、それに費やした時間とお金が返ってくるサービスがあった。四十歳を過ぎても働かない息子のせいで家計は火の車だ。申し込もうと雑誌や台所道具をまとめる。ある日、私しか住んでいない家にゴミだらけの部屋が見つかる。机の上には大量の札束が置いてあった

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652