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140字小説 No.-056‐060

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【No.-056 君の季節】
今まで君に何度泣かされたことか。どこにいても、何をしていても、ふと瞬間に君の存在を感じて涙が出てくる。忘れたいのに、離れたいのに、初めて君と出会った季節がまたやってくる。このムズムズとした気持ちが解決することはないのだろう。そのとき、花粉が僕の鼻を刺激した。くしゅん

【No.-057 凍てる】
現代の冷凍技術は進歩している。泣くのが嫌なら涙を、平穏を望むなら夢を凍らせればいい。感情も、時間も、命でさえも意味を失っていく。心が傷付かないように保存して、必要になったら解凍するだけだ。大切な『何か』が流れ落ちる。解凍したあとの感情は、時間は、命は、どこか薄さを感じた

【No.-058 エイプリル】
春は出会いと別れの季節だ。大人になれない奴がいて、街に凄惨な事件が起きて、偽ったものがあって、壊れた人がいる。幸せの背景が不幸だとしても、僕と生きて「幸せだった」と思える人が少しでも増えればいい。その積み重ねを『××』と呼ぶのかもしれない。嘘だけど、掛け値なしの光だった

【No.-059 将来の夢】
「ぼくのしょうらいのゆめは【ゆうめいじん】になることです。おとうさんが『【ゆうめいじん】になれば、ふりんしても、えんじょうしても、おおぜいでのみかいしてもゆるされる。さいのうがあればにんげんせいはなくてもいい』といってました。だからぼくは【ゆうめいじん】になりたいです」

【No.-060 空の落とし物】
空港の落とし物センターには多くの思い出が集まってくる。旅の記憶を忘れてしまうのは、どこかに思い出を落としたからだ。遠い地に転校した、男の子との思い出を探す為に私は受付をしている。ふと、初めて会うはずの男性に懐かしさを覚える。ことん。と、落とし物箱に誰かの思い出が届いた

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652