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140字小説 No.-041‐045

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【No.-041 消えた祝日】
カレンダーから祝日が逃げたそうだ。急な平日に戸惑う人、怒り狂う人、ズル休みする人、元から関係ない人と様々である。そんな中、失われた休みを取り戻すために、消えた祝日を探す人々が現れた。紆余曲折の末、祝日が捕まって予定通り今日は休みになったと、深夜のニュース番組が告げていた

【No.-042 思い間違い】
嫌なことがあったので、日記に「辛い」と書こうとしたら「幸い」と書き間違えてしまった。それだけのことなのに気持ちまで思い間違えてしまったようで笑う。誰かの「幸せ」から「一」を盗まないように、「辛い」と書かれた文字と気持ちを消しゴムで消して、新しく「幸せ」を書き綴った

【No.-043 膨らむ】
悩みや嫌いなものを風船に書いて、不安ごと空に飛ばす風習が村にあった。色とりどりな風船の中には、一体どれだけの不幸が詰まっているのだろう。あの日、彼女は自分自身の名前を書いてそれを見送った。だから自殺してしまったのかもしれない。風船が夜の帳の深く深くに消えていく

【No.-044 古代図書館】
地下遺跡から『本』と呼ばれるものが発掘された。専門家の解析によるとそれは『書物』で、歪んだ絵は『文字』だそうだ。約一万年前、人類は『文章』という交流手段を使っていた。テレパシーと記憶共有で他人の全てはわかるのに。なんて馬鹿にしながら、涙が溢れた理由は見つからなかった

【No.-045 0ページ目】
人生を一冊の本にしてくれるサービスがあった。面白そうだなと思い、僕と彼女の華やかな生活を書籍化してもらうために注文する。だけど、届いた本は最初から最後まで白紙のページだった。騙されたと憤っていたら、彼女が本の表紙を優しく撫でながら「これでいいんだよ」と、小さく泣いていた

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652