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140字小説 No.611‐615

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【No.611 入れ人間洗浄液】
入れ人間洗浄液に人間を漬け込む。汚くなった外見や心を綺麗にしてやるのだ。最近は醜い感情がこびりついている人間が多くて参ってしまう。一日中たっぷりと漬け込んでそろそろ頃合いだ。洗浄液から人間を取り出して、何かを探すように「ふがふが」と言っている口と目の表面に僕達がはまった

【No.612 僕の彼女】
最近、電気代が高くなったような気がする。同棲している彼女のせいだろう。仕事に行くときはエアコンを切り忘れてるし、意味もなく冷蔵庫を開ける。見てもいないのにテレビは付けっぱなし。全く、無駄な電気を使わないで、僕の住んでいるクローゼットの中にも扇風機くらい置いてほしいもんだ

【No.613 言霊】
僕の書く小説が「言葉に命が宿っている」と評されることなんて当たり前だった。頭に詰まったインクを血管中に流し込み、右手の指先を切って紙に文字をしたためる。左手の指は丸っこくなってしまったので、鉛筆削りで指先を鋭く尖らせる。文字通り、僕は全身全霊で言葉を生み出しているからだ

【No.614 チョココロネコ】
今年もチョココロネコのひっこしの時期が始まりました。コロネの中から「ぶにゃあ!」とチョコまみれのネコが飛び出すと、新しい住まいを探しに二足歩行でパン屋へ向かいます。よりおいしく、よりやわらかく、よりクルクルとしたチョココロネを求めて、チョココロネコは今日も旅を続けました

【No.615 死の部屋】
見知らぬ部屋に入ると毒ガスが撒かれていた。意識が朦朧とする中、ふらふらとさまよいながら出口を目指す。迫りくる壁に押し潰されそうになったり、無機質な巨大豚の口から謎の煙が吐かれる。力が抜けて壁が迫った。体がぺしゃんこに潰れる。血が飛び散った。意識が——「蚊を倒したぞ!」

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652