140字小説 No.691‐695
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【No.691 セミヌード】
友達がセミヌード写真を見せてくれるというので、ドキドキしながら家にお邪魔する。僕はこういうのに免疫がなかった。「写真もいいけど実物の方が興奮するだろ」と言うと友人の妹が部屋に入ってくる。嘘だろ、と思いながら妹が持っている箱を開けると、中にはセミの抜け殻が大量に入っていた
【No.692 書く恋慕】
ラブレターという響きが苦手だった。なんとなく軽い気がして心がもやもやしてしまう。そんなことを思いながら今日も片思いの男の子に手紙を書く。本当は好きなのに、恋心をこっそりと隠しながら文章にする。私からは告白なんてできないけど、いつか、私の気持ちを彼に知ってもらえたのならば
【No.693 塩対応】
鳥に啄まれそうになったとき、一人の若い女性に助けられる。調べてみれば、女性は国民的アイドルだそうだ。お礼を言うために握手会へ参加すると、女性が怪訝な顔をして「スタッフさん。ナメクジがいるんですけど」と僕をデコピンで弾き飛ばした。あまりの塩対応に僕はしおしお萎んでいった
【No.694 爆弾処理班】
爆弾処理に赴く。今回は高難易度ミッションらしい。うねうねと蠢き、ぬるぬると滑る地面にしっかりと足を付けて爆弾へと向かう。爆発寸前の機械を優しく、慎重に処理していった。タイマーが止まったのを確認して一息つくと、口の外から「今日はあまり毒舌を吐かないんですね」と聞こえてきた
【No.695 一期一会】
縁は一期一会だ。私と関わってしまった人達は記憶を失ってしまう。遥か昔、交流を疎んでいた私に魔女がかけた呪いだった。どんなに親しくなっても、私だけに思い出が積み重なっていく。それでも、繋がりが希薄になった今、誰かの心に残り続けるよう願った。来年も、覚えていてもらえるように
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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652