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140字小説 No.-076‐080

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【No.-076 もちもち】
雪見だいふくを食べるときは彼女なりのルールがあった。最初に皮を食べ切ってからアイスだけを口に含む。もっちりした感覚を先に楽しめば、しっとりした食感がより際立つと言う。おかしなルールだなと思いつつ、彼女の白くてふっくらとしたほっぺをつつく。愛情を示す僕なりのルールだった。

【No.-077 声の形】
いつも無口なあの子は、お昼の校内放送が好きだった。放送委員に立候補したときはみんな驚いたけど、今では誰もが楽しみにいている時間だ。かろやかな声は聞く人の心を弾ませる。話すのが苦手なだけで伝えたいことがいっぱいあるのだ。人見知りな僕も、いつか、本当の声であの子と話せたら。

【No.-078 廃墟公園】
子どもの頃は想像上の公園に、好きな遊具を置いて遊んでいた。大人になった今では、ネットカフェやカプセルホテルが心の中に建っている。機械的で、都会的になってしまったなと苦笑してしまう。より良い生活の為に心の中の公園を取り壊したはずなのに、昔よりも満たされなくなってしまった。

【No.-079 クロデンワゼミ】
ジリリ、ジリリ。と電話が鳴ったので取ると、受話器の向こう側は静かだった。窓の外にはクロデンワゼミが網戸に張り付いている。今年は猛暑のせいで、例年よりも大量発生しているらしい。ジリリ、ジリリ。電話の鳴き声を聞く度に懐かしさを感じていく。世界は『昭和』に侵食されつつあった。

【No.-080 執着点】
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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652