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140字小説 No.606‐610

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【No.606 スーパーヒーロー】
僕が子どもだったころ、父はスーパーヒーローだった。大人になって、結婚して、息子が生まれたときには、父の背中を追いかけて僕もスーパーヒーローになっていた。今日も平和を守るために、子どもに手を振って出かける。万引き犯確保、迷子案内、落し物預かり。スーパーの治安はお任せあれだ

【No.607 人間離れ】
スポーツ推薦を受けるために、医者と相談してどんな過酷なことにも耐える。危険だと言われても、いつしか厳しい練習を乗り越えて人間離れした力を手に入れた。ダチョウの目、チーターの足、ゴリラの手、アフリカゾウの体を移植した僕は誰にも負けることはないだろう。スポーツ新時代の到来だ

【No.608 アンテナショップ】
たまには地方の特産品でも見てみるかとアンテナショップに訪れる。けれど、中には文字通りアンテナしか売られていなかった。店員さんいわく、頭にアンテナをつけるとトレンドの受信と発信ができるようになるらしい。ファッション、音楽、グルメ、全世界の流行はこのお店から決まっていくのだ

【No.609 平等条約】
平等条約が結ばれてから数年が経つ。感情も、夢も、お金も、優しさも。月に一度、混ざり合っては平等に与えられ直す。どんなに前向きでもどうせ不幸が増えるのなら。こんなに惨めでもどうせ幸せが増えるのなら。いつしか人類は悲しむことも喜ぶことも諦めてしまった。それすらも平等になった

【No.610 目玉焼き】
「きみのぐじゅくじゅになった目玉焼きが食べたいな」「昨日も作ったからあと1個しか作れないよ。他の人に作ってもらったら?」「きみのじゃないと駄目なんだよ」彼女は喜んで目玉焼きを作ってくれる「おいしい?」「まだ食べてないよ」「そうだったんだ」口に含む「しろめの部分が好きだな」

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652