140字小説 No.≠001‐005
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【No.≠001 アカシアの冠】
「十年後も一緒にこの場所で遊ぼう」この公園がまだ草原だったころ、私は幼なじみの男の子と約束したことがある。アカシアで作った冠の交換をゆびきりの代わりにした。結局、その約束が果たされることはなかったけれど。思い出の中の草原は大人になった今でも、翠色の光を鮮明に放っていた
【No.≠002 人生の役割】
クリアできなかったRPGを再開する。主人公の名前が「ああああ」と適当なことに思わず苦笑してしまう。せめてドラゴンを倒せていたのなら、自分と似た弱っちい主人公も報われたのだろうか。画面の前でスライムが笑っていた。ごめんな、勇者「ああああ」よ。世界も、お前も救ってやれなくて
【No.≠003 私構築】
『あいうえお。かきくけこ。さしすせそ。たちつてと。なにぬねの。はひふへほ。まみむめも。やゆよ。らりるれろ。わをん。0。1。2。3。4。5。7。8。9。ABCDEFG。HIJKLMN。OPQRSTU。VWXYZ。喜怒哀楽。五感』これが私の全てです。これで私が全てです
【No.≠004 嫌いな味】
自動販売機でアタリが出たから、焦ってボタンを押し間違えてしまう。飲めない緑茶を前に困ってると、嫌いな男子に会ったので一本差し出す。「俺、苦手なんだけど」「知ってる」「お前が飲めよ」「私も苦手なの」「知ってる」嫌いな男子と飲む苦手な緑茶は、なぜかほんのりと甘い味がした
【No.≠005 宇宙人ごっこ】
「ワーレーワーレーハーウーチュージーンーダー」扇風機に向かって彼女が口を開く。どこでそんなもの覚えたんだとおかしくなる。「これね、宇宙人ごっこ」「ごっこじゃないだろ」彼女が振り返ってけらけら笑う。透明感のある水色の皮膚と、おでこに存在する第三の目がとても可愛らしかった
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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652