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140字小説 No.506-510

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【No.506 星人式】
星人式が開催される。頭の形や色がおかしくて、どこの言葉だかわからない声でワーワーギャーギャーと騒ぎ立てる。威嚇しているのか、机を壊したりお酒を浴びるように摂取した。二十歳を機に大人から星人になってしまう人間が発生する。僕達の知らない、醜い醜い生き物に変わってしまうのだ

【No.507 悲縛り】
悲縛りにあう。眠っているのか起きているのか、現実なのか夢なのかわからない狭間で、席を譲れなかったこと。消しゴムを貸さなかったこと。おはようを無視してしまったこと。多くの悲しいが私の体と心を縛る。朝になったら、朝になったら。布団を被って、うずくまって、夜が過ぎるのを願った

【No.508 未海域】
緑色に濁った海を冒険する。得体の知れない泡が立ち込めて、視界を遮るように煙が発生する。我々より数十倍の大きさである『何か』が海に飛び込むと、怒り狂う荒波が襲ってきた。『バブ』と呼ばれる海域を抜けて、隊員をなんとしても守り抜かなければならない。この、アヒル隊長の名にかけて

【No.509 文明機構】
地下図書館で『手紙』が見つかる。文明を失った街で、稀に発掘される機械人形の総称だ。全てが小さな女の子で、左手を優しく握ると旧世界の記憶が流れ込んでくる。海が青かった時代。鳥が空を飛んでいた時代。人々がまだ言葉を使って生きていた時代。女の子の手が離れる。機械から涙が流れた

【No.510 歩きタバコ】
最近は歩きタバコが問題視されてきた。路上に捨てられて燻っているタバコが、灰皿を求めてズ、ズ、ズ、と街を歩き出す。人間を見つけると体を這いずり回って、ポケットの中を探しては燃えカスが服に引火する事故が多発する。野生のタバコが増えないように、街には多くの駆除班が配置された

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改めまして、秋助です。主にnoteでは小説、脚本、ツイノベ、短歌、エッセイを記事にしています。同人音声やフリーゲームのシナリオ、オリジナル小説や脚本の執筆依頼はこちらでお願いします→https://profile.coconala.com/users/1646652