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イヤフォンが壊れたので無音生活をはじめた

Bluetoothイヤフォンが壊れた。

接続不良なのかどうなのかわからないけれども、左側だけ音声を発しなくなった。
保証期間も過ぎていたのでゴミ箱行きになったのだが新しいイヤフォンを探しているうちに

(イヤフォンがなくてもよいのではないか)

そんな心持ちに至った。

通勤時やジムでのワークアウト中は常にイヤフォンで音楽を聴いていた。

イヤフォンを故障で失い、実際に無音生活を送っていても苦にはならなかった。
ここ2か月ほど趣味のランニング時には無音で走ると決めていて心地よさを感じていたことが大きいのかもしれない。

無音生活と言ったが世界に音は満ち溢れている。
大好きな自然の音。

郊外に行かなくても街中に自然はある。
街路樹,歩道脇の草花,河川敷,電線にとまる鳥。
それらは音を,声を発している。

彼らの声の聴き方を古の賢人や伝説の魔導士に教わる必要はない。

ただ意識を向けるだけでいい。

もう1人の自分はこうも思う。
これらの思考,想いは拠り所のない人間が最期に縋るもの、郷土への想いや愛国心に近しい感情なのではないかと。

自身の住まう土地に対しては愛憎半ばだし愛国心はかけらもない。

いや、かけらも無いことはないか。

みな平和に暮らすことができればいい。
誰も彼もが飢えることなく、万人に対して教育へのアクセスが担保されていればいい。
属性境遇で差別を受けることがなくなればいい。

音の話だった。

音。
心安らぐ音。

猫や犬の寝息。
愛しき人が奏でる鼻歌。
子どもたちのはしゃぎ声。
晩秋の湿原の草紅葉が風に撫でられた時の音。
酔いで視界が揺れる中聴こえる雑踏のさんざめき。

こんな湿った感情を焼き尽くすくらい何かに打ち込んでみたいものだし捧げるべき何かを見つけたいものだが今日も特に何も起こらず日々は過ぎて行く。

いつも通り。
そういつも通り。
走って本を読んで自炊して瞑想して寝るだけ。
野心じみたものはないけど成し遂げたいことはまだ残っている。
この身1つで。

ニコチン切れの気晴らしにこの文章を書いているけど、衝動は去った。

iQOSとマルボロは友人の家に旅立ったんだ。

以上。

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