標本作家の感想文及び読書スタイルの模索

前から読んでみたかった標本作家が図書館にあったので借りてきた。読んでみることにした。

リンクは張ってみたがこれ電子書籍だった。紙の本が私は好みである。

とにかく全体をまずはぱらぱらと読んでみてあとがきも読んでみたのだが、作者さんは小川楽喜さん。グループSNEの方であった。TRPGやってると名前を聴くグループSNE、ソードワールドのところである(ほかにもいろいろやってるけど)。あとがきを先に読んでみたら力造さんの名前があった。力造さんは数年前に亡くなっていまった人でデモンパラサイトというTRPGを作っていた。悪魔つきと呼ばれる宿したら力が当たるのだけれども、代償として服が破けたり全裸になったり、服が砂まみれになったりするTRPGである。アルバレスト楽しかった。
この人の関係者だったのかと思いつつどうにか読んでみることにした。

ざっぱ過ぎるあらすじ

人類もう滅んだよ。謎の上位種が世界を支配しているよ。なんか人間の色々が見たくて作家を蘇生させて不老不死にして願いを叶えつつ話をかかせているけれど今のスタイルが気に入らない主人公メアリは頑張るよ

みたいな話である。SFであるサイエンスフィクション。主人公はメアリ・カヴァン。この話はほぼ誰かの一人称で進んでいく。
この作品は西暦がとても飛んでいる。八十万二千七百年、これだけぶっ飛ばしておけば何を持ってきてもおかしくないというわけでこの辺SFである。人類はいろいろあって滅んだ。メアリたちは上位種によって甦らされてHIKIKOMORIにならされているよとある。彼等は死ねないし上位種が満足がいくような話が出来るまでエンドレスで話を作るが最近それも停滞してきたぜとなっていた。頑張るメアリといった話である。
ネタバレを限りなく薄くしてみるとそうなる。




ネタバレありの感想


標本作家は一言で表すと私にとってはこんな話だった。

ペンチ味溢れるメアリが太宰治概念を使うに使って私はこんな話が読みたいと作家や世界をぶん殴ったら結果的にみんなぶっ飛んだ話

ペンチ味とはワールドトリガーの主人公格の一人である三雲修を表す言葉である。何でペンチかというと作中で使ったからである。三雲修は眼鏡であり戦闘力もないが「僕がそうするべきと思ってるからだ」のメンタルで突き進んでいく中学三年生である。詳しいことはジャンプスクエア連載中のワールドトリガーを読んでほしい。コミックスは二十巻以上出ているけど読みやすい。SFお仕事漫画でもある。

最初は控えめな子かと思っていたメアリであったが読んでいくとペンチ味+太宰治概念に満ち溢れた女であることが分かってくる。太宰治概念、それはなんかうつうつとしていて私は一般人とはズレています。他人が考えているようなことは分かるのだけれども心ではしっくり来ていないのですみたいな概念である。文豪とアルケミストや文豪ストレイドッグスとかでも太宰治は出てきているが前者はみんなが思い浮かべる太宰治+運営アレンジで後者は名前だけ借りつつも一筋縄じゃいかないよ人間失格である。

そして標本作家は明らかに太宰治をモデルにした作者が出てきている。自室で私はこの本を読んだが太宰じゃねーかと叫んだ。東北地方生まれの六男坊なんて太宰だ。標本作家に出てくるメイン作家はほぼほぼフィクションだけれどもモデルになったのこの人じゃね? はふんわりわかってくるが太宰治モデルの作家だけは違った。これは太宰治だろうとわかった。こいつが来たことによって世界崩壊が進んでいく。太宰だしね。

途中で井伏鱒二とか織田作之助とか出てきて太宰ーとかなった。作中の名前は違うけど。

そして百合だった。百合という言葉で表していいのか分からないが百合だった。男と女の話でもあった。読者の話でもあり作家の話でもあった。
最後の方ちょっと泣いた。メアリ、子供っぽいけれどもそこがよい。

メアリはペンチ味溢れる女なのだがペンチ味を持っているので自分の魅力というか危険なところには気づかずに結果的にあらゆることが崩壊していくのだが作家たちもかつて抱いた疑問に対する答えは出していきつつも最後の最後まで作家でいた。物語が完結しなかったのは完結してしまったら作家としては止まってしまうからだろうかザクザクサロメ。

上位種、いろんなことが出来て作家たちはかつての疑問を答えてもらうためにいろんなことをしてもらうのだがそれを踏み台にしつつも答えを出せたのはメアリのお陰というかお前めっちゃやばいよこわいよメアリさんである。平凡じゃねーよとかなるので読んでほしい。

終焉の光景はとても綺麗だった。

ペンチ味太宰治概念を宿したメアリがお前ーとなりながらもぐっしゃぐしゃ粉砕して目的のために壁をぶち壊しあらゆるものをぶち壊していくので長いが読んでみてほしい。ひももあるので飽きたら途中で休むのもお勧めであるし文章が長いがまーこんなことかいてあるこの辺は出来れば何とかなる

おまけ:読書スタイル


映画を見ることが苦手な私は金を払って映画館で体を固定することによって映画を見るという手段を覚えた。集中できないのだ映画。家で見ようとしても動画とかすっ飛ばしてしまうタイプである。読書も似たようなところはある。なろう小説とか読んでたりするが作中登場人物の名前が覚えられない。主人公は何とか覚えたが属性で覚えた。主人公の昔の知り合い、太宰、ゆりのひと、かーちゃん、ぐだったひととかである。それで何とかなった。

読めればいいのである。読めれば。
ただし時と場所は選んでつっこみをいれてしまうなら借りて家で読んだ方がいいとはなった。図書館で叫ぶとうるさいしな


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