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#ActiveBystander = 行動する傍観者

およそ1か月ほど前、10/11の国際ガールズデーにこんな動画が投稿されていたのご存知でしょうか?


性教育YouTuberとして活躍する助産師のシオリーヌさんと『59番目のプロポーズ』でも知られる作家のアルテイシアさんが作った動画です。

Twitterでは動画が現在225万再生、YouTubeでは7万再生以上されているので、見たことある方もいるかと思います。


とはいえ、日本の人口は1億2588万人(令和2年10月現在, 総務省統計局)とのことなので、全然届いてないっちゃ届いてないわけですよね。なので、蟻んこほどの影響力しかもっていない僕ですが、ちょっとでもこの動画を知らない人へ届けばいいなと思ってこのnoteを書いています。

その上で今日は、拡散のついでといっては何ですが、この動画の「問いのデザイン」についても思うことを一緒に書いていければと思います。



「問い」を届けるターゲット設定


まずはじめに、今日のnoteは非常にデリケートな話なので、言葉の端々に気をつけていきたいと思いますが、不適切な表現などあれば、コメントお願いします。

こういう題材を取り上げるのは、正直なんだか緊張してしまいますが、頑張って書きます。



1か月前、最初にこの動画を見た時の感想を正直に言うと、


「こんなことするやつ本当にいるんだ」

と同時に、

「(飲み会でのセクハラのシーンを見て、) あー、他人事じゃないよな」


です。


男性のみなさん、本当はそう思ったでしょ?
(そうじゃない人もたくさんいると思いますが。)


白状しますが、僕は数年前に友人との大勢の飲み会の席でそんなようなことをやらかしています。そんでもって色んな人を傷つけました。もうね、思い出すだけで嫌ですが、そこから今は改心してお酒の席では極力女性の隣座らないですし、座った場合はもうめちゃくちゃ気を張ってます。お酒は好きですが怖いものだと身をもって体験しました。


とにかく、明らかな悪意をもった性犯罪はもちろんですけど、性犯罪の自覚がない人はいまだ多いんじゃないかなと思います。そういう人たちにとって「セクハラ」ってなんだかポップな響きにしか聞こえてない気が...。ちゃんと「性犯罪」なんだってことをこの動画は教えてくれます。



そして見終わったあと、あれこれ考えている中で思ったのは、

「実際にそんな場面に遭遇したときに、自分は動画の後半の彼のような『行動する傍観者』になれるだろうか?」

です。


そこはもうダイレクトに(素直に)この動画のメッセージをそのまま受け取っております。女性が(時には男性が)被害にあった時に、『ひとりにしないこと』が大事というのは心に刺さるメッセージであると同時に、行動に移すには難しいメッセージだなと。できる限りそうしたいですけど、その場の瞬発力必要ですもんね。


月並みですけど、自分が加害者になってはいけないことはもちろん、ただの傍観者でいてはいけないなと思わされました。



さて、僕がこの動画のメッセージに対して非常に考えさせられた話はこれくらいにして、「問いのデザイン」(「問い」をどのように設定して、アウトプットしているか)について考察していきたいと思います。


この動画の製作に至った根幹にある「問い」は、動画の脚本を担当したアルテイシアさんによると、


「どうすれば性暴力を駆逐できるか?」


だとのこと。

駆逐という表現を聞くとどうしても僕はとある漫画を思い出してしまいますが、とにかく非常に強い表現であり、「怒り」が全面に表れています。


こういう感情の伴った問いというのは人間味があっていいなと思いましたし、今回の動画に関して言えば、最初に立て続けに(見ていて不快な)事例を列挙するという動画構成にそういった感情が直接立ち現れていて良かったです。


「目をかっぴらいてよく見ろ!世の中にはこんな理不尽が溢れてるんだぞ!!怒」

と言わんばかりの前半パートでしたね。

事例毎に、「こういう場合はこう対処しましょう」といった感じの教材っぽい動画ではこの怒りは表現されないだろうなと。



そして今回の「問いのデザイン」のキモはやはり、その問いを誰に届けるかというターゲット設定にあるのかなと僕は見ています。


というのも、性犯罪に対するメッセージやアクションって比較的「加害者」や「被害者」をターゲットにしていることが多いのではないかと思うんです。

それをあえて「傍観者 = マジョリティ」主観での物語に落とし込んで届けた点が今回の225万という波及に繋がっているのかなと。


つまり、「過去に被害にあった人」も「これまで傍観者だった人」もシェア(リツイート)しやすかった、のではないかなと。

 


一方で、この動画の波及が国際ガールズデーに合わせた単発(バズっただけ)であったように感じられるのが物足りないところです。

(225万人に届いてる動画に対して何を偉そうに!バズっただけでもすごいじゃないか!お前にそれができんのか!という感じですがご容赦ください。笑)


究極的には傍観者の行動を促すことよりも社会の「空気」を変えるところに照準を向けないといけないのではないかと思うので、そういう意味では事あるごとにこの動画が繰り返し人の目に触れる仕組みに乗っけないといけないなーと。


そう思うとやっぱり大手広告代理店のCMって影響力すごいなぁ。


そんなこんなで、何度も繰り返し人の目に触れさせるという意味で僕はこの動画すごい大切だなとおもったので、あえて1ヶ月後のこのタイミングでnoteにしてみたわけです。

賛否両論いろいろ意見が分かれる動画だと思いますが、もし共感してくれる人がいたらぜひ周りの人にシェアしてみてください。

シェアして遅すぎる事なんてないです。



以上、「#ActiveBystander 行動する傍観者」の考察でした。



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追記2020.10.28 「秋のイギリス編」追加しました!


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