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野のユリ/映画

御詫びです。昨日の記事で「八つ墓村」を平家の落武者と書きましたが、戦国時代の尼子氏の落武者ですね。大間違いです。記事に訂正文入れました。
こういうのはちゃんと映画を見てる事になりませんね。申し訳ありません。

以前、今まで見た映画のベストとして「アラビアのロレンス」を挙げましたが、同じくらい好きなのがあります。

野のユリ(原題/Lilies of the Field)

1963年のアメリカ映画。大学時代の休日、何気にTVつけたらやっていて、最初横になってぼーっと見てた。けど最後には正座してました。

主演のシドニー・ポワチエがこの作品で黒人俳優として初のアカデミー主演男優賞を受賞したとかの知識は当時全くなし。見終わった後の「いいものを見た、いいものに出会った」という、胸に拡がる暖かい感動は未だ消えておりません。

以下、ネタバレ含んでおります。

砂漠を放浪する黒人青年が一軒家に辿り着きます。そこには五人の修道女(東ドイツからの亡命者)がいて、教会を建てるのを手伝うよう青年に言います。報酬は無いし最初は嫌々手伝う青年ですが次第に彼女たちのペースに乗せられ、本腰を入れ始めます。

建築に詳しい青年はひとりで建設しようとしますが、途中から町の人とか他人の協力を受け入れるんですね。で、教会に援助は当然とか言って高飛車な感じだった修道女の方も、頑張って寄付金募ったり地元の会社に協力を呼びかけ、ついに教会が完成します。理想だけでは物事は動かんし、自分から助けてって言わなきゃ進まない。

エイメン(ゴスペル)で始まり、エイメンで終わる。ラストがいいんですよ。教会が完成した夜、ミサを待たず青年はまた旅に出てしまう。エイメン歌いながら、爽やかに。今までに見た、読んだラスト5選に入ります。要するに「執着しない」ってことかなと。別れを受け入れようとする修道女院長の複雑な表情も心を打つ。陽気な青年と厳格な院長には色々確執があった、だからこその表情。

余韻を残すってこういうことなんだと、思わずにいられません。