いのうえ あきら

雑誌やWebメディアに寄稿するフリーライターです。マガジン「文字を書く人」では、ライタ…

いのうえ あきら

雑誌やWebメディアに寄稿するフリーライターです。マガジン「文字を書く人」では、ライター・編集者を目指す人やビジネスパーソンに役立つ文章執筆のスキルや考え方について、発信します。

マガジン

  • 文字を書く人

    ライターを目指す人や、文章力を上げたいビジネスパーソンに役立つ練習課題を紹介していくマガジンです。基本的には、毎週土曜〜日曜日の投稿を目標にしています(※仕事の状況によって頻繁に前後します)。

  • 文字を書く人(清書PDF版)

    無料マガジン「文字を書く人」で公開してきた文章術に関する内容を、DTPソフトを使って、見やすく再編集していきます。

最近の記事

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僕が書ける「良い文」とは何か、を考えてみた。【文章術000】

学生の頃、僕は「本」が好きだった——。ここまではよくある話だろうが、僕の場合、その対象は小説やミステリーの類ではなくて、「◯◯図鑑」や「〇〇学」といった分厚い本だった。 そんなわけで、「嗚呼、この本を買って手元におきたいな」という収集欲がふつふつと湧き上がってきたときには大変だった。彼らは安くても2000〜3000円、高ければ1万円近くしたからだ。しかも、書店の棚には似たようなジャンルの本が何冊も並んでいるのである。当然全部を買うお金はないわけで、何日も何日も同じ書店に赴き

    • 「校正記号」はまずこれだけ覚えよう【文章術080】

      本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回はライターの業務で必要になる「校正記号」について、最低限の知識を身につけたい。 校正記号とは大前提として、文章を書く現場には、いろいろな人が関わっているーー編集者が企画を考え、記事の素材を作るライターや、カメラマンを手配し、デザイナーに誌面のレイアウトを発注し、DTPオペレーターがデータを流し込み、校正・校閲の担

      • 理解して使いわけたい4つの「比喩」【文章術079】

        本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は「比喩(ひゆ)」表現の4つの手法をおさらいし、執筆時に意識した使い分けができるようにしたい。 1)直喩(ちょくゆ):まるで〜のようにまず、「直喩(シミリー)」とは、それか例え(比喩表現)であるとわかるように明示する書き方だ。 例えば、「まるで〜のように/〜のような」といった表現を伴う。 比較的、読解力を求め

        • 「引用」の作法をおさえる【文章術078】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は「引用」の基本をおさらいしたい。 「引用」とは基本的に、他者の著作物の文章を、権利者の許可なく、そのまま流用することはできない。著作権侵害は民事・刑事上の罰則につながる可能性もあるので、正しく理解しておこう。 しかし、適切な「引用」を行うことで、著作物の一部を許諾なく使えることがある。 書き手として意識すべ

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        僕が書ける「良い文」とは何か、を考えてみた。【文章術000】

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        記事

          「誇大表現」に頼らない【文章術077】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は「誇大表現」を使わないよう、意識づけをしたい。 ついつい使いがちな誇大表現「誇大(こだい)」とは、実際の度合いよりも、大きく表してしまうことを意味する言葉だ。要するに「つい盛り過ぎた話」みたいなものである。 例えば、185cmの身長の男性とすれ違って「さっき通り過ぎた彼は、とても背が高かった。身長2mはあった

          「誇大表現」に頼らない【文章術077】

          「変な文章」からの脱却を図る 【文章術076】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は「文章の種類」について、認識しておきたいことを整理した。 文章の種類は大まかに3つある文章スキルをUPさせるために、自分がどのような文章を書くことをゴールに据えているのか、改めて認識しておきたい。現代の日本で一般的に使われる日本語文章には、3つの種類があるとされている。 1つ目が「個人的文章」、2つ目が「説明

          「変な文章」からの脱却を図る 【文章術076】

          個人で働くうえで 大切にしている5つの指針

          筆者は、個人事業主としてライターを生業にしています。そんな立場もあって、最近「個人事業主では、何が大切か?」と相談される機会がありました。 これが、自分が定めている“経営指針”とでも言うべきマニュアルのなかから、なるべく普遍的に役に立つであろうエッセンスはないか、と改めて整理する機会になりました。 本コラムは、その際に整理した5つのポイントをまとめたものになります。 5つのポイントのうち、2つ目までは無料で読めるようにしてあります。3〜5つ目にはデリケートなことも書いて

          有料
          200

          個人で働くうえで 大切にしている5つの指針

          「結論」から書く【文章術075】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は「そういえばこのnoteマガジンで書いてなかったな」という超キホンのテクニックを改めて扱いたい。 「結論」から書くビジネスシーンで使う文章は、「結論」から書くのがキホンだ。そして、この結論ファーストの構造は、文章としてのまとまりごとに設置される。 「文章術」や「ライター」といったキーワードに興味を持った人なら

          「結論」から書く【文章術075】

          「想像できる話題」から書く【文章術074】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は記事の書き始めのアレンジで使える手法を紹介したい。 あくまで、基本は「結論」から書くことビジネスシーンで使われる文章では、結論から書くのが基本だ。基本ができていない段階ならば、まずは基本を身につけよう。 手札を増やす意味で、他の書き方に挑戦しようただし、中級者以上になったら、このフォーマットだけに捉われてしま

          「想像できる話題」から書く【文章術074】

          人の話を「意訳」するように書き換える【文章術073】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は、インタビュー記事で使えるテクニックを紹介したい。 編集するか、否か大前提として、インタビューした内容を元に、記事を執筆する行為は、かなりセンシティブであることを理解しておこう。 ライターは、インタビュイーが発言したかのようにテキストを書く。公開された記事の反響が、ポジティブであれ、ネガティブであれ、特定の人

          人の話を「意訳」するように書き換える【文章術073】

          「写実」で書き換えてみよう【文章術072】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は、単調な原稿を避けたいときのアクセントとなるテクニックを紹介したい。初心者にとっては、文書術としてのトレーニングにもなると思う。 ありきたりな文を「写実」的なアプローチで書きかえる「写実」や「象徴」といった概念・技法は、本来は文学作品などで使われるものだ。筆者のようなクライアントワークがメインの商業ライターから

          「写実」で書き換えてみよう【文章術072】

          「括弧」の使い方を知ろう【文章術071】

          ※前回の投稿から時間が開いてしまい、大変恐縮ですが、マイペースに投稿再開していきます。またよろしくお願いいたします。 本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は、記事執筆における「括弧(かっこ)」の使い方で、意識したいポイントをまとめよう。細かい内容になるが、職業としてのライターを目指す場合には、必須の知識だ。 よく使う括弧の種類まず、括弧には、いく

          「括弧」の使い方を知ろう【文章術071】

          文の「距離感」は、自己開示と冗談で縮まるかもしれない

          豚のヒレ肉を買うと、すごい贅沢をしている気分になる。 うなぎを買う、すき焼きの肉を買う、本マグロの柵を買うーー。たまのプチ贅沢には、いろんな価格や手段があるけれど、豚ヒレ肉を買ったときのそれは、なんだか特別だ。 あるとき、スーパーで豚ヒレ肉のブロックが安く売っているのを見つけて、反射的にカゴへ放り込んだことがある。割り引かれているとは言え、日々の食費を考えれば相当な贅沢だ。「豚ヒレ肉をカゴに入れてやったぜ」という高揚感を抱きながら、心の中でドヤ顔をしながら帰る。 本当は

          文の「距離感」は、自己開示と冗談で縮まるかもしれない

          並べて書くときは「同じモノ」を【文章術070】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は、並列の書き方をする際に、意識したいポイントを紹介したい。 並列はプロでも失敗しやすい並列では、同じ形を繋げるーー。と言うのは簡単なのだが、実際に書いてみるとミスしやすい。 これは「初心者」に限った話ではなく、雑誌編集者のような立場の人でも、よく失敗している。 例えば、筆者のようなライターが納品した文章を、

          並べて書くときは「同じモノ」を【文章術070】

          書けないなら、「ひとりインタビュー」をする【文章術069】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は、記事の構成に悩んだときのテクニックを紹介したい。 記事の構成が思いつかないタイミング毎日のように記事を書くようになると、ふと記事の構成が思いつかなくなる瞬間がある。 精神状態、疲労度合い、体調の波、テーマへの飽きなど、その原因はさまざまだ。 こうしたパフォーマンスが下がったタイミングにおいて重要なのは、「

          書けないなら、「ひとりインタビュー」をする【文章術069】

          「ニーズと特徴」を対比させて考える【文章術068】

          本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。 今回は、モノやサービスの特徴とニーズを対比させながら捉える意識づけをしてみたい。 ニーズの視点で特徴を捉えるモノやサービスの特徴を説明する文章を書くとする。その際、淡々と説明文章を書いても良いわけだが、筆者としては「意味付け」をしながら書くことを勧めたい。 メリットは大きく2つある。1つ目は、意味付けをすることで「

          「ニーズと特徴」を対比させて考える【文章術068】