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個人で働くうえで 大切にしている5つの指針

筆者は、個人事業主としてライターを生業にしています。そんな立場もあって、最近「個人事業主では、何が大切か?」と相談される機会がありました。

これが、自分が定めている“経営指針”とでも言うべきマニュアルのなかから、なるべく普遍的に役に立つであろうエッセンスはないか、と改めて整理する機会になりました。

本コラムは、その際に整理した5つのポイントをまとめたものになります。

5つのポイントのうち、2つ目までは無料で読めるようにしてあります。3〜5つ目にはデリケートなことも書いてあるので、有料(200円)に設定させていただきました。

(※本noteの文量は、有料編を含めると、計7600文字程度です)

ライターになるには「3つの壁」がある

まずは前提からーー。そもそもライターになるためには、3つの壁を越えなくてはなりません。

1つ目は「ライターになる壁」、2つ目は「仕事として成立させる壁」、3つ目は「仕事として成立させ続ける壁」です。

なお、ここではnoteマガジンのテーマに合わせて職業を「ライター」としていますが、これらはおそらくライターだけに限らず、その他多くの職業にも当てはまるのではないかと思います。


1つ目の壁は、勇気と決心で越えられます。実は「ライターになること」自体は、さほど難しくありません。必要な資格があるわけではないので、一定の文章執筆スキルと、ルールや法律に関する最低限の注意力さえあれば、名乗ったその月からライターとして活動できます。

なお、文章スキルの向上には年単位の時間がかかるので、ライターとして活動しながら上げていった方が効率的です。

もし専業で本格的に稼ぎたい(あるいは稼げる)ならば、個人事業主として登録する作業(あるいは法人を設立する作業)を行い、相談できる税理士などを見つければ、なお良しといったところでしょう。

この1つ目の壁を乗り越えたならば、あなたは既にライターです。


ただし、2つ目の壁が目の前にあります。ここを乗り越えるには、センスや運の要素も影響します。

仕事/事業として成功するかどうか”は、(1)クライアントとの「ツテ」がある、(2)業界の作法を知っているーーなどの要素があった方が当然有利です。これらを身につけるために手取り早いのは、関連業種での経験を積んでおくという方法でしょう。

また、これらがない場合も、(3)飛び込みやSNS等を問わず「営業」をできる行動力やマーケティングへの理解、などがあれば、その人にとっての強い武器になるとは思います。

ちなみに、新しい市場やビジネススタイルに挑戦できる才というのは、別に必須ではありません。劇的な成功体験や、お金持ちになることを目指さなければーーつまり、平均的な仕事として成立するレベルを目指すという前提ならば、「ユニークさ」という要素はさほど必要ないのです。


そして、なんとかこの2つ目の壁を越えて「私は名実ともにライターになれた!」と胸を張ると、3つ目の壁が立ちはだかります。

つまり、“仕事として成立させ続ける”難しさに、直面するのです。筆者は、日々この壁によじ登っています。

本noteで、以下解説していく5つのポイントは、もともと筆者が日々働くなかで、この「仕事として成立させ続けるための作戦」を、思考のフォーマットとして、不文律的に定めていたものです。

以下は、それを5つのポイントとして言語化したものです。きっと、業種や事業形態によらず、役に立つ要素があるでしょう。


1|目の前の「やること」に集中する

将来のことは不確定です。そのため、事業をしていると「〜できたら良いな」「〜だったらどうしよう」「〜できないかもしれない」と不確定なことに対する“受け身な未来への希望・不安”を抱きがちです。

しかし、これらの思考は中長期的な視点では、大して役に立ちません。それよりも、自分の意思でコントロールできるタスクをこなすことに集中した方が、結果は伴ってきます。

例えば、仮に「今後、ライターとしてコーヒーの記事が書けるようになりたい」としましょう。

その場合、「コーヒーの記事が書けたら良いな」「何年頑張ってもコーヒーの記事が書けなかったらどうしよう」という思考は意味がないのです。

そこでこういった思考を、自分で「やること」に変換します。例えば、以下のようなイメージです。

・手に入るコーヒー関連の書籍、ムックなどを20冊購入して、読破する
・コーヒー関連の認定資格を取る
・コーヒーの記事を書かせてもらえる媒体が3つ見つかるまで営業をかける
・まだ飲んだことのないコーヒーの種類があれば探し出して飲む
・毎月コーヒーのための道具を1〜2個購入し、その使用感について記事が書けないか提案する
・国内で開かれるコーヒーの展示会を調べて、2年間なるべく全てに足を運ぶ
・国内のコーヒー市場で市場規模が大きいトップ10の企業について、リサーチを行う
・業界関係者に会ったら必ず、周りにコーヒーの記事を書ける機会がないか相談する

もし、不確定な希望や不安を抱えているだけならば、3年後にどうなっているかは運任せです。

しかし、それを上記の様に、「自分の手でコントロールできる目の前のタスク」に変換し、優先順位を定めつつ、ひたすらこなしていけば、3年後に「コーヒーの記事を書いているライター」になれている確率はずっと高くなります。

ここでは、目標を「コーヒーの記事を書く」として説明しましたが、例えば「今より月商を10万円UPする」「安定して50万円売り上げる」のような目標でも同じようなフォーマットが使えます。


2|とにかく「数字」を残す

おそらく売上などは数字として記録しているでしょうが、それ以外の要素についてはどうでしょうか?

例えば、「今月は必死に頑張った」「今月は思ったよりも頑張れなかった」「今年は成長できたのだろうか?」ーーなどといった評価をしていたら要注意です。

こうした個人の主観的な評価というのは、例えるならば“食事に対する感想”のようなものです。つまり、常人の記憶力ならば、何日か寝たら細部は忘れてしまうはずです。食べたメニューや量をデータとして記録していなければ、栄養価やカロリーの計算を後からすることはできないでしょう。

また、先月も「頑張った」、今月も「頑張った」という“感想”ならば、どちらが良かったのかーーという比較ができないことももんだいになります。

こういった主観的な評価というのは、事業を運営するための経営指標としては、ほぼ意味をなさないのです。

そして、何より問題なのは、もし個人で事業を運営していると、たとえこのような定性的な(ものごとが数値化されていない)評価しかしていなくても、誰も注意をしてくれないということ。

だからこそ意識的に「数値を残す」という習慣を作ることが大切になります。スプレッドシートを作成したり、アプリを活用するなどして、どんなささいなことでも数値で残すことを意識しましょう。

例えば、事業の継続的な運営に関連する要素として数値化できるものを考えてみると、以下のようなものが浮かんできます。

・毎日の始業時刻
・働いた時間
・作業ごとにかかった時間
・休日の数
・働く気が起きなかった日の数
・仕事以外の作業(家事・行事など)を頑張った日数
・日々の歩数
・体重
・摂取カロリー

これらの一件意味のないような数値を残しておくことで、日々の成果を後から振り返られるようになるわけです。

例えば、「今月は売上が5万円少なかった。それは、家の行事が多かったので、働けた日数が平均より2日少なかったことが原因だ」といった分析ができます。

また、「繁忙期で売上が一気に上がったが、平均歩数が下がっている点が見逃せない。過去に平均歩数が下がったシーズンには、健康を害して、その後に売上が下がって相殺されてしまった。翌月は仕事量を抑えて、運動時間を増やし、アベレージでの仕事量がUPするように心がけたい」のような過去の結果と比較して、中長期的な作戦・方針を練ることにも活かせます。

あるいは、うまく仕事が進まなかった月には、「午前中に働けている日数が減っているのが、売上が下がった原因かもしれない。午前中にノートPCを開いた日を記録していくことで、売上が上がるかチェックしてみよう」と仮説を立てていくことも可能です。

データを数値で残すということは、その後のPDCAサイクルを回すために欠かせないのです。「個人」として忘れがちな視点ですが、ぜひ取り入れてみてください。


3|「大切にしてくれる人」を大切にする

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