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アフターデジタル 著:藤井保文、尾原和啓

みなさんこんにちは、上山です。
noteの更新は久しくしていませんでしたが、せっかく読んでいる本はアウトプットしていきたいと思っているので、noteで共有することにしました。

まだアウトプットの方法は確立できていないので、
読みづらい部分も多々あるかと思いますが、ぜひフィードバックいただけたら嬉しいです!

実は本書、2パターンでnoteをしたためました。

1つ目のパターンは本書の流れに基本は即して、かつ文章も本書から抜き取った部分が多い、正確性の高いもの。これはかなり疲れました。笑

2つ目のパターンがこのnote。できるだけ口語文で、分かりやすく、読みやすく、学生でも読めるようにしようというコンセプトで書きます。なので、正直まだどれくらい正確性の高いものが書けるか分かりません。

ではレッツゴー!

「結局この本ってどんなこと言ってるの?」

この本は要するに日本がよく言う「DX(デジタルトランスフォーメーション)」って全然認識が甘いですよ!本物のDXはこんな世界です!この世界にいくためにはこういうことを考えましょう!という本です。

上記を中国のアリババやテンセントなどの企業事例をたくさん用意して説明してくれています。シンプルにこの事例を見るだけでも、まじか、そんな世界にもう突入してるんだって思えます。

今あるオフラインをオンラインにしましょうという「O2O」の発想ではなく、もうすべてはオンラインに繋がっていて全てのデータを取れる世界「アフターデジタル」の世界では、「オンラインがオフラインを包み込んでることを前提にして、オンラインでどんな戦略を描くの?」という「OMO」発想が大事ですよ、って言ってる本なんですね。

「アフターデジタル」ってなんなの?

オンラインでこれまで取れていたデータって、コンビニで例えるとPOSデータ(レジで実は何歳がどんな買い物したかは取れている)のイメージにあるように、「どんな年齢・性別の人が、何を買ったか」くらいだったんですよね。

ところが中国の先進企業は、言うなれば、
「誰が、どんな価値観を持って、どんな商品と比較検討して、結局その商品を選んで、その商品をどう使ったか」(本書では行動データって言ってる)
くらいまでデータを取れる世界になってるって言うんですね。この世界を「アフターデジタル」の世界って言ってるんです。

ついでにこの「アフターデジタル」の世界を前提に、オンライン戦略を考えることを「OMO=Online merge Offline」の思考と言って、中国の先進企業はこの考え方を共通して持っているって言ってます。

「なんで「アフターデジタル」な世の中になるの?」

これについては、本書では明確に書かれているわけではありません。
が、中国のトップ3(本書内で紹介される中国平安保険グループは現在調べたところ4位に陥落している)の企業がまさにこのアフターデジタルな世界を作ってるって言うんですね。

中国と日本のまず大きな違いは、「モバイル決済」でしょうね。モバイル決済をするということは、先ほどお話ししたPOSデータよりもはるかに多い情報を決済時に取れることになります。

中国では年々モバイル決済利用率は増加しており、モバイル決済額は2014年から15年の1年間で約4.8倍増加、2017年には約202兆9300億元(約3200兆円)にまで拡大しています。2021年2月の時点で中国モバイル決済ユーザーは8億人を突破し、モバイル決済の1人1日当たりの平均使用回数は3回、全体の25%は5回以上利用していることがわかりました。
日本におけるモバイル決済利用者は2021年には2000万人と言われており、モバイル決済が進む韓国においても、この中国の利用率は韓国の2.7倍になります。
引用:GLOBAL MARKETING BLOG

「アフターデジタル」「OMO」の世界になるには4つのポイントがあるみたいです。
ポイント1:スマホ、モバイルネットワークが普及していること
ポイント2:モバイル決済が普及していること
ポイント3:色んな種類のセンサーが高品質かつ安く手に入ること
ポイント4:自動化されたロボットとか、AIが普及すること

こんな条件が揃い始めたら、ありとあらゆるものがセンサーでデータ収集されて、それがAIで分析されて、「この人にはこんなサービスが良い!」ということが分かるようになるって言うんですね。

ちょっと怖い世界線にまでもうきているんだな、と思います。
でも確かに初めて行ったホテルがもはや自分の特性を知ってくれていて、
先回りしたサービスしてくれるとか、ありがたいかも。って思えます。

「具体例って何があるの?」

case-1
大手保険会社:中国平安(ピンアン)保険グループ

日本の保険会社とかを思い浮かべていただくと分かると思うけど、保険って「保険加入時」と「事故・病気に実際になったとき」しか、お客様との接点ってないんですよね。それじゃお客様に良いサービス届けられないと危機感を抱いたのがこの会社なんですよね。
そこで何をはじめたかというとデジタルツールを使って、保険のような金融の領域意外の生活圏にまで進出しよう!ってなったんですね。
特徴的なのが「グッドドクターアプリ」。このアプリ上で何ができるかというと、1つはお医者さんに無料で相談できる。もう1つは近くの病院予約ができること。なんならその病院の中の先生を指定できる。さらにもう1つの機能は、歩いたら歩いた分だけポイントがたまり、そのポイントは1日1回電子マネーに変換できるっていう機能です。
まずシンプルにお医者さんに無料で相談できるって嬉しいですよね。しかも2分以内に返事がくると。僕もよく「あれ?これなんかの病気?」って心配になることがよくある。「でも病院いくほどでもないしな」って時に頼れるアプリがあるのはいいですよね。
あと、中国では開業医さんの質がバラバラなんですって。だから本当は大したことない病気でも、たいそうな薬を処方されたりすることもあると。そんな状況だから、アプリ上で病院だけでなく医者を指定できるってことがお客さんにとっては良かったんでしょうね。
さらには歩いた分だけポイントになるんだから、1日1回はアプリをひらいて換金しなきゃ!ってなる。そうなると毎回アプリをひらくので、そこでその人に最適化されたサービスのご紹介を「いやらしくなく」できるっていうんですね。
こんなアプリを、保険の営業マンは、「保険はすぐ検討しなくても、無料なんでこのアプリ使ってみて!」って進める。あ、この営業マン良い人なんだな、と思わせることができる。
もしその後、そのお客様が「ガンになって病院検索をしていた」というデータがでてくると、ひょっこりその営業マンが電話してきて「最近ご体調はいかがですか?」と声をかける。そりゃタイミングがバッチリだから「実は体調がよくなくて、保険を見直したりできますか・・・?」となるわけです。
まあ、営業マンの僕からするとそのタイミングや声かけの内容次第では「ストーカーかよ」って思われるだろうな、って想像してましたが。
このように保険会社というレガシー業界でも、このような華麗な変身を遂げましたよって事例なんですね。
case-2
ジーマ・クレジット

この事例は僕の中国人に勝手に抱いていた印象を変える事例でした。
中国人と聞くとどうしても「自分勝手な人」とか「自分の勝利のためならなんでもする」っていう性格の人が多いイメージがあるんですよね。就職活動のSPI試験のときにも堂々と中国の方がカンニングしてましたし、堂々とドラッグストアの商品万引きしてるのをみたりしていましたからね、、、
でも実は中国人のマナーは格段に上がっているっていうんですね。その1つの要素でもあるのがこの「ジーマ・クレジット」らしいんです。
アリババグループは「アリペイ」などのモバイル決済や、ECビジネスだけでなくオフラインでも色んな情報を持っている。この膨大なデータを分析すると「その人って信頼できるの?お金貸しても返ってくる人なの?」というのが分かるって言うんですね。
そりゃそうですよね。銀行が把握しているような信用情報って「その人どんな仕事?今お金どんくらい持ってるん?結婚してるん?守るべき人とかいるん?」くらいなもんです。それにくらべてアリババであれば「この人の友人どんな人?いつもお買い物はどんなところ買うの?なんならあなたこの前お店に文句言ってましたよね?」みたいなことまで分かる。
そのスコアを350点〜950点で表すことができるっていうんですね。だから貧困な村出身のひとでもコツコツとクレジットを貯めることができるみたいなんですね。これはありがたいはず。お店からしても、お金貸す人からしても、「あ、この人700点もあるんだ、じゃあ大丈夫だね」ってなる。
だからその人がマナーを悪くすること=信用をなくすということが、直接「数字」で見ることができるようになったんですね。そうしたら、誰が嬉しくてマナーをわざわざ悪くするんだって自然な発想ですよね。
これもオンラインがオフラインを包含している良い事例なんではないかと思います。

「じゃあどうやって始めたらいいの?」

こういう企業があるんだよって知るだけでもかなり価値があると思いますが、まず本書では明確に日本企業の考え方が古いと指摘してるんです。

日本はもともと「ものづくり大国」なんて言われたように、自分の技術力やモノの品質に対するプライドがすごいある。あとは「おもてなし」といわれるようなサービス力にプライドをすごいもってるんですよね。

そんな企業たちが「さあ、デジタルトランスフォーメーションだ!」ってなると自然と考え方が「ものづくりをどうやってオンライン化するか」「いまのサービスをオンラインでどう実現するか」というような「O2O=Offline to Online」という発想になってしまうんです。しかたない。

だからまずこの本書では、
ステップ1:経営層がしっかりこのアフターデジタルな世界を認めましょう
ステップ2:やりやすいところからはじめよう
ステップ3:成功事例を片手に全社展開しましょう
って言ってるんです。

もうちょっと具体的にどうするかというと、結局この「アフターデジタル」な世界においては「顧客に寄り添い続ける」ということが大事だというんですね。これに関しては、現実の社会でも言われています。例えばリッツカールトンがなぜ一流ホテルと言われるか。それはあの先回りしたサービスや気遣いを全従業員が実現できるだけの権限譲渡と育成をしているからなんですね。そりゃ同じ金額のホテルだったら、リッツカールトンを選びたくなります。

でもそれをオンラインを活用することで、実現しようよってことなんです。先ほどの中国平安保険グループの例にあったみたいに、その方が何を求めているかというヒントがたくさんのデータから得られる。そのデータを使ってよりよいサービスをし続けることが大事なんです。

そんなサービスをいきなり全体でやることは難しい。だからまずは既存顧客の動きに合わせようよ。と言う考え方が「UXグロースハック」と言っています。それができたら、その顧客のさらに先の動きまでサポートしようよという「UXイノベーション」につなげていく、という流れでやっていきなさい、といってます。

その時に大事なのが、顧客に提供する価値を「点ではなく線」で「その後面で」捉えるようにしようよってことです。いわゆるお客様が「どんなことからあなたの会社と出会って、どう関わっていくのか、そしてどう終わっていくのか」という「バリュージャーニー」で考えることが大事だと。
なので得られるデータもお客さんの時系列で並び替える「モーメントデータ」に編集して、みんなで使いやすいようにしよう。なんなら組織体制も「バリュージャーニー」に合わせた組織体制にしたほうがいいよって言っています。

case-3
僕の体験した会社:コールセンター派遣の会社

以前僕がいた派遣会社で例えましょうか。派遣会社の営業マンの仕事って、「人が足りないから急遽人を求めてる企業」と「派遣で働きたい人」をマッチングさせるお仕事なんですよね。で、ビジネスモデル上(ここでは省略)、派遣社員さんがより多く定着すること、辞めないことが売り上げに1番貢献します。
だから派遣会社の営業マンは必死に派遣スタッフさんが辞めないようにフォローするんです。でも、個人個人で悩みが全然違う。だから毎日毎日電話やメールをして「最近どうですか?」っていうことを聞かなきゃならないんです。でもそれってスタッフさんからしたら鬱陶しかったんじゃないかなと思うんです。
そこで例えばですが派遣スタッフの毎日の仕事の報告やその日の気分を登録してくれたらポイントプレゼントするみたいなアプリがあるとします。毎日、たくさんデータを収集できます。データをたくさん集めて分析したら「退職する手前の人のメンタル状況」をAIが予測できるようになるかもしれません。
そしたら、退職相談する手前で派遣会社の営業マンの携帯にアラーム通知されて「この人ちょっと危険です!こういう声かけをすると有効ですよ!」なんて言ってくれる。これが実現できたら本当楽です。そうなると毎日していたフォローの時間を他のことにあてられる。たくさんのスタッフさんをみれるようになるかもしれない。そうしたらその会社での営業1名あたりの売り上げはあがる。
これがアフターデジタルの世界なんですね。

「で、結局この本ってどんなこと言ってるんだっけ?」

要するに「この世の中は、全てがオンラインで繋がっていることが当たり前になるのだよ」。だからそれを前提に「デジタルトランスフォーメーション」に取り組んでね。
その時にはちゃんと「リアルはオンラインにすべて包含されてることを前提に、オンライン戦略を考えなよ」という「OMO」の発想で取り組んでね。
日本企業はまず先入観を捨てて、この世界をちゃんと認めること。お客様に「売り切り」するモデルじゃなくて、「末長くお付き合いをしていく」という発想のビジョンをもってね。だからお客さんがあなたに関わり初めてから終わるまでの「ジャーニー」に沿った組織体制にしたほうがいいよ。日本企業で大号令で変えると、今の部署から文句くるから、まずはスモールスタートして成功事例作ろうよ。その事例をもとに全社に展開していったらどうかな。
まずは既存のお客さんの今の「ジャーニー」に沿って行動データをとって、各接点でのクオリティあげていこう。それができたら、「ジャーニー」のその先を描いていこうよ、ということでした。

感想(2021.04.23)

だらだらと描くから文字数は増えるけど、書くまでの時間はこっちのほうが短かったな。どっちのほうが後から見返したらみやすいのかな。

自分的には自分の言葉で書く今回のパターンの方が、本書に書かれていることを「抽象化」しながら腹落ちさせれた気もしています。

みなさんいかがでしたか?ぼくはこのアフターデジタルの世界になったら、たくさんやれることも増えていくんだろなってワクワクしました。

特にこの本では現在のB2C企業を中心に書かれてました。でもB2B企業でも同じだと思うんです。今コンサル会社で働いてますが、お客様との接点は課題が完全に消滅しない限り(その部署がなくならない限り)はずっと続いていきます。

もっと顧客データをもとに、どんなタイミングで担当者にどんな情報を提供すべきか、を把握できたら営業のあり方は変わるんだろうなって思います。

今の営業ってどうしても「納得させる力、感化する力」が大事になるけど、これからのアフターデジタルの世界の営業は「どれだけデータを活用して良いサービスを提供できるか」という力が必要になるんでしょうね。

とてもおもしろい本でしたので、ぜひ皆さんにも読んでもらいたいです!
日本のアフターデジタルについて語り合いましょう。

それでは!


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