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「音楽と生命」を読み始めて思ったこと

 昔から本は、「見つけた時に買わないと、二度と手に入らない」と思っている。ので、興味を引く本があると買ってしまう。現在のバックログは5冊。まぁ仕方ない。
 東京に行ったときに立ち寄った本屋さんで「音楽と生命」を見つけ、中身を見ずに買ってしまった。著者は、福岡伸一氏と、坂本龍一氏の二人。

 福岡伸一氏は、「動的均衡」を読んだ時に感銘を受け、その後、何冊か読み漁った。科学者なのに、情緒的な表現が上手いし、示唆に富んでいる。もう一人の著者である坂本龍一氏は、♬戦場のメリークリスマス♬の人だ。こちらも、切れ味の鋭いカミソリのような風貌だけど、一途で生真面目、“音”の職人というイメージ。
 本書の序盤に「一回性」という表現が出てきて、ここでストップ。

止まることも、戻ることも出来ない

 「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と記した方丈記。鎌倉時代に“一回性”に気付いた鴨長明さんは、ホントに凄い。

 河の流れだけじゃなく、人生だって、一度キリでやり直しが効かない。
 今、この時も止まる事無く進んでる。戻ることも出来ない。だからといって、この先どうなるかわからない。何だか、何もかも思いどおりにならない。

 だから、失敗を恐れず、思い切って、自分のやりたいようにやればいい。そういう人もいる。
 けど、だからこそ、親や先生、上司等の先達のいう事も聞いて、慎重の上にも慎重に。という人もいる。
 いろいろだ。

 でも、他ならぬ自分の人生。誰に何を聞こうが、何と言われようが、最後は自分で決める。そうすればいい。もちろん、決める権限があるってことは、自分の事は自己責任。
 特に、社長業を担っていた20年は、全ての責任を背負って、あれこれと自分のやりたいように舵取りしてきた。
 それが良かったのかどうか。正解なんてわからない。
 その時は、立ち止まって考える余裕もなかった。今なら、もう少し、うまい具合に出来たかも知れないけど、戻り道はない。

“初めて”には間違えや失敗があっても仕方ない。そのあと、どうするか・・・

 一度しかない人生は、出来れば間違えたくないし、失敗したくない。
 初めての子供が生まれる時、男親は無力だな、と思った。けど、そんな感傷は生まれた時だけ。次の瞬間から、3時間おきにミルクを飲み、おしめのお世話が始まる。働きながらの子育てに、迷ってる暇はない。
 初めて子供を育てる親は、みんな手探りで一生懸命。どの親だって、そんなもの。

 だけど、だから、間違えたり、失敗もある。
 ホントにごめんなさい。申し訳ない。素直に首を垂れるしかない。
 そして、反省する。繰り返すことのないように。

 間違いも失敗も、消えて無くなることはない。
 だからと言って、悩んでいるだけじゃ、何も始まらない。落ち込んでもいいけど、謝罪して、反省して、立ち上がるしかない。子育てに休みなし。

 怒涛のような日々を過ごす。だから、子供を育てた親は、強くなる。
 いや、子育てに限らず、何事であれ、一生懸命頑張ってきた人は、間違いや失敗を乗り越えて突き進む、強さがある。

人生百年時代も目前・・・いろんなことが出来るかも

 江戸時代の平均寿命は40歳前後。その後、社会経済の安定と共に平均寿命が延び、2060年には90歳前後になると言われてる。人生百年時代も、もう間もなくか。

 例えば、3年間、失敗に悩み苦しんだとしても、人生百年時代なら3%。あと2年ほど自由人をやっても人生の5%でしかない。いや、5年もあれば、筋トレして肉体改造して別人になれるかも知れないし、何かの資格試験の合格を目指せるかも知れない。それでも、残りの人生はたっぷりある。

 だったら、試してみれば。自分自身の底力を。
 せめて自分くらい、自分を信じて。

・・・「一回性」から、本を離れ、こんな夢想に走ってしまった。

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