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大人になった発達障害児のトラブル1 スーパーマーケットにて

 休日は、重度障害児の息子(二十代後半)も含め、スーパーに家族で買い出しに出かけます。身体的に問題の無い彼にとっては、一日一度の外出は、気分転換に必須で、台風等の荒天でない限り、1時間から2時間程度の外出、買い物は、恒例になっています。
 買い物中は、私の後を、彼は着かず離れずに付いてきます。多分、逸れてしまうことを心配しているのでしょう。私も彼も身長も普通レベルで、やせ型ではありますが、大人の男が、2人、スーパー内を歩き回りますので、周りは、ちょっと迷惑かもしれませんが、買い物ですので、点々と動き回ります。
 先日、スーパーで買い物中に、それは起こりました。スーパーの中には、単に買い物目的の人だけではなく、急いで通り抜けたい人や、一点集中の買い物目的の人もいらっしゃり、混雑している場合は、結構騒然とするものです。私が、陳列棚から商品を一点取り出し、家内の買い物籠にそれを入れるために一歩動いた所、後ろを足早に通り過ぎようとする茶色の影がちらっと見えました。次の瞬間、後ろで、70歳代位のおじさんが転んでいました。それは、バッタリと見事に転んでしまいました。とっさに、彼とぶつかったのだと悟りました。「大丈夫ですか?」と声を掛け起こしまた。もう一人、起こすのを助けてくれた方がいらっしゃいました。一時期、スーパーの一角が騒然となりました。立ち上がったその方は、「足を引っかけられた。」と私に言ってきたので、一瞬凍り付きそうになりましたが、私はとっさに、「知恵遅れなもので、済みません。」と一言、お答えするしかありませんでした。多分、その方が、足を引っかけられたと感じたのは、単に、彼が私を追って一歩踏み出しただけであることが分かっていましたので。これは、大事になってもおかしくない状況でしたが、怪我も無い様で、また、「知恵遅れ」で納得していただいたようで、幸運にも何とか収まりを付けることが出来ました。当然、彼を傷害保険に加入させ、最悪の事態には備えておりますが、利用することが無い方が良い分けです。
 保護者の安全配慮義務を問われる様な状況であった分けで、本当にドキッとしました。転ばれた方にお怪我が無かった様で良かったのですが、心配は残ります。その後は、そそくさと店を出て、家内の買い物が終わるまで、店の前のベンチで、彼と二人で静かに座っていました。彼と出掛ける時には、それなりの安全配慮は行っているつもりですが、体格も同じくらいのおじさん二人が、手を繋いで行動する分けにも行かず、ある程度の自由度を許しながらの社会行動で、トラブルを完全に排除出来ることは出来ないということです。日々の二人の散歩でも、彼は、時々立ち止まり、道路の周辺を観察したりしていますし、車道の方にふらふらを出て行ってしまうこともありますし、安全配慮のために常に気を回し、大声で指示も出しています。人の少ない路上では大声も出すことは出来ますが、店の中ではそうも行きません。今後のスーパーでの行動をどうするのかが考えどころです。

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