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でき太くん三澤のひとりごと その51
投稿 その51
今回は「劣等感」について。
劣等感は、私たちの生き方、物事の感じ方、捉え方、能力伸長、自主性、積極性など、様々なものに影響を与えていると思います。
学習面に限ってコメントすると、劣等感が強くあるお子さんは、学習したことを忘れるのがとても早いです。
おそらく経験のない方はこの早さにびっくりすると思います。
私もこの仕事を始めたばかりのころは、その早さに驚いたものです。
火曜日の授業で「わかった!」と言ったことを、金曜日の授業では「えーと。。。どうだったけ?」と言います。
このとき「この前教えたばかりですよね?」とか、「何度教えたらわかるのかな」と言ったら、もう完全に火曜日のことは記憶から蘇ってくることはありません。子どもは完全に思考停止となり、さらに劣等感を強めていくという悪循環を作ることになります。
当時の私も言葉にはしませんでしたが、「え? なんで? 2日しかあいてないよね」と心の中で思ったものです。
今は、心に思ったことも子どもに伝わるということがわかっていますので、「え? なんで? 2日しかあいてないよね」という気持ちすら心には浮かばなくなって、「必ずこの子もできるようになる!忘れたならくり返し復習すればいい」という気持ちで対応しています。
今回私が何を言いたいのかといいますと、劣等感の影響力の強さについてです。
火曜日に学習したことを金曜日には忘れてしまう。
お子さんによっては、今日わかったと思ったことを、つぎの日には忘れてしまうということもあります。
何も指導経験のない人がこの状況になったら、何か学習障害でもあるのではないかと考えてしまうほどの影響力です。
私は、そのことだけで学習障害があるとか、能力的に問題があると判断するのは良くないと思っています。
なぜなら私は、その劣等感を克服してびっくりするほど学習ができるようになっていくお子さんをたくさん見てきているからです。
劣等感を克服して学習がどんどんできるようになっていくということは、その子は学習障害でも、能力的に問題があるわけでもなく、ただ劣等感の影響で「学習ができない子」になっていただけで、もともと「できる子」になれるお子さんだったということです。
本来「できる子」になれるはずのお子さんを、早まった判断で学習障害があるとか、能力的に問題があると決めつけてしまうと、さらに劣等感を深め、克服できないようなレベルまで追い込んでしまうかもしれません。こういう誤った判断だけは避けなければいません。
さて私が劣等感が強くあるお子さんを担当させていただくときには、成功体験をするための準備をします。
劣等感を克服する特効薬は成功体験だからです。
たとえば、3年生の内容に取りこぼしがあって劣等感があるお子さんには、その子が小学4年生になったときの「面積」の授業で成功体験できるように1年以上前から準備をすることがあります。
面積は、クラスでも多くの子が「わからない」という単元で、複雑な形をした面積計算ができる子は少ないものです。
そこで「できる!わかる!」という成功体験をさせるのです。
学校の先生に「すごいぞ、これができたのは、クラスで君だけだね!」といって褒められることは、子どもにとっては本当にうれしいものです。劣等感があるお子さんであれば尚更です。
成功体験はできるだけ多いほうがよいです。
連続的に成功体験をすることによって、いつもダメだった自分が「できる自分」という自己イメージに変わります。
そうすると、これまでのことが嘘のようにできるようになっていきます。
劣等感を克服して、自己イメージが変わるだけで、すぐに忘れていた知識が簡単に定着していくようになります。
自己イメージが変わるだけ、劣等感が克服されるだけでこんなに人が変わるものなのか。
私はそういう事例をたくさん見てきました。
私たちの能力って、何なのでしょう。
ちょっとした自己イメージの違いで、これほどまでに結果が変わる。
私たちが「でき太くん」のプリントに、必ず「できる、できる、きっとできる!」と印字しているのは、でき太に関わるすべての子に肯定的な自己イメージを持ってほしいためでもあります。
おうちの方にも、ぜひお子さんを「できる、できる、きっとできる!」という気持ちで見守っていっていただだければと思っています。
追記:もうすぐ夏休みになります。夏休みは、少し時間を作って、お子さんの算数の状況を確認してみてください。
宿題がスラスラできているか。
わからない問題の量が多くないか。
なぜこのようなことをお願いするのかといいますと、今の学校の評価基準だと、お子さんの算数の状況が正確に把握しづらくなっているように感じるためです。
このところ小学5年生くらいになってから当クラブに入会される方が増えていて、「なんでこんな状況になるまで学校で気づかなかったのか。。。もう少し早く気づいてもらえれば。。。」というような、「取りこぼし」(※)が多いお子さんが増えています。
(※)取りこぼし
理解できていない単元。未定着度の単元。
5年生くらいになってから増えてくるのは、おそらく「取りこぼし」が飽和状態となって、親御さんにもはっきりわかるほど「取りこぼし」が表面化してくるからだと思います。
5年生からでも挽回できますが、早い段階でわかれば、算数に対して苦手意識を持たずに済むようになります。
通塾せず、一般的な通信教材、タブレット等を使用しているご家庭では、必ず長期休みのときにお子さんの算数の状況をチェックしてみるようにしましょう。
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