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でき太くん三澤のひとりごと その72

先だって中学からずっと不登校だった方と対談させていただくことができました。

その方は今は30代で家庭を持ち、ご自分で起業されています。

その対談の際に、その方が言っていたことでとても印象に残っていることがあります。

それは、

「今、自分の不登校だったときを振り返ってみると、私の家庭は過剰なまでに私の身の回りのことをしてくれていました」

というものです。

食事の準備、後片付け。
洗濯、掃除。
学校の先生とのやり取り。

すべて親御さんがしてくれていたそうです。

午前中だけちょっと登校して疲れたときなどは、何も言わなくても「リポビタンD」を出してくれたそうです。


そのとき、その方がどのような自己像を描いていたのかを聞いてみると、「自分は全くダメな存在」とイメージしていたそうです。

みんなが学校でできていることが自分はできない。

みんなが自然に、当たり前にできることも、自分にはできない。

自分は本当にダメダメな存在だ。

そのようにイメージしていたそうです。


私は、子どもが自己肯定感を向上させて、自分という存在に自信が持てるようになるには、勉強面での成功体験だけでなく、生活面での自立や成功体験もとても重要だと考えています。

歯を自分で磨くこと。
自分で朝起きること。
自分で自分の朝食を作ってみること。
洗濯物を自分でたたんでみること。
野外で自分で火を起こしてみること。


生活面のことは上記以外にもたくさんあるかと思いますが、そういったことが少しずつ自分でできるようになっていくことが、私たち大人が想像する以上に子どもにとっては大きな自信につながっていくように思うのです。

今回対談させていただいた方は、学生のときにその経験がかなり少なかった。

ご両親がいなければ、何も成り立たない。

そして、「みんなが当たり前に、普通にできることもできない」という自己否定をどんどんするようになっていったのです。


私は今、自分が担当している地元の中学生を中心に「薪割り体験クラス」を設けています。私がチェーンソーで切った木を、中学生が機材を使い、自分で薪を作るのです。

勉強とは全く関係のないことですが、参加する中学生はいつも「楽しかった!」と言ってくれます。

自分で暖房に使う薪を作ることができたという達成感を味わうことができているようです。

薪割り体験クラスに参加しているお子さんの勉強面に対するモチベーションは、確実に上がっているように見えます。

今年は、子どもたちと作った薪で、おでんを作ってみてもよいかなと考えています。

自分で作った薪で、自分で作ったおでんは、きっとおいしいでしょうし、何より自信につながっていくはずです。

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