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シリーズ「パラグライダーで墜落。そして入院」

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パラグライダーの大会でまさかの墜落。硬い地面に叩きつけられながらも数々の奇跡でなんとか生きのびる。手術や治療のことから心の動きまで様々なことを時系列で語っています。
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#墜落

免荷が外れてフル荷重へ ここまで歩けるように!~第33話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と7日が経った日のことです。 ついに免荷重がなくなる日がやってきました。 パラグライダーの墜落で腰、骨盤、左の踵を酷く骨折してしまいました。左の踵は免荷重といって荷重制限がありました。 ↑に詳しく書いておりますが、左足の免荷重は2ヶ月かけて段階的に解除されていきます。そして墜落から2ヶ月と7日がたったこの日、完全に体重をかけられるようになりました。 リハビリの観点からみても、この日は大きな意味があります。 全体重をかけていいということは、普通に歩くこと

パラグライダーで墜落。そして入院。その29 ~I am photographer~

墜落して1ヶ月と25日程経った頃のお話です。 墜落して2ヶ月後の月末が提出期限のフォトコンテストがありました。もともと出そうと思っていたコンテストでした。 2つの作品をだそうと思っていたのですが、墜落したことで計画がくずれてしまいました。追加で何かを撮ることはもう物理的には不可能です。ですが、病室でパソコン作業をすることはできる。 「今できることをやろう。今の体ではできる範囲は狭いけれど、できるベストを尽くそう。」 そう決めました。 言うのは簡単ですが、パソコンでフ

S心のモヤモヤゲージが溜まっていく問題 ~第21話 パラグライダーで墜落 そして入院~

<リハビリをする日々> 墜落して1ヶ月と11日。 自分がどんな精神状態であろうと、一日3回、リハビリは必ずあります。 私自身。精神的に乱れていても、気持ちの部分とリハビリの事は上手く切り離してしっかり取り組む事ができていました。 完全復帰したいという俺の気持ちに合わせてくれて、すごくハードなリハビリメニューを担当療法士さんがやってくれているお話はしたと思います。理学療法士のKさん、作業療法士のTさん、どちらも本当にすばらしい。 <治療とリハビリへの心構え> ちょっと

パラグライダーで墜落。そして入院。その20 ~悲しいお知らせ~

墜落してから1ヶ月と10日ほど経った頃のお話です。 前回、左足が1/3荷重になった次の日に今後の人生計画に大きな影響のあることを知ることになりました。。。。 <知ることになった経緯> 実は石川の病院に入院していた頃、担当医の方がA4用紙に自分の怪我についての情報をまとめた紙をくれていました。 そこには ・怪我の名前と、どういう怪我なのかの解説 ・どういう手術をしたかの解説 ・今後の治療の計画 ・「こういう後遺症が出る可能性があります」といった解説 ・「こういう動きはあま

パラグライダーで墜落。そして入院。その19 ~1/3荷重と、この頃の心の状態~

墜落してから1ヶ月と10日ほど経った頃のお話です。 左足の免荷重がはずれました。体重の1/3の荷重をかけられるようになりました! <免荷重とは?> 免荷重とはざっくりいうと、「骨がちゃんとくっつくまでは、体重をかけないでね。負荷をかけちゃだめだよ」というものです。 ↑「シリーズその4」で詳しく書いてありますが、墜落したときの衝撃で左の踵は酷い粉砕骨折をしています。手術で金属のプレートとスクリューで固定されていますが、骨がくっつくまではかなり時間がかかります。なので骨

墜落の全容 後編 -重なった奇跡、故に苦しむ心- ~第17話 パラグライダーで墜落 そして入院~

前回は事故で墜落する瞬間までのお話をしていきました。 今回は墜落した瞬間から、その後までの話とそれに対する心の動きのお話をしていきます。 <はじめに> 前回の投稿で事故の時、自分が致命的なミスをしていない事がわかりました。大きなミスをしていないことから、はじめて「生きていてよかった。。。」と事故後はじめて思うことができました。救われました。 しかし、救われた一方で、生きていたということが段々と私の心を苦しめることになっていきます。 その理由は事故時にありえないほど奇跡

墜落の全容 前編 -事故の詳細について- ~第16話 パラグライダーで墜落。そして入院。

今回は墜落の詳細のお話をしていきます。 <事故の詳細がわかっていない頃> 墜落してから1ヶ月と一週間ほどの頃のお話です。 実はこの頃までは墜落に関してはざっくりとした情報しか把握していませんでした。 把握していた情報は大きく分けて2つでした。 ・現場にいた人から聞いた情報 ・たまたま近くを飛んでいた人の360度カメラの映像に小さく映っていた墜落の様子 なので、 高度30mくらいで翼が大きく潰れて制御不能になって落ちた くらいのことはわかっていましたが、それ以外の細かい

パラグライダーで墜落。そして入院。その13 ~墜落して1ヶ月。思いや考えを綴ります~

パラグライダーで墜落してから丁度、1ヶ月と1日が経った日の話です。 墜落して1月が経ち、手術も無事終わり、いろんなことを考える余裕がでてきていました。誕生日ということもあり、自分の思いを綴った投稿をSNSにあげています。その時の投稿をご紹介します。かなり長くなりますが、よかったら読んでください。 ~~~~~~~~~~~ <はじめに> 今日は37歳の誕生日です。 そしてパラグライダーで墜落してから丁度、1ヶ月と1日が経ちました。 まさかこんな誕生日の迎え方をするとは想像も

パラグライダーで墜落。そして入院。その12 ~久しぶりにみた空、揺れ動く心~

墜落して27日くらい。腰の本手術をした3日後の話です。 この日のリハビリではベッドでの離床。そしてそこから更に車椅子に乗ることに挑戦しました。 手術をしてまだ3日しかたっていないので、車椅子に乗る時に術創のある左脇腹がかなり痛いのは当然です。また筋力がかなり低下しているのでお尻や太ももなど、座っている時に体重が乗る場所も柔らかいベッドに座っている時点で痛いです。そしてもう一つ、ベッドから車椅子への移動を難しく重要な要素がありました。それは 「左足の免荷重」 これは粉砕

パラグライダーで墜落。そして入院。その11 ~寝たきりの代償~

墜落して26日くらい。腰の本手術をした2日後の話です。 自分用のコルセットが届きました。手術した腰の骨を守るためのものです。腰を曲げたり、ひねったりする動きがNGなので、そういった動きに制限をかけています。なのでおへその下から胸まであるがっしりとしたコルセットです。 さて、腰の本手術から2日経った日で、まだまだ術創が痛みます。動いていなければそんなに痛くないですが、左の横腹に力がかかる動きをするとかなり痛くなります。 そんな状態でもリハビリは再開されます。当然、術創が痛

パラグライダーで墜落。そして入院。その10 ~入院生活のコツ2、おすすめアイテムの紹介~

前回に続き入院生活コツについてのお話です。 入院生活でおきる様々な問題や悩み。解決するには基本的に自分から動いていくしかない。具体的には 1)看護師さんにしっかり主張、相談をする。 2)道具を用意するなど、工夫をして解決していく。 この2つが主な解決方法となります。 前回に続き、今回は2)「道具を用意するなど、工夫をして解決していく」の話をしていきます。実際の入院生活からみえてきた俺的おすすめアイテム特集です! では紹介していきましょう! ~暑さ問題への対策アイテム~ 自

パラグライダーで墜落。そして入院。その9 ~入院生活のコツ1、きちんと相談を~

墜落して26日くらい。腰の本手術をした後の話です。 手術は無事に成功したものの、術後はあまりの激痛に悶え苦しみました。 痛みで一睡もできずに迎えた翌日。なんとか我慢できるくらいにまで痛みは落ち着きましたが、それは動かなければの話。そんな体でCTを撮ったりしなければいけなかったので、ベッドからCTの台などに移動したりと体を動かして横腹に力が少しでも入る度に痛みが走るので本当につらかったです。 それでも傷は治っていくもの。時間の経過とともに痛みはひいていくもの。段々と楽になっ

パラグライダーで墜落。そして入院。その8 ~腰の本手術~

墜落してから23日経った日の話です。ついに腰の本手術の日になりました。 正直に申し上げますと、俺は、、、とても緊張していました。 怪我をしてから3回目の手術となり、最も重要なものになります。この手術の結果次第で、どれだけ運動機能を回復できるのか、どれだけ後遺症が残るのかが決まるからです。 まず運動機能回復に関してはカメラマンとして、そしてパラグライダーパイロットとしてまた復帰できるのかに直結します。 次に後遺症に関してですが、入院直後から粉砕骨折した骨が神経を圧迫している

パラグライダーで墜落。そして入院。その7 ~リハビリと強い意志~

墜落してから15日~20日あたりの頃の話です。 骨盤と左踵の本手術が終わって3日くらい経った頃、いよいよリハビリがスタートしました。とは言っても、まだ腰の方は本手術が終わっていないので、軽いものとなります。両足ともある程度は動かすことはできますが、動かせる範囲も限定的ですし、力も入りづらいくらいのレベルです。主な内容は寝ているベッドの上でマッサージと補助を付けてもらいながら10回、20回動かす程度の筋トレのメニューでした。 自分の病院では患者一人に対して理学療法士と作業療法