記憶と記録、語り継がれる沖縄ヒストリーの1ページ。受け継ぐ人たちの覚悟とは。
エメラルドグリーンのジャケット、ピンクのスカーフ、薔薇の柄のブラウス、指輪は大粒のターコイズ…。父方の祖母は、鮮やかな色の服飾品がよく似合った。「おばあちゃんはフィリピンで生まれ育ったからね。好みの服もどこか外国の雰囲気があって素敵だね」と母は、祖母のお洒落をよく褒めた。身に纏う衣服の明るいイメージの通り、祖母にとって16歳まで育った故郷フィリピン・ミンダナオ島ダバオでの暮らしは、「幸せ」そのものだった。
外国に憧れを持つようになった10代の頃の私に、祖母は嬉しそうに当時の