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奄美大島における新型コロナウイルスの感染者発生と、GW中の格安航空会社Peach Aviation(ピーチ・アビエーション)の就航について。

前回、次は楽しい話題でお会いできますように! と書いたのですが、全く楽しい話題じゃないけど書かなきゃいけない事態に、今、奄美大島がなっています。

文章を読むということはその人個人の自由であり選択だから、あまり拡散希望と言う言葉は使いたくない。

けれど、この件は、本当にたくさんの人に知っていただきたいです。

前回の記事はこちらです。

奄美大島における新型コロナウイルスの感染者発生と、離島のコロナにまつわる現状について。

この記事を公開したあと、奄美5市町村が県に要望書を提出しました。

奄美新聞(2020年4月22日)
新型コロナ対策で県に要望書
http://amamishimbun.co.jp/2020/04/22/24385/

〝水際対策では現在、奄美空港で実施しているサーモグラフィー検査を離島航路の玄関口である名瀬港と古仁屋漁港(古仁屋港)でも実施するよう要望。医療体制の確保については、「感染症が発生した場合、通常の医療受診などに影響を及ぼさないよう、医療機関の連携態勢の構築」なども要請している。〟

また、島内での水際対策も強化されています。

奄美新聞(2020年4月20日)
初の感染受け水際対策強化
http://amamishimbun.co.jp/2020/04/21/24371/

〝同空港では県が、3月23日から体の表面温度を測るサーモグラフィーを設置、発熱などの症状のある搭乗客に、保健所などへの連絡をお願いするチラシを配布している。5市町村は、こうした取り組みをより強化しようと、独自に職員を配置、来島者全員に啓発チラシを配布することにした。
アンケートは、県のサーモグラフィー検査で37・5度以上の体温が検知された人を対象に協力を求める。居住地(都道府県)や来島理由、滞在日程、滞在先(市町村)などを任意で記入してもらう。市健康増進課は「アンケートは強制ではなく、あくまで協力を求めるもの。本人の了承が得られれば、滞在先の自治体の保健師が健康確認のための連絡を入れる」という。

そして、鹿児島県庁のサイトでは、緊急暫定版トップページで、県知事からのメッセージを出しています。

鹿児島県庁 緊急暫定版トップページ
https://www.pref.kagoshima.jp/

〝・県民の皆さまに強くお願いいたします。ふるさと鹿児島を守ってください。県民の命を守ってください。1人の行動が,自分だけはという行動が,多くの感染者を生むことに繋がっていきます。みんなで守らなければこのふるさと鹿児島を守ることはできません。不要不急の帰省や旅行は控えてください。県外に移動することは絶対にやめてください。

・県外の皆さまへのお願いです。鹿児島県への旅行は控えてください。特に,離島への旅行は絶対に控えてください。緊急事態宣言が発出されております。ゴールデンウィークが一つの重要な時期と言われております。鹿児島県の感染拡大の防止は,ゴールデンウィーク中の行動にかかっています。一人一人の行動が,この鹿児島の感染拡大の防止の鍵を握っております。〟

と、このように、鹿児島県及び奄美5市町村は、離島への旅行を控えるように呼びかけていますが、4月21日、まさかの事態になりました。

奄美大島に成田空港・関西空港から就航している格安航空会社(LCC)、Peach Aviation(ピーチ・アビエーション)が、5/1~5/6のゴールデンウィークだけ、運航するという発表をしたのです。

Peach Aviation(ピーチア・ビエーション)プレスリリース

https://www.flypeach.com/news/suspension

Peach Aviation(ピーチアビエーション)※以下、ピーチと略します※ は、奄美大島にJAL、スカイマークなどと並んで就航している会社です。前身のバニラエアの時から数えると、奄美の就航スタートから3年目。

それまで、島への航空券代は、年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期には安くて一人5万円ほどで、気軽に行ける金額ではありませんでした。
ですので、ピーチの就航は観光客のみならず、本土在住の島出身者にも恩恵をもたらしました。

しかし、今回のゴールデンウィーク、5/1~5/6までのみ、運航をするという発表には島民一同、耳を疑ったと思います。

前回の記事にも書いたように、離島は医療リソースが貧弱なことから、本土からお医者様に定期的に来ていただいている場所もあります。また、島内の病院では治療ができない病気の場合は、鹿児島などの病院に通わなければならない方がいます。
しかし、そういった方はあまりLCCには乗りません。機材繰りの問題などで就航が不安定だからです。

つまり、ピーチに乗っているのはほぼ観光客です。

既にピーチは、4/10~4/30まで運休しています。そして、5/7~5/31までの運休も発表しています。

地元紙などでは、「医療物資の輸送ややむおえず移動する方を運ぶ」というコメントが出ていましたが、

んじゃ、なんでゴールデンウィークだけ運航するの???? 

って感じです。

島にとって必要な医療関係者、必要急務なインフラ整備などでいらっしゃる方は仕事なんだから、ゴールデンウィークより前か後に移動するのが普通かと。

正直に言って、

「今、海外運航できないから経営もやばいし、観光したいっていうやつまだいるし、とりあえず離島便飛ばしちゃお!」

ってこと???

と思わざるを得ません。

ちなみに、ピーチ、石垣島も同様の日程で運航予定です。

琉球新報(2020年4月22日)
石垣、竹富「絶対に」来島しないで 観光客への訴え強める
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1111043.html

 〝中山市長は、現状でも全国の観光地で域外から人が多く訪れる事例があると指摘。市内でも観光客が散見されるとして、大型連休に多くの観光客が来島する可能性があると指摘した。 その上で「ウイルスが持ち込まれた場合、これまでの取り組みが水の泡になる。現状では積極的なおもてなしはできず、逆に島民から敬遠されて不快な思いをするかもしれない」と訴えた。島出身者にも帰省しないよう強く求めた。〟

沖縄タイムス(2020年4月22日)
石垣島の観光名所11カ所を閉鎖 いまだ訪れる観光客、市長「これしかないという思いだ」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/562942

〝中山市長は「いまなお観光客が訪れている事実がある」と指摘。5月の大型連休を控え「飛行機を止めることはできないが、行政で可能な対策として先手を打った。これしかないという思いだ」と危機感をあらわにした。〟

石垣市長も必死ですよ……。

もちろん、鹿児島県も奄美5市町村も必死です。

空港や港で検温及び来島者チェックをする役場職員は、現状、一番感染の危険にさらされています。

本当はご本人もそんなことやりたくないだろうし、そのご身内の方も行かせたくないでしょう。

けれど、やるしかないんです。島の感染拡大を防ぐためには。

ていうか、本当に本当に本当に!!!!!

Peach Aviation(ピーチ・アビエーション)、ゴールデンウィーク中の就航を撤回してください。

今だに予約している人はキャンセルしてください。

この前も書いたけど、見知った人がバタバタ死んでいくところなんて見たくないんです。本当に。

ついに私の住む集落では、島民が日々利用する、生活必需品の日用品を売る商店が店を閉めました。

島に向かうフェリーの中で観光客らしき人がいて、注意をしたら「それでも行く」と言われた。いつ、そういう人が店に入ってくるかわからないし、自分は持病もある。だから、島の皆さんには申し訳ないけれど、しばらく店を閉める、と。

前回、書いた記事にシェアした署名は、奄美市及び奄美5市町村宛てになっていましたが、既に奄美5市町村は最大限の観光自粛要請を出しています。「来るな」って全力で言っているんですよ。でも、この状態。

あとは、もう県と国とピーチに訴えるしかないです。

Peach Aviation(ピーチアビエーション) 問い合わせ先
https://corporate.flypeach.com/contact/

ピーチの親会社、ANAホールディングスの問い合わせ先
https://www.ana.co.jp/ja/jp/site-help/share/feedback/

国土交通省 航空関係 問い合わせ先
https://www1.mlit.go.jp:8088/hotline/cgi-bin/u_hotline12991.cgi

鹿児島県庁 問い合わせ先
https://www.pref.kagoshima.jp/aa02/otoiawase.html


先日の記事に書いた、Change.orgの

奄美大島への観光ストップ!!島を守りたい!!

こちらの署名にももちろんご協力はいただきたいけど、共感していただけるなら署名をするだけじゃなく、自分自身の手でアクションを起こしてほしいです。

5/1まで、あと1週間もない。
署名を集めて、提出してだとどうしても時間がかかる。
本当に間に合わない。

つーか、ピーチ、奄美と石垣だけじゃなく、釧路、長崎、福岡、宮崎、那覇も運航するそうですよーーーーどこも観光地ー!!!!

すいません、取り乱してしまいました。

本当は、私も誰かを名指しで非難なんかしたくありません。島には、ピーチに多大な恩恵を受けている事業者も数多くいます。私も、LCCの金額だからこそ、気軽に友達が島に来てくれるようになって嬉しかった。

この時期を乗り越えて、ピーチには路線存続してほしいし、そうしたらいくらでも応援する。

でも、このゴールデンウィークの間の就航はやめて欲しいのよ。本当に。

この件に関して取り上げて下さるメディアも心から募集しています。

島内関係者のコメント取りや取材コーディネイトなど、普段はもちろんお金をいただくけど、この件ではもちろん無料でやります。

ああ、早く楽しい話題でお会いしたいのよ!(心の叫び)

本当に、次こそは楽しい話題でお会いできますように!

※2020年4月24日追記

Change.orgでは以下の署名も立ち上がりました。

LCC航空会社の奄美大島便の運行再開を延長してほしい

しかし、時間がないことから署名だけでなく、ひとりひとりのアクションが必要だと思われます。皆さま、行動していただけたら幸いです。

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私がピーチに送ったメール、一部抜粋しますね。

皆さまのそれぞれの言葉で、ピーチ、県、国土交通省に気持ちを伝えていただけたら嬉しいなと思います。

※以下、抜粋※

このように島民が悲鳴を上げている中、ゴールデンウィークだけの就航を決めたということは、

御社が掲げる5つの約束
https://corporate.flypeach.com/five-promises/

・安全を最優先
・国籍や文化を超えた思いやり

この二つに完全に相反する行為です。

観光客だけではなく、島在住者も御社の就航により、恩恵を今まで受けてきました。
格安の航空券で島出身者も帰省がしやすくなったため、御社の便で島を気軽に訪れるようになり、結果、帰島した方もいらっしゃいます。

けれど、今は、観光客の増加よりも、島内での感染をこれ以上増やさないことを島民一同望んでおります。

はっきり言ってこのゴールデンウィークの就航は、
今までの奄美大島と御社の関係がすべて瓦解するような、愚行です。

どうか、この就航を考えなおしてください。

このままだと騒ぎがさらに拡大することが予想されます。

御社の賢明な判断を、心より期待しています。

※2020年4月24日追記※

https://www.flypeach.com/news/suspension

ピーチがゴールデンウィーク中の奄美便の運航を撤回してくれました。

賢明なご判断に感謝します。

そして記事を見てくださった皆様、ありがとうございます。

今日はちょっとお酒を飲みたい気持ちなので、また近々記事をまとめます。

本当にシェアしてくださってありがとう!

作家/『ILAND identity』プロデューサー。2013年より奄美群島・加計呂麻島に在住。著書に『ろくでなし6TEEN』(小学館)、『腹黒い11人の女』(yours-store)。Web小説『こうげ帖』、『海の上に浮かぶ森のような島は』。