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三谷 晶子
2022年6月2日 19:06
夜が、狂乱の内に終わった。美春はその事を見知らぬ部屋のベッドの上、隣に見える骨ばった肩と、周囲に散乱する洋服を見て確認した。昨晩の記憶はある。自分の行動は覚えている。しかし、今ここに至るまでの自分の感情の経緯は今や全く掴めなかった。美春は首を捻りながら、横に眠る男の顔を眺め、昨夜の記憶を辿り出す。 私、昨日、何したんだっけ。どうしたんだっけ。尚子と二人でしつこい男を巻いて吉野家行