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【小説】MIDNIGHT PARADE

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本当はこれで2005年あたりにデビューする筈だった、渋谷のクラブ(踊る方)を舞台にした連作短編風長編小説です。 タイトルは、LOVE TAMBOURINESの名曲『Midnig…
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#忘れられない恋物語

【小説・MIDNIGHT PARADE】[27]MOONLIGHT DANCEHALL

【小説・MIDNIGHT PARADE】[27]MOONLIGHT DANCEHALL

 もうすぐ、朝五時。夜はもう終わり、世間では既に早朝とされる時間だが、その日の『ajito』にいる客達は、誰もがまだ店を出なかった。既に何本目かわからないシャンペンが開けられ、美春はそれを飲みながら踊っていた。心地よく揺れている美春に、一之瀬がまた駆け寄って来た。

「こんなに旅立ちを祝ってもらえて幸せ者だね、一之瀬」
「いや、もう俺の留学とか忘れられてるだろ。単なるパーティと化してるじゃん」

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【小説・MIDNIGHT PARADE】[22]You Gotta Be

【小説・MIDNIGHT PARADE】[22]You Gotta Be

 キャッシャーに座り、入場人数をカウントしているストップウオッチを見た。客足は半年前と比べ、随分と落ちている。それを確認してから、白石は凝り固まった首を左右に振った。

 春に訪れ始めた常連達が、段々とこの店を離れていく季節なのだ。年が変わる頃には客の顔ぶれは一変しているだろう。夜遊びを知り始めた頃は輝かんばかりの目をしていた人々が、夜に巻き起こる事に疲れ、磨り減り、去って行く時期。

 白石は、

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【小説・MIDNIGHT PARADE】[16]Got To Be Real

【小説・MIDNIGHT PARADE】[16]Got To Be Real

 夜が好きで音楽が好きでその中にいる奴等が好きで勤め始めた店だけれども、誰とも話したくないこんな日には、この仕事を選んだ自分を呪いたくなる。白石は、キャッシャーから長蛇の列をなしている客達に、笑顔を振り撒きながらも、心の中で舌打ちをした。

 今日の店の盛況の理由はヨーロッパツアーからつい先日凱旋したDJ、桜澤がプレイするからだ。彼は、白石の十年来の友人である。海外を忙しく飛びまわる桜澤との久しぶ

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