新宿駅が越えられなくなった話(後編)
前編を読んでいただいた方。本当にありがとうございます。後編はいよいよ、自らの限界点・身の程・愚かさ、を理解します。
と、いいつつテンションは一緒です。読みたくなかったらすぐに決してしまってください。
さて、
前回までのあらすじ
「僕は見た目ながらに詰んでいる」ことに先輩のおかげで気づくチャンスを愚かにも無視し、自分の無い可能性に期待しておりました。
そして、ついに事件が起きます。
と言ってもミニマムに。
現場に向かう始発の電車の中で急に視界が見えなくなり、倒れました。
救急搬送されました。原因は貧血ということになりましたが、いまだに何が原因なのかはわかりません。ですが、気がつくと三鷹の病院のベッドに寝ていました。
そして、数時間後。弟が迎えに来るというなんとも情けない形で退院しました。入院費や救急車のお金も持ち合わせから出せず母に借りました。
もしかしたら、精神的な要因かもと思い。(過去に書いたようにADHDではあると診断されていたので)引っ越してから初めて近所の精神科へ。
つつじヶ丘メンタルクリニック
お待たせいたしました。ついに、僕が僕を理解する日がやってきました。長い長い前説、失礼いたしました。いよいよです。
診察が始まり、倒れた日の状況。映画監督をしていること。制作会社でのいまの自分の状況。を伝えました。そこから、先生はため息を一つ。
「よくあなたくらいの人多いですよ、ADHDって言ってくれーって人。あんたもその口ですか?」
困惑しました。が、「あれ?もしかして、治ってる?」という期待も生まれました。しかし、先生の二言目で全てが解決します。
「だいたいね、そんなんで映画作れるわけないと思うんですよね〜できてるってことは普段あんたサボってるんですよ。全く傲慢ですよ」
ちーん。10-0でサッカーに負けた気がしました。そう。僕こそは傲慢が故にADHDを精神科医にでっち上げさせ、その上で身に余る映画監督なんて大それたことを志し、挙句体が拒否反応が起きたという錯覚まで無意識で起こしていたようだ。
傲慢
もちろん、23年間傲慢に生きてきた愚かな僕は受け入れられず言い返してしまった。そして、重ねて愚かにも心配してくれた母に報告。母の存在に感謝する多くのポイントの一つがまたできました。
「そうだね、アンタたしかに傲慢だよ。全部私に嘘ついてたんだね」
最初に僕は精神的に欠陥があるかもと、心療内科を紹介してくれた人からまさかの「私を騙しやがって」と。以降、不安定になっても起きれない日々が続いても処方箋(コンサータやストラテラなど)を服用を一切禁じられ、僕も信じて全てを断ちました。
何も問題ないならそれに越したことはない。
本気で思ってます。
それから、ぶっ倒れたことで現場に多大な迷惑をかけたので撮影参加者たちの社員さん方の席を回って『僕の体調管理が至らないばかりにご迷惑をおかけしました』たぶん、隣の部署とかの人が笑ったり指差してたので、反省分の恥ずかしさはあったかと思います。
そして、二ヶ月後の昨日。
僕は連日、起きて着替えてトイレに行くと。上からも下からも流れが止まらず、頭痛があり。トイレで
「8時間耐えたら、映画見に行こう...」
と唱えてやっと出勤していましたが、ラスト三日間はとうとう京王線の終点の駅のトイレからでられなくなってしまい飛んでしましました。
新宿駅がこえられなくなって、
こうして、会社にたどり着けなくなって僕は晴れて愚か者から救いようのないクズにジョブチェンジいたしました。
週明けから仕事もやることも決まっていません。
貯金もありません。
傲慢な人間なのでせめて死にたいなんて思うのですが、なかなかそれも許してはもらえません。なんなら「こんなこと書いてかまってちゃんかよ」とかよく言われます。
明日は何しよう。
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