ミッションとビジョンでスタッフと顧客を惹きつける方法
こんにちは。小規模サロン経営塾の大塚明恵です。
サロン経営において、ミッションとビジョンは単なる飾り文句ではありません。それは、スタッフの心を一つにし、お客様との絆を深める重要な羅針盤となります。今回は、実践的なミッション・ビジョンの活用方法についてお話ししていきます。
ミッション・ビジョンの原点を探る
多くのサロンオーナーが「明確なミッションやビジョンがない」と悩んでいます。しかし、その答えは意外と身近なところにあるものです。まずは、自分自身に問いかけてみましょう。「なぜこのサロンを始めたのか?」「誰のために、何を提供したいのか?」
例えば、私の場合は「諦めている人」をターゲットにしています。「ママだから」「年齢的に」「肌質や体質的に」といった理由で美容を諦めている方々に、「こんなに簡単にできるんだ」「諦めなくていいんだ」と気づいていただくことを目指しています。
どのサロンにも得意分野や支援したい対象が存在します。そこに立ち返ることで、本来のミッション・ビジョンが見えてくるでしょう。ミッションは存在意義や在り方を、ビジョンはその先の未来を表すものと考えると分かりやすいです。
浸透させるための具体的なアプローチ
ただミッション・ビジョンが浸透しない最大の理由は、実は経営者自身にあります。経営者が十分に語れないものを、スタッフがお客様に伝えることはできません。まずは経営者自身が、情熱を持って語れるものにすることが重要です。さらに、伝えるだけでなく、サロン全体で体現することが必要です。顧客やスタッフがその姿勢を見て初めて共感が生まれるからです。
さらに重要なのは、ミッションとビジョンを評価制度に組み込むことです。私達のサロンでは、チームワーク、挑戦、時間の有効活用といった価値観を、具体的な評価項目として設定しています。単なる売上だけでなく、「チームにどれだけ貢献したか」「新しいことにチャレンジしたか」「効率的に業務をこなせたか」といった点を給与に反映させることで、スタッフが自然とミッションやビジョンを体現できる仕組みを導入しています。
採用段階からの価値観の共有
ミッション・ビジョンの浸透は、採用の段階から始まります。面接時にしっかりとミッション・ビジョンを伝え、応募者の価値観との一致を確認することが極めて重要です。なぜなら、価値観が合わないスタッフを採用してしまうと、その後の運営に大きな苦労が生じるからです。働く動機の部分で、サロンのミッション・ビジョンに共感してくれる人を見つけることが、その後の円滑な組織運営につながります。
そう言う私も創業当時はまだトータルビューティーサロン自体が珍しかったこともあり、
美容師、エステティシャン、ネイリストそれぞれの専門スキルを持った人たちが
それぞれの価値観で働くことで、慣れ親しんだ仲間が去ってしまったりサロンがバラバラのなってしまった経験があります。
ではどのように浸透させたらよいでしょうか。
日々の業務への落とし込み
ミッション・ビジョンを絵に描いた餅にしないために、日々の業務の中で意識づける工夫が必要です。私達のサロンでは、朝のミーティングで「今日は会社のこのテーマを大切にして働きましょう」と具体的な目標を共有します。そして終礼では、それが達成できたかどうか、できなかった場合の理由は何かを話し合います。
もし私が不在の場合でも、日報などを通じてこの価値観のずれが生じないよう、常にコミュニケーションを図っています。
定期的な対話の場を設ける
ミッション・ビジョンの共有には、定期的なコミュニケーションの場が欠かせません。多くのサロンでは年に1~2回程度しかそういった機会を設けていませんが、私たちは月に1回はみんなで話し合う時間を確保しています。価値観を共有し、想いを一つにする。そんな機会を意識的に作り出すことがとても重要です。
時代に合わせた進化
ミッションやビジョンは、時代とともに進化させていく必要があります。スタッフがワクワクしないものは、いずれ形骸化してしまいます。経営者自身がワクワクし、さらにスタッフもワクワクするようなミッション・ビジョンを作り上げていくことが大切です。
心に響く言葉を見つける
効果的なミッション・ビジョンを作る上で、参考になるのが好きな会社や経営者の言葉です。大手企業のブランディングムービーなどを見ると、心に響く言葉に出会えることがあります。それは、価値観が近いからこそ感じる共感なのです。
例えば、私たちは「出会いを絆に」というキャッチコピーを掲げています。この言葉によって、一回一回のお客様との出会いを大切な絆に変えていくという方向性が、スタッフ全員に共有されています。このように、シンプルでありながら力強いキャッチコピーが、ミッション・ビジョンを具現化する重要なツールとなるのです。
ミッション・ビジョンは、決して難しいものである必要はありません。大切なのは、経営者の想いが込められ、スタッフの心に響き、そしてお客様に伝わるものであることです。日々の小さな実践を通じて、少しずつでも理想のサロンづくりに近づいていく。そんな前向きな姿勢が、結果として強い組織づくりにつながっていくのです。
ミッション・ビジョンの作り方や現場への浸透、評価制度への紐づけなどにご興味にある方
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