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慣らし保育記録② (真新しい喪服と、新幹線)

4日ぶり、3回目の保育園に送って行ったら、同じ一歳クラスのみんながママーと泣き叫びながら扉に張り付いていて中になかなか入れず。(かわいい)地獄絵図のようだった。

娘はまたすんなりと部屋に入って、私が準備している間にはもうすでに、お気に入りのボールを抱き抱えていた。去り際、目が合う。バイバイ、と手を振って階段を降りる。玄関を出る頃に一際大きな泣き声が加わったのは、あれは、娘の声だった。

祖母の通夜に出るため、ひとり新幹線に乗る。娘が熱を出した次の日から夫が家で仕事をしてくれていたお陰で、ここ数日ひさしぶりに3人で過ごすことができた。(心が随分回復した)

日曜日に出た熱は月曜日の朝には下がっていて、ものすごいかまってちゃんモードだけが残る。家事を放棄。火曜日は保育園だ、と、思っていたが、早朝に火がついたように泣き叫ぶ癇癪を起こした娘の様子が不安で、おやすみした。

慣らし保育、そんな順調にいかないもんなのね。と、思いつつ、気持ちが焦る。

そしてお婆ちゃんのお通夜、お葬式、どうしよう。いま不安定な娘を遠方まで、しかも沢山の人がいるところに連れていくのは、ハードすぎるかもしれない。悩んで、行くのをやめようかとも思ったが、夫がみていてくれると言うのでお願いして、お通夜だけ駆けつける。


ひさしぶりに新幹線に、ひとり。
真新しい喪服を着て乗っている。

お婆ちゃんが亡くなって、淋しいという感情はまだ追いついてなくて「ああ、そうか」とみょうにすこんと腑に落ちすぎている。父はとても不安定で、無理するなと言いつつ、お前の気持ちを大事にしろと何度も念押しされ、つまりはやっぱり私に来て欲しい様子だった。(病み上がりの娘のことが気掛かりな私はそれにモヤっとしてしまったが夫になだめられる、ありがとう)母を亡くしたのだ、当然だ。


兎にも角にも、ふわふわとした気持ちで、2年ぶりくらいにひとりで新幹線に乗っている。

はじめて保育園のお迎えに行った夫は、顔を見た瞬間に泣きそうになる娘に胸がキュッとなったらしい。娘に会ってから出かけよう、と、喪服で玄関で、待つ。帰ってきた娘は、自転車の上で疲れ果てて眠っていた。給食をはじめて食べたからか、しっかりとお着替えが済んでいる。そっと抱き上げて、夫に渡すと、泣き出す。抱きしめる感覚で、私だとわかるらしい。

夫は今夜はじめて、
ひとりで娘をお風呂に入れる。

私はお通夜に参列したら終電で帰る予定。
もしあれならお葬式までいってもいいよと言われるが、仕事だいぶ無理して休んでくれているのがわかるし、着替えも何も持ってきてないし、たぶん、トンボ帰りする、予定。

真新しい喪服。
それに合わせて買った鞄は、いつものと違ってコンパクトで、うまくものが出せない。

20デニールの黒のストッキングは、気をつけたが履く時にぐっと入ってしまった指の跡がどうしたって残ってしまうなあ、と、一部まだらになった脚をみて残念に思う。

父方の親戚一同に会うのは、ひさしぶりで、すこしざわざわとする、こころ。ほんとは娘をみせたかったけどな、仕方ないな。1人は、身軽で、すこし心許ない。もうむすめにあいたい。

#ちあきろく
#育児 #子育て #日記 #コラム #エッセイ


………追記
結局お葬式まで出て、出棺前にするりと帰る。保育園のお迎えに間に合いそう。昨晩はひさしぶりに兄妹3人で飲めて(ひたすら漫画とか映画の話)楽しかったなあ。
お婆ちゃんの棺のお花を入れるときに、そっと額に触れて、やっと、ひんやりと実感した。おじいちゃんが「いいところにいけよ」って大事そうに頭を撫でながらちょっと泣いていて、隣にいた私は、つられてすこし泣いた。ちゃんとお別れができて、よかった。孫全員揃えてよかった。夫も、保育園頑張ってくれている娘も、ありがとう。

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