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大企業と中小企業の広報、ここが違う(3)掲載までの道のりが長い 編

大企業で広報をやっていた人が無名の中小企業に来て苦労するのが「ひとつの掲載までの道のりが長い」ことではないでしょうか。
メディアにコンタクトを取るにしても、まず担当記者探しなんてやってこなかったと思います。
探さなくても向こうから取材の依頼が来ますし、担当が変わったらちゃんと新しいかたが着任のご挨拶にいらっしゃいます。
そうでなくても、契約しているPR会社が都度担当記者の更新をしてくれていますからね。
でも、無名の中小企業はそもそも取材依頼がほとんど来ないので、地道にメディアリレーションを築かなければいけません。
一応メディアリストがあったとしても、いつの情報?本当にそのひとが担当なの?と疑問を持つようなことも。
もし、自社でPR会社と契約していなかったら、また、広告宣伝費フィーがあまりかけられず安いフィーで契約しているためこまめな動きをしてくれなかったら、これからあげることを参考にしてみてください。



1.競合企業の掲載記事を見よう

ネット上での単純なand検索です。
Googleなら企業名+事業+自社製品、サービスのカテゴリーで検索。
また、狙いをつけたメディアで企業名検索。
これでだいたいの目星はつきます。


2.署名記事を探そう

検索して、記事を見つけたら、何という記者が書いているかをチェックします。
署名記事を探すのです。
外部ライターが書いていることも多々ありますが、その場合でも、まずは署名記事と記者名をしっかりリスト化します。
記者の名前がなくても、URLを記録しておきましょう。


3.書いてもらえそうなコラム、連載の傾向を見るためにある程度の量の過去記事を見よう

今はwebを使えばある程度のことはできてしまいます。
でも、新聞、ビジネス誌への連載やコラムへの掲載を狙う場合、webだけでは情報が足りません。どれくらいの規模の企業が取材されているのか、どういう内容か取り上げられているのかなど調べ、そのコラムの特性を総合的に把握した上で記者にアプローチするのがプロの広報です。
やはり最低でも1ヶ月分の過去記事は見て分析すべきです。
といっても。
大企業は5大紙や主要ビジネス誌を会社として定期購読し、業界紙は定期的に広告を出稿しているので自動的に送られてきて、さらに日経テレコンやELネットの契約をしていてあたりまえですが、中小企業は日経すらとっていない(個人任せ)こともあります。
そういう場合は、さくっと国立国会図書館に行きましょう。
このメディアのこのコラム という目星をつけ、そこに絞って過去記事をとにかく確認します。
時間はかかりますが、日経テレコンなどと違ってタダですしね。
雑誌の場合は、これも大企業なら広告出稿のおかげで広告代理店から、または各媒体社から無料で届いていたかと思いますが、これもありませんので、dマガジンの契約をお勧めします。
月400円(税抜)で相当数の雑誌をバックナンバーも含めて読むことができます。
全ページは掲載されていませんが、だいたいの傾向はつかむことができます。



4.連絡先を調べてコンタクトを取ろう


すでにあるメディアリストに、メディアの直通の電話番号やメールアドレスがなかったら「PR手帳」や「マスコミ電話帳」などで探すしかありません。もし手元になかったら、Amazonで簡単に安く買えますので強くお勧めします。
しかし。
載ってない連絡先もあります。
webメディア。特にwebに特化しているメディア。
何とかして代表電話や広告部の番号を調べあげたとしても、そこから先、編集部につないでもらえないことがほとんどです。
「プレスリリースを送りたいのですが」と言うとinfo@やpress@などの代表のアドレスは教えてもらえますが、そこから先はまず何の音沙汰もなしです。
では、どうしますかね。



5.SNSからアプローチしてみよう


記者の中には、SNSから積極的に発信しているかたもいます。Twitterで「情報提供はDMからどうぞ」と書いている方もいらっしゃいます。
リリース送ったのに…と連絡を待ったり諦めていないで、DMしちゃいましょう。

6.セミナーのゲストになっている記者を探そう


オープンになっている講座はなかなかないので、探すのが難しいですが、編集長やデスククラス以上のかたは、たまに各所でセミナーのゲストに呼ばれていたりします。
有料になるかもしれませんが、そこで名刺交換して積極的にコンタクトを取るのもひとつの手です。




7.前職、知り合いのコネを最大限に利用しよう


とりあえずありとあらゆる周りのコネを使いましょう。横のつながりを最大限に利用して、とにかくつながりを持ちましょう。また、面倒くさがらずに、メディア関係者が集いそうなコミュニティを探したり、異業種交流会に参加して広報PRをやっているひとや、メディアじゃなくてもメディアと接触したことがありそうなかたに紹介していただくとか。とにかく面倒くさがらずにつながりを持つことをおすすめします。



8.最後に


上記のことをやってみても、そう簡単に掲載を獲得できるものではありません。「私、もっとできる子じゃなかったっけ?あれ?」と思うでしょう。そして、自分の実力は実は大したことなくて、これまでは会社のネームバリューに支えられてきたことを思い知るのです。
でも苦労してつながり、アプローチして掲載につながったときの喜びは、これまでの受け身の状態から取材対応して掲載につながったときよりも何倍もの喜びを感じます。
手間はかかるし、最初は要領を得なくてかなり苦労しますが、苦労した分、リレーション構築力は確実に身につくことでしょう。

めげずにとにかく動いてみてください!







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